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  1. 世田谷区議会 2018-11-27
    平成30年 12月 定例会-11月27日-01号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    平成30年 12月 定例会-11月27日-01号平成30年 12月 定例会 平成三十年第四回定例会 世田谷区議会会議録第十七号  十一月二十七日(火曜日)  出席議員(五十名) 一番   ゆさ吉宏 二番   加藤たいき 三番   おぎのけんじ 四番   青空こうじ 五番   あべ力也 六番   ひうち優子 七番   上川あや 八番   すがややすこ 九番   山口ひろひさ 十番   阿久津 皇 十一番  安部ひろゆき 十二番  高岡じゅん子 十三番  田中みち子 十四番  三井みほこ 十五番  佐藤美樹
    十六番  小泉たま子 十七番  河村みどり 十八番  津上仁志 十九番  菅沼つとむ 二十番  石川ナオミ 二十一番 河野俊弘 二十二番 石川征男 二十三番 大庭正明 二十四番 田中優子 二十五番 桃野よしふみ 二十六番 そのべせいや 二十七番 福田妙美 二十八番 高久則男 二十九番 山内 彰 三十番  真鍋よしゆき 三十一番 上島よしもり 三十二番 江口じゅん子 三十三番 桜井 稔 三十四番 たかじょう訓子 三十五番 中村公太朗 三十六番 藤井まな 三十七番 岡本のぶ子 三十八番 平塚敬二 三十九番 板井 斎 四十番  和田ひでとし 四十一番 上山なおのり 四十二番 畠山晋一 四十三番 中里光夫 四十四番 村田義則 四十五番 羽田圭二 四十六番 風間ゆたか 四十七番 中塚さちよ 四十八番 諸星養一 四十九番 佐藤弘人 五十番  高橋昭彦  出席事務局職員 局長     本橋安行 次長     井上徳広 庶務係長   星野 功 議事担当係長 水谷 敦 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 下村義和 議事担当係長 岡本俊彦 議事担当係長 菊島 進 議事担当係長 末吉謙介 調査係長   佐々木 崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    宮崎健二 副区長    岡田 篤 世田谷総合支所長        平澤道男 北沢総合支所長        髙木加津子 玉川総合支所長        岩元浩一 砧総合支所長 澤谷 昇 烏山総合支所長        西澤 滋 政策経営部長 岩本 康 財政制度担当参事        松永 仁 総務部長   中村哲也 危機管理室長 工藤 誠 財務部長   進藤達夫 施設営繕担当部長        松村浩之 生活文化部長 田中文子 地域行政部長 志賀毅一 スポーツ推進部長        内田政夫 環境政策部長 畝目晴彦 経済産業部長 久末佳枝 清掃・リサイクル部長        原田茂実 保健福祉部長 板谷雅光 障害福祉担当部長        松本公平 高齢福祉部長 瓜生律子 子ども・若者部長        澁田景子 保育担当部長 知久孝之 世田谷保健所長        辻 佳織 都市整備政策部長        渡辺正男 道路・交通政策部長        小山英俊 土木部長   五十嵐慎一 豪雨対策推進担当参事        桐山孝義 教育長    堀 恵子 教育次長   淺野 康 教育政策部長 工藤郁淳 総務課長   菅井英樹        ──────────────────── 議事日程(平成三十年十一月二十七日(火)午後一時開議)  第 一 議席の一部変更  第 二 議会運営委員会委員定数の変更及び委員の選任  第 三 代表質問
           ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、会議録署名議員の指名  二、会期の決定  三、日程第一 議席の一部変更、表決  四、日程第二 議会運営委員会委員定数の変更及び委員の選任、表決  五、閉会中の常任委員変更の報告  六、諸般の報告  七、日程第三 代表質問        ────────────────────     午後一時開会 ○三井みほこ 議長 ただいまから平成三十年第四回世田谷区議会定例会を開会いたします。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 これより本日の会議を開きます。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 本日の日程はお手元に配付の議事日程のとおりであります。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 まず、会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員には、会議規則第七十九条の規定により、   二十四番 田中  優子議員   三十 番 真鍋よしゆき議員 を指名いたします。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 次に、会期についてお諮りいたします。  本定例会の会期は、本日から十二月六日までの十日間とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○三井みほこ 議長 御異議なしと認めます。よって会期は十日間と決定いたしました。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 これより日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第一 議席の一部変更 ○三井みほこ 議長 お手元に配付してあります議席変更表のとおり、議席の一部を変更したい旨の申し出があります。  お諮りいたします。  議席変更表のとおり、議席の一部を変更することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○三井みほこ 議長 御異議なしと認めます。よって議席変更表のとおり議席の一部を変更することに決定いたしました。  ただいま決定いたしました議席に氏名標を持参の上、御着席願います。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 次に、 △日程第二を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第二 議会運営委員会委員定数の変更及び委員の選任 ○三井みほこ 議長 委員会条例第三条の三第一項の規定により、議会運営委員会の委員の定数を変更いたしたいと思います。  お諮りいたします。  議会運営委員会の委員の定数を十三名から十四名に変更することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○三井みほこ 議長 御異議なしと認めます。よって議会運営委員会の委員の定数を十三名から十四名に変更することに決定いたしました。  ただいまの定数の変更に伴い、議会運営委員の選任については、委員会条例第五条第一項の規定により議長から指名いたします。  お諮りいたします。  河野俊弘議員を議会運営委員に指名いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○三井みほこ 議長 御異議なしと認めます。よってただいま指名いたしました河野俊弘議員を議会運営委員に選任することに決定いたしました。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 この際、御報告いたします。  十一月五日付で委員会所属変更の届け出がありました。委員会条例第五条第四項ただし書きの規定により、お手元に配付してあります委員所属変更表のとおり、同日付でそれぞれ変更を許可いたしました。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 次に、区長から招集の挨拶の申し出があります。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 平成三十年第四回世田谷区議会定例会の開催に当たり、区議会議員並びに区民の皆様に御挨拶を申し上げます。  去る十月十八日の朝、選挙管理委員会委員長の鈴木昌二さんの御逝去の報が入りました。鈴木委員長は、七期二十八年の長きにわたり区議会議員として文化・スポーツ活動を通した青少年の健全育成などに御尽力されるとともに、区議会議長の要職も務められました。音楽を初めとした文化芸術にも造詣が深く、区民に親しまれる文化発信にも数々の御貢献をいただきました。ここに謹んで哀悼の意をあらわし、心より御冥福をお祈りいたします。  さて、十月十三日に実施した第四十回世田谷区たまがわ花火大会には、二十六万人の方が来場されて、成功裏に終わりました。昨今の多発するゲリラ豪雨などの気象リスク、予測が困難な突発的雷雨を避けて、ことしから、対岸で同時開催する川崎市とともに開催日を変更して秋花火として趣を変えました。澄んだ夜空を彩る花火に大きな歓声が広がり、これから秋花火として定着する可能性を示しました。また、当日はホストタウンになっている御縁で、アメリカ大使館のキャロリン・グラスマン公使をお迎えし、会場のステージでは、元新体操日本代表の畠山愛理さんに「東京五輪音頭―二〇二〇―」を披露してもらいました。  大会準備並びに運営に当たっていただいた実行委員会と会場整理や警備に御苦労された警察、消防など、関係者の皆様に感謝を申し上げます。  次に、本庁舎整備についてでございます。  本庁舎整備について、九月にまとめた世田谷区本庁舎等整備基本設計案中間報告及び世田谷区民会館整備方針策定へ向けた区の考え方をテーマとして区民説明会を開催しました。総合支所五地域で各約二時間の説明と質疑応答を重ねて、全部で百三十名の区民の熱心な参加があり、多くの意見をいただきました。参加者の中でも、初めて庁舎整備のプランを聞く方から、専門的見地から技術的な疑問点を示される方など、幅広い方々が集まりました。  同時に、区民や有識者による基本設計の検討が進んでおります世田谷リング会議でも掘り下げた議論が続いています。また、区議会からいただいた区民会館の耐震性の確保については、区民会館ホール部分の耐震改修及び楽屋部分の改築により、耐震構造体Ⅰ類相当としての耐震性能を確保することが可能となりました。  区民会館ホールは、区を代表する芸術・文化・表現活動の発表、鑑賞の場として設備一新を図ります。ホールの座席も、現在よりも席数を減らしてゆったりと配置します。ステージ、照明、音響も最新最適な機材を入れ、音響効果の向上を図ります。リハーサルスタジオとして利用できる練習室を東側地下に配置し、楽屋は三層に改築して区民の需要に応えてまいります。  このたび、区民会館を文化芸術の魅力を発信する拠点として活用を図るべく、世田谷区民会館整備方針案としてまとめました。今後、この区民会館整備を含め、来年二月に基本設計案を策定し、来年度は実施設計を行い、二〇二〇年度の着工に向けて着実に準備を進めてまいります。  ここから、基本計画の分野別政策に沿って、主な政策の取り組みについて述べます。  まずは、健康福祉です。  二〇一六年から二〇三〇年までの長期的な開発の指針として、持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダが国連で二〇一五年に採択をされました。SDGs、持続可能な開発目標は、普遍的な目標として誰一人置き去りにしないという約束を掲げています。世田谷区政に引き寄せて言うなら、社会的包摂を進めるとしてきたことと通底をいたします。  世田谷区基本構想で、障害者、高齢者を初め、誰もが安心して暮らしていけるように身近な地域で保健、医療や福祉サービスの基盤を確かなものにするとした上で、基本計画で身近な福祉の相談窓口の全地区への設置を打ち出しました。  困難な人を置き去りにせず、暮らしに密着した地区で支える世田谷区ならではの地域包括ケアシステムの実現に挑んできました。平成二十六年度に砧地区で試行を始め、平成二十八年度には、全ての二十七地区のまちづくりセンターに福祉の相談窓口を開設し、あんしんすこやかセンター社会福祉協議会の三者連携を開始いたしました。  十月二十五日に、北沢タウンホールで地域包括ケアの地区展開報告会を開催しました。報告会では、「参加と協働による地域づくり」と題した五地区での取り組み事例が発表されました。会場は、福祉の相談窓口を担う区職員、あんしんすこやかセンター社会福祉協議会の職員が集まり、熱心に耳を傾けていました。  まず、中村秀一世田谷地域保健福祉審議会会長の基調講演で、平成二十七年の国勢調査で、世田谷区の平均寿命は、男性が八十二・八歳、女性が八十八・五歳と男性は全国三位、女性は全国八位と全国平均を上回る一方で、健康寿命は、男性が八十一・三一歳、女性が八十二・四歳で、ケアを必要とする年数が男性は三・六四年、女性は七・三三年と比較的長く、今後は健康寿命の延伸が課題であることが指摘されました。さらに地域包括ケアシステムを推進するためには、多様なサービスの提供とともに、利用者を含む地域住民自身が生活支援の担い手として社会参加する仕組みが重要とのお話をいただきました。  さて、二年半経過した福祉の相談窓口が新たな段階に入りつつあることを実感したのが、次々と語られた五つの地区からの報告でした。  上町地区では、転入者が増加する一方で、高齢者の孤食や妊娠期から出産後の孤立が課題となっていました。そこで、多世代が集う誰もが居心地のよい場所を目指し、上町ふれあいカフェを立ち上げています。高齢者と子育て世代の世代間ギャップから戸惑うこともありましたが、会を重ねることで交流が深まり、身近な相談の場ともなり、専門職による個別相談なども行われています。  松沢地区でも高齢者の居場所づくりが始まっています。松沢まちづくりセンターに併設されている喫茶「YOU・遊」で、一人でも気楽に参加できる「おしゃべり★カフェ」が毎週開催されています。既に四十回以上回数を重ね、商店街に位置するまちづくりセンターのカフェを使うことで、地区に根差した語らいの場ができてきました。  簡単な挨拶や会話すら機会がないというひとり暮らしの高齢者も、肩肘張らない団らんの場ができることで、身の回りのことから世間話に花が咲くこともあり、二つのコミュニティーカフェの取り組みは、孤立化を防ぎ、地区のつながりをつくる上で有効です。  深沢地区では、これまで地域にかかわりが薄かった定年退職後の男性たちを対象に、町会や地域活動団体の担い手になってもらうことを意識したアンケートをとりました。回答の中に、参加したい気持ちはあるが、きっかけが見つからないなどの声が多かったことから、男性向けの体操教室を呼びかけ始めました。こうした中で、社会福祉協議会が男性の地域参加を促して自主グループが生まれ、男性たちによる小学生の登校時の通学路に立つ「こども見守りたい」の活動がスタートしています。  成城地区からも、閉じこもりがちの男性が地域に目を向けられるように、地域参加の第一歩を後押しするSSCK、成城セカンドコミュニティ会議を立ち上げています。「成城男ディ通信」を発行、「ぶらり成城映画散歩」や「美味しい珈琲の淹れ方講座」などの多彩な企画が生まれ、活動への参加者を広げています。ただし、企画にやってきた参加者をお客さんにせず、次の担い手になってもらうために、参加者同士の交流など工夫を行っているとの報告でありました。  上祖師谷地区でも、地域活動の担い手に男性が少ないという危機感の中から男の居場所づくりが始まりました。ミニコミ紙の告知などで、男性による「いきいき講座ダンディ・イングリッシュ」が動き出しました。英語に堪能な男性がリードして、英会話学習からサークルの輪が広がって、さらに地域イベントへの参加や子どもの地域活動支援など活動の場を広げています。  三地区の報告テーマは、共通して男性の地域参加でした。従来までの地域福祉では十分にカバーしてこなかった課題に関心が集まり、積極的に男性に呼びかけたことに対して、すぐに呼応する活動が始まっているのは、これまでにないことだと思います。  世田谷ならではの地域包括ケアの地区展開は、当初、三者連携の情報連絡や事例共有の仕組みを構築してきましたが、初期の課題である福祉の相談窓口における的確なアドバイスとサービスの提供から、次の段階として、地域住民によるコミュニティーカフェの運営や、男性の地域参加を呼び込むところまで進展を見せています。これは、役所の各所管の垣根を超えた参加と協働であり、地域づくり、まちづくりそのものであります。三者連携プラス住民自治の構図で互いに地域の課題を話し合い、知恵を出し合って解決する領域が広がっていることを感じました。  次に、障害者施策について申し上げます。  まず、区の障害者雇用率の誤算定については、区民の信頼を損ねる事態となってしまったことを重ねておわびを申し上げます。区の障害者雇用の拡大に向け、できるだけ早く区における障害者雇用率の達成を果たしてまいります。  また、障害者の就労については、企業などへの就労後に職場になじめない、勤務時間に耐えられないなどの理由で離職する方が少なくありません。国はこうした状況を踏まえ、障害者の就労定着支援を制度化しました。そこで、区の障害者就労支援センターすきっぷなど障害者就労支援にかかわる条例改正を提案させていただきます。障害者の就職後の生活支援や雇用先事業所での就労環境向上の働きかけなどの定着支援事業に取り組み、就職後の支援を充実していきます。新制度では、個別支援計画を定め、月一回以上の対面による支援や雇用先への訪問など、これまでよりも実効性のある就職後の生活支援、就労定着の向上のための定着支援事業に区として取り組みます。  この間、障害者の通所施設を二カ所開設いたしました。十月に宮坂二丁目に生活介護施設、にこにこみやさかを、十一月には上北沢一丁目に就労継続支援B型と生活介護、グループホームを併設したコイノニアかみきたです。引き続き障害者施設整備等基本方針検討委員会における検討を踏まえ、今後の障害者ニーズに応える施設整備に取り組んでまいります。  分野別政策の二番目、子ども若者・教育です。  平成二十六年度に子ども・子育て応援都市宣言を行い、喫緊の課題である保育待機児童の解消に向け、保育定員の拡充に努め、民間事業者による保育園整備に全力を挙げてきました。就任時から累計で約八千人に届く定員を新たに確保いたしました。  まず、区立保育園のあり方についてです。  子どもの生命と安全に大きな責任を持つ児童相談所の移管により、区の役割は決定的に広がります。現在、従来までの待機児童対策のもと進めてきた保育施設整備や幼児教育・保育の質の向上に向けた取り組みとあわせて、保育の基盤づくりを強化していく必要があります。  こうした背景のもと、区では、区立保育園の今後のあり方の検討を進めています。区立保育園が公設の児童福祉施設として担うべき役割は何か、民間保育施設と一体となって行うべき事業展開がどうあるべきか、地域に密着した子ども・子育ての拠点としての役割は何かなど、議会、子ども・子育て会議などの御意見をいただきながら方針案の検討を重ねてまいります。  次に、児童相談所の開設準備についてであります。  区の児童相談所の開設は、子どもの権利が保障され、その最善の利益が優先された「みんなで子どもを守るまち・せたがや」の実現のための体制を総合的に構築する機会でもあります。区がこれまで培ってきた地域と結びついた子ども家庭支援センターが持つ充実した地域の子育て支援ネットワークと、新たに設置する児童相談所の権能を生かすだけではなく、それぞれが力を合わせてチームとして協働し、子どもの人権を尊重する改正児童福祉法に相ふさわしい児童相談行政と、社会的養護の新たな充実を進める必要があります。  今般、児童相談所設置のための政令指定の要件を満たすことができると見込まれる状況になってきたことから、二〇二〇年四月を開設時期とした政令指定の要請の提出に向け、東京都との協議をさらに進めていきたいと考えています。引き続き、区議会の御理解と御支援を大きな力として、協議の決着に全力で臨みます。  次に、教育の分野です。十月二十七日に世田谷教育推進会議を開催いたしました。今回は、SDGs、持続可能な開発目標をテーマに、都立武蔵高等学校教諭の山藤旅聞先生をお招きし、講演と短い授業をしていただきました。グループワークなどを通して約八十人の区民、教員、行政が一堂に会して活発な議論が行われました。  グループワークでは、地球規模の危機が深まり、情報化、国際化の急速な進展に見られる先行き不透明な社会を生きていく子どもたちの未来のために、これから何ができるのかを語り合いました。地域との連携を実現する人材の必要性、AI時代にも人と人がつながる力は重要だということ、防災教育の徹底など多様な意見が出されました。  続いて開催しました総合教育会議では、同じくSDGsをテーマに、私と教育長、教育委員による公開ディスカッションを行いました。社会が複雑化するにつれ、かつては実学を基本にした学びが学校教育において教科ごとに抽象化された学習も多くあり、改めて抽象的な学びから現実に根差した実学に近づける必要があるとの課題認識を確認しました。SDGsの十七個の目標をただ暗記するのではなく、何から始めるべきなのかを問いかけて、主体的で対話的な深い学びにつなげていくべきなど、これまで総合教育会議の中で議論してきた学びの質の転換などの視点から活発な質疑を交わし、世田谷の教育の質の向上につなぐ視点を共有できたと思います。  分野別政策の三本目は、暮らし・コミュニティーです。
     東日本大震災以降、災害時と復興に取り組む経験などから地域コミュニティーの役割が重要との認識が広がりました。区民一人一人が自治の担い手として地域社会で参加と協働を実現する土台が築かれ、継続できるように支援します。  平成三十一年二月一日に、旧希望丘中学校跡地に新たな複合施設がオープンします。この跡地活用に当たっては、子ども、若者から高齢者までの全世代で知恵を出し合い、継続して意見交換を続ける中から、企画イメージを深化、発展させてきました。地域に若者のための交流、活動の場が必要だという意見が具体的に検討され、当事者の若者世代が半年間、検討チームをつくり、建設設計の専門家の助言も得ながら議論して、地域の大人たちを前に企画提案するという画期的な手法で室内のレイアウトが決まりました。青少年交流センターは、アップスという愛称に決まりました。さらに、地域コミュニティーの拠点となる希望丘区民集会所や、公設民営の初の試みとなるほっとスクール希望丘、子育て支援機能を持つ拠点園としておでかけひろばを併設した希望丘保育園もでき上がります。また、旧中学校体育館棟は改修により、パラリンピック種目のボッチャなど、さまざまな屋内スポーツが楽しめる希望丘地域体育館として使えるようになります。  次に、オリンピック・パラリンピック機運醸成についてです。  東京二〇二〇大会に向けた区民とアスリートの交流、競技の体験プログラムなど、さまざまなイベントを実施しながら機運醸成を進めています。  九月十四日には、アメリカオリンピック委員会との交流事業の一環で、二〇〇〇年のシドニー・パラリンピックの走り幅跳び銀メダルのジョン・レジスター氏を明正小学校と砧中学校にお招きし、講演などを実施しました。御自身の体験をもとにした障害者スポーツの魅力や、夢を持って努力することの大切さについてお話しいただいたほか、生徒と給食の時間をともに過ごすなど、パラリンピックメダリストに触れ、子どもたちは大きな刺激を受けてくれたと思います。  引き続き、区民とアスリートの交流事業を重ねるとともに、総合運動場及び大蔵第二運動場でのキャンプ実施に向けて協議を加速いたします。  次に、地球温暖化対策再生可能エネルギーの利用拡大についてです。  今年度はこれまで経験したことのない気象異変が頻発しました。記録的な豪雪、また高温が続いた猛暑、連続する台風の発生や豪雨災害など、地球温暖化がもたらす影響は私たちの生活を脅かすものになりつつあります。  区では、区環境基本計画に自然の恵みを生かしたエネルギーの利用拡大と創出の取り組みを掲げ、世田谷区みうら太陽光発電所の開設、自治体間連携による川場村や弘前市との再生可能エネルギーを区民が購入できる仕組みの構築、そして長野県から購入した電力の保育園など公共施設への電力供給など、工夫を凝らした施策の展開に取り組んでまいりました。  国内で、近年、企業を中心に、全ての事業使用電力の再生可能エネルギー化を目標として、RE一〇〇を目指す動きが広がりつつあります。区内最大の事業者である区が、現在購入している電力を再生可能エネルギー一〇〇%を目指して、区役所本庁舎に導入することは、環境価値に配慮した社会に向かう意思を明らかにすることになります。地球温暖化対策における温室効果ガスのさらなる削減、再生可能エネルギー利用促進につなげて、環境都市世田谷の実現を目指します。  また、記録的短時間の豪雨が頻発する中、グリーンインフラの活用に取り組みます。環境先進都市と評価されるアメリカ・オレゴン州のポートランド市も、雨水対策に力を入れています。同市では、下水容量が処理能力を超えてあふれ出し、河川の水質悪化を招いたことから、市を挙げてグリーンインフラの整備に取り組み、一街区の雨水を循環利用して下水に流さない先進技術を駆使した事例もあり、世界から注目されています。区においても、上用賀公園にレインガーデンを整備したほか、世田谷区豪雨対策行動計画では、初めてグリーンインフラを位置づけたところです。今後、国内外の先進事例も参考にしながら、豪雨から区民の安全と暮らしを守るグリーンインフラの取り組みを積極的に広げます。  次に、区における防災対策と、分野別政策四本目の都市づくりについて述べます。  多発する日本列島各地の自然災害の貴重な教訓を踏まえながら、災害のリスクにコミュニティーの力で向き合うことができるよう、まちづくりセンターにまちづくり・防災担当係長を置き、全地区で地区防災計画を策定しました。  また、都市づくりにおいても五地区不燃化特区内で建てかえを推進、うち一地区では既に目標の不燃領域率七〇%を達成いたしました。また、区の防災の総拠点となる区本庁舎についても、さきに申し上げたとおり、区議会との議論を経て、整備に向けた道筋をつけてまいりました。  次に、緊急に対応しなければならない学校施設の問題です。  学校の耐震については、現在、耐震診断調査に取り組んでおり、その結果に基づき、耐震補強が必要な施設は、学校関係者、保護者の御協力のもと、速やかに耐震補強設計、工事を進めます。なお、今回、体育館の耐震診断で、速報値ではありますが、Is値の〇・三を下回る数値となった七校については、応急的な安全対策を講じてまいります。  また、学校体育館の空調化につきましては、昨今の気象状況の変化による異常高温により学校運営に支障を来している状況を踏まえ、全校の体育館に空調を整備してまいります。できる限り短期間の整備手法を検討していますが、さきの耐震補強を行う体育館については、同時に空調化の設計、工事を進め、学校運営への影響を最小限といたします。これらの耐震補強、空調化を円滑に進めるための設計費の補正予算を本議会に提案いたします。  次に、連続立体交差事業と周囲のまちづくりについてです。  小田急線の代々木上原駅から梅ヶ丘駅間の連続立体交差事業は、来年三月の事業完了に向け、工事が大詰めを迎え、鉄道上部では順次、緑地、小広場や駅間通路の整備を進め、昨年度の東北沢駅駅前広場の整備に続き、今年度は世田谷代田駅駅前広場工事に着手予定です。  これまでの取り組みを振り返ると、小田急線上部では、東北沢駅、下北沢駅、世田谷代田駅と三つの駅前広場や代田富士356広場など、緑地、小広場、さらには下北沢駅西側エリアでの立体緑地等を計画し、整備に当たり、住民参加のもと進めてまいりました。  私の区長就任以降、地域が一堂に会するラウンドテーブルの開催を求める声もあり、平成二十五年十一月にゾーニング構想を区と小田急共同で発表いたしました。平成二十六年八月に第一回北沢デザイン会議をスタートさせ、この七月で五回目となりました。また、平成二十八年十月から小田急線上部利用施設などによる町の変化に伴い、地域の方々による区施設の活用や町の魅力を高める活動を実践していく北沢PR戦略会議を初め、テーマごとの九つの部会で何度もの話し合いを重ねています。  小田急線連続立体交差事業が最終段階に差しかかり、下北沢を中心とするまちづくりは、これまでの町の魅力を増幅させていく仕上げの時期に入っています。丁寧に、確実に未来への活力に満ちたまちづくりに挑んでいきます。  続いて、京王線連続立体交差事業についてです。  区は、京王線の開かずの踏切解消に向けて、事業主体である東京都、京王電鉄などとともに進めています。事業を契機としたさまざまなまちづくりにも取り組み、これまで駅周辺の地区街づくり計画策定においては、地区街づくり協議会の原案の提案を踏まえ、地区にふさわしいまちづくりを進めてきました。また、明大前駅では、地域のさまざまな御意見に耳を傾け、自由に討議する明大前街づくり学校を運営するなど工夫をしてまいりました。  鉄道を高架化することで、いわゆる開かずの踏切を除却し、渋滞解消に加え、分断されていた地域の一体化による回遊性向上など、地域の発展、活性化にもつながります。参加と協働を基本にまちづくりを着実に進めてまいります。  さて、平成二十五年九月に策定した世田谷区基本構想では、前文で次のような時代認識を述べています。「少子高齢化によって、世田谷区でも人口構成が大きく変わり、単身・高齢者世帯がますます増えていきます。金融、労働、情報などのグローバル化が進み、地球資源の限界にも直面しています。格差や少子化、社会保障の維持などの課題に取り組むことも求められます。また東日本大震災と原子力発電所の事故は、災害への日ごろの備えがきわめて重要で、緊急の課題であることをあらためて認識させただけでなく、一人ひとりの生き方や地域社会のあり方を見なおすきっかけとなりました」。  翌年、平成二十六年三月の世田谷区基本計画において、「子どもが輝く 参加と協働のまち せたがや」を掲げるに当たり、基本方針の冒頭に「区民が主体的に地域を運営する住民自治の確立に向けて、区の計画や条例の策定などへの区民参加の機会を充実するとともに、地域行政を進め、住民の意思を尊重した区政運営を行います」と掲げました。  また、社会的包摂を重視する姿勢を打ち出しました。誰一人置き去りにしないというSDGsの普遍的な目標に通じる視点であります。さらに、区政の事業執行のあり方をマッチングによる政策の推進を掲げて、縦割りから横つなぎへの改革を開始しました。  「今後、確実に進行する高齢化や、都市化に伴う家族形態の多様化、災害に対する備えへの意識、環境問題等、多種多様な社会状況がとりまくなか、限られた財源のなかでも、より効率的で効果的な政策手法や資源再配分の工夫が急務」として、「縦割りを超え、さまざまな分野を組み合わせ、区民・事業者・区の連携協力により、多様化する区民ニーズに応え、最善の施策を組み立てていく」としました。  世田谷区基本計画から四年半、各領域や所管の壁を乗り越えて力を合わせ、日常不断に区民、事業者との参加と協働を追求する手法で、困難な課題に現在も挑みつつあります。行政の検討過程で見えてこなかった問題点や、すぐれた提案を区民とともに話し合って仕事を進めていくことにより課題に挑むことは、かつて住民参加や打てば響くまちづくりを看板にしてきた世田谷区役所の原点に戻ることだと考えています。  平成三年の地域行政制度開始から四半世紀が経過しました。当時、東京の特別区という制度的な限界を打ち破る自治権拡充を求めながら、地域内分権を進めるべく五つの総合支所、二十七の出張所、現在のまちづくりセンターを有した組織改革は、時代の変化を先取りした炯眼であり、自治体経営の本質に触れる高い志が宿っていたものと思います。  私は、この間、過去の歴史的遺産を継承しながら、現代的な役割転換を進めてきました。過去を全否定して破壊するだけでは何も生まれません。真の創造的な改革は、既にあるものの基盤を生かして、いまだないものを誕生させていくプロセスにあると考えています。混乱を生まず、目標を定め、漸進的に改革を進めていくことで、自治体の使命である住民の福祉の増進を実現する道が開けてくると確信をしています。その結実が、さきに触れた地域包括ケアの地区展開を初めとした区政改革であります。  さて、人口九十万人を超えて、人口増のペースから百万都市となることも予想される世田谷区の自治体の形も問われています。この間、都区制度改革は児童相談所移管がその他の移管要望事項を封じる瓶のふたになり、具体的な進展を見せていません。全国の市町村に認められている用途地域の変更など、都市経営の基礎的な権限も、地方分権改革の例外として特別区は除くとされたままであります。  大阪都構想をめぐり関西で行われたシンポジウムで、特別区の現状をお話ししたら、政令指定都市である堺市、人口八十三万人の竹山修身市長は、用途地域まで指定できないでどうやってまちづくりをするのかと驚いていたことを思い出します。固定資産税、法人住民税などが都税として徴収され、財政調整制度で配分される現状では、産業振興などで投じる税源を事業成果によって回収することは不可能になります。  現在、児童相談所移管の事務手続に全力を挙げていますが、都の内部団体という歴史的残滓を引きずりながら、市町村以下の権限で制約された九十万都市というアンバランスな現状は、長期的な視野に立つ都市経営にとって大きな壁となっており、かつて大場区長時代に語られた世田谷独立の気風も呼び起こして大きな改革に取り組む必要を感じています。  まずは、区民の理解を広げるとともに、議会における多角的な検討と意見交換をいただきながら、認識と構想を深めていきたいと考えています。  世田谷ならではの政策を一層進め、九十万区民とともに次代を切り開き、引き続き、九十万都市にふさわしい都市経営に引き上げて、区政を展開する決意でございます。  最後に、平成三十年度一般会計第三次補正予算について申し上げます。  このたびの補正は、一部の学校施設における耐震診断の状況を踏まえた耐震補強設計及び体育館の空調設備設置設計、風疹流行への対策や本庁舎等整備に係る土地賃貸借に向けた債務負担行為の設定など、喫緊の課題に対するため、歳入歳出それぞれ三億三千二百万円の補正予算を計上するものであります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。  本議会に御提案申し上げます案件は、平成三十年度世田谷区一般会計補正予算(第三次)など議案九件、諮問一件、同意一件、報告十件です。何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御議決賜りますようお願い申し上げまして、御挨拶といたします。 ○三井みほこ 議長 以上で区長の挨拶は終わりました。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。    〔井上次長朗読〕  報告第四十九号 議会の委任による専決処分の報告(自動車損傷事故に係る損害賠償額の決定)外報告十件 ○三井みほこ 議長 ただいまの報告のうち、報告第五十九号については、企画総務委員会で提案され、関係機関に要望したものであります。御了承願います。  以上で諸般の報告を終わります。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 次に、 △日程第三を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第三 代表質問 ○三井みほこ 議長 質問通告に基づき、順次発言を許します。  まず、自由民主党を代表して、三十一番上島よしもり議員。    〔三十一番上島よしもり議員登壇〕(拍手) ◆三十一番(上島よしもり 議員) 先月十八日、選挙管理委員長の鈴木昌二さんが御逝去されました。区議会議員を七期二十八年にわたり務められ、また各種の地域活動にも御尽力された生前の御功績をしのび、心より御冥福をお祈りするとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。  さて、我が会派は、四年前、二〇二〇年をターゲットイヤーに見据え、区民の生命と財産を守る安全安心の基盤整備とライフステージに応じた環境の整備を基本目標に掲げた政策集を取りまとめました。その内容を前期最後の我が会派の代表質問において披瀝させていただいてからの四年間、我が会派は一丸となって、それらの政策の実現に向けて全力で取り組んできたところでございます。  また、先ほど保坂区長は、招集挨拶の中で今期三年半の区政を振り返られていました。確かに成果を出された分野もございますが、御自身がいろいろな場でたびたびお話しされているとおり、近い将来、区内人口が百万人を超えるということ、また社会変化の予測が非常に困難な時代を迎えるということ、そういった御認識があればこそ、世田谷区がこれからどう成長していくべきかを語るべきではないでしょうか。  区長が変化を受動的に捉えるばかりで、進むべき方向を明確に示さず、また区政全般に真剣に取り組む姿勢が見られないことは、世田谷区にとってとても不幸なことであります。世田谷区のこれからについて大いに議論しながら、あらゆる機会を通じ、区民の世田谷への愛着と誇りを育む努力を続けなければ、自治権拡充の提唱も単なるパフォーマンスで終わり、区内人口が百万人に達するであろう二〇二五年ごろには、世田谷区はこれまでの輝きを失いながら、ただ、図体が大きいだけの都心の一周辺区として徐々に、また静かに埋没していくことになりましょう。  我々は、確固たる信念に基づく明確なビジョンと九十万区民を導く強いリーダーシップのもと、希望に満ちた未来の到来を実現しなければなりません。そのために、愛する世田谷がより魅力ある豊かな町であり続けるため、努力を惜しまないことをここに誓うものであります。  今期も残りわずかとなりましたが、少しでもその希望が見出せるよう、挑戦はとどまることなく、またきょうこのときから改めてスタートを切りたいと思います。  それでは、我が会派の基本政策に基づき、順次質問してまいります。  まず初めに、安定的な区政運営、財政基盤に向け、断行すべき行政改革について何点か伺ってまいります。  本年八月に区が示した三十一年度予算フレームによると、特別区税は前年度比二十億円増、特別区交付金は十三億円増が見込まれていますが、ふるさと納税の拡大に伴う特別区税の減収や法人住民税のさらなる国税化による特別区交付金への影響を鑑みますと、今後の区財政の先行きは非常に不透明であります。  このような状況の中、区民サービスを充実させるには、スクラップ・アンド・ビルドの視点が不可欠であり、現に区は予算編成に当たっての基本方針において、新規・拡充事業については、既存事業の縮減、廃止など、歳出の削減や歳入の確保をセットに行うと示していることからも、我々と同じ認識に立っていると理解しておりました。しかし、さきの定例会では、我々の主張と正対せず、行革と向き合わない言いわけのような答弁を繰り広げるばかりで、保坂区長は、区財政の行く末をいまだ本気で考えていないことに大変不安を覚えました。  また、区長は、行政サービスの質を落とすことなく、情報関連機器の調達方法の変更等により歳出削減を図ったと自負されているようですが、行革の取り組みとしては当然のものであり、加えて、そこで生み出した財源は、区長が次々と打ち出す新規事業により、既に食い潰されております。実際に二十九年度以降、二年連続で財政調整基金からの繰入金を当初予算に計上していることがその証左であります。  ない袖は振れないとの言葉のとおり、本来財源がなければ新規事業の展開は控えるべきです。区長にそのような考えがないのであれば、痛みを伴う各種事業の見直しに着手し、財源を生み出さざるを得ないのであります。みずからの退路を断ってでも事務事業の見直しを断行し、行財政改革に取り組むことを改めて強く求めますが、果たして区長にその覚悟があるか否か伺います。  さて、国に目を転じてみますと、行政改革の推進こそが安定的な国家運営の基礎となるとの考えのもと、官民データ活用推進基本法を成立させ、客観的データに基づく政策立案、いわゆるEBPMの導入を図るなど、限られた予算、資源のもとで最大限の政策効果を発揮するよう工夫を凝らし、全力で取り組んでおりますが、行財政改革の大きな潮流は官民連携に移行しつつあるように思われます。  そこで、将来を見据えた仕事仕分けについてお聞きいたします。  区内における人口減少などに伴い、今や行政単独でさまざまな施策を推し進めることが限界に達しつつあります。今後は、行政が持つ安定性、継続性、信頼性に民間の持つスピード感、そして社会への対応力を融合させ、公共サービスの提供を可能な限り民間企業やNPOなどと連携して行い、区の業務は、公共サービスのプラットホーム構築とそのマネジメントに特化していく流れにあると考えます。  区においては、この間、官民連携について専門部署を立ち上げ、取り組んできていますが、なかなか成果が上げられていないように思います。官民連携を大きく進めることは、これまでの行政のあり方自体が問われることにもつながり、庁内各部署の抵抗感も想定以上に大きいと想像しますが、区民生活の永続的な向上と世田谷区が魅力ある町であり続けることを真に望むのであれば、勇気を持って大きな一歩を踏み出すべきであります。  まずは、職員が直接担わなければならないもの、ICT等による自動化が可能なもの、委託化が可能なもの、民間との包括的連携により提供するものなど、庁内の業務を整理、分類するいわゆる仕事仕分けを全庁的に施すべきではないでしょうか。その上で、AIやRPAを活用した作業の自動化や業務委託を徹底的に推進し、持続可能な区政運営の実現に向けた将来の政策を練る時間や人員を生み出すべきと考えますが、区の見解を伺います。  また、平成九年度以降、順次策定してきた定員適正化計画に基づき、職員採用を抑制した時期があるため、現在における年齢別常勤職員構成は、三十歳代の職員が他の世代に比べ極端に少ない状態になっております。また、区は業務量の増大に対して非常勤職員の採用で人員不足をしのいできましたが、その結果、五年前と比較して六百八十八人も非常勤職員が増加し、既に三千人を超えているということです。  しかし、区の業務量は増加する一方であり、我々議会側から現在の執行体制を見る限り、非常勤職員の増員や職員配置の工夫だけでは対応し切れておらず、職員の疲弊度が増すばかりで、区の将来を広く長期的な視点で展望しているようには到底思えません。  このような未来志向が閉ざされた状況が続けば、優秀な人材や優秀な事業者が遠のき、区の将来に悪影響を及ぼすのではないでしょうか。十年後、二十年後の職員体制や区政運営を視野に入れ、先ほど申し上げた仕事仕分けをしっかりと行った上で、民間との協働の促進といった人材育成にもつながる対策を推し進める必要があると考えます。  また、非常勤職員を含めた新たな人員計画や運用方針を策定し、常勤、非常勤問わず、全職員がその能力を最大に発揮することができる組織づくりに取り組むべきであると考えますが、区の見解をお聞かせください。  さて、組織のあり方や職員の定数管理に加え、公共施設の適正な配置、管理も重要な課題でありますが、今般の小中学校の耐震診断の結果によっては整備計画の見直しが必要となるなど、公共施設の更新を着実に進めていく道は非常に険しいものがあります。  そこで、行政改革という視点に加え、互いに支えあう地域づくりの観点から伺っていきます。  近年、町会・自治会を初め、地域を支えている団体の組織力の低下など、地域での人々のつながりが希薄化していると感じるのは私だけではないと思います。また、昨今、児童生徒数の増加に伴う小中学校の大規模化が進む中、放課後等にPTAや地域住民の方々が利用してきた会議室や多目的室が普通教室に転用されるケースが相次ぎました。地域とともに子どもを育てる教育を学校と地域が連携して進めてきた中で、地域住民が学校で活動する場所を失っている現実は残念でなりません。  学校の増改築や改修時においては、新BOP学童クラブの大規模化への対応はもちろん、普通教室も地域活動の場所として開放できるよう、我が会派がかねてから申し上げている学校施設の多機能化、多目的利用をより推進すべきではないでしょうか。公共施設等総合管理計画で地域コミュニティーの核としての役割が示されている学校には、施設のレイアウト変更など新たな整備手法の導入を強く求めますが、教育委員会の見解を求めます。  次に、世田谷の弱点である都市インフラ整備についてお聞きします。  自治体の使命とは、区民の生命と財産を守ることである、本年五月に御逝去された熊本哲之前区長が生前、折に触れて発言された言葉であります。あまたある行政サービスのうち、区民の生命と財産を守る以上に重要な政策はなく、それこそ都市インフラの整備であると我が会派は認識しております。特に道路網は都市の骨格であり、また災害時においては、避難路や延焼遮断帯、さらには緊急物資輸送路の機能をあわせ持つその整備は、行政にしかできない事業であることからも、区みずから率先し、着実に推進していかなければなりません。  災害に強い街をつくるためには、まず職員体制を強化するとともに、相応の予算を配分して道路整備を推し進めることが肝要であることは言うまでもありませんが、将来にわたる世田谷の弱点をしっかり克服するために強化すべきとの考えは一切ないのか、区長に改めて伺います。  また、区民の生命と財産を守る治水対策も行政に課せられた重要な事業であります。本年七月の西日本豪雨を初め、世田谷区でも八月下旬に一時間の最大雨量が百十ミリを超える豪雨が発生するなど、ことしの夏は日本各地で浸水被害が相次ぎました。そのような中、区では、今年度より、豪雨対策を計画的かつ着実に推進するため、豪雨対策推進担当参事を新設しましたが、計画の策定や体制の整備で満足してはいけません。区民の方々は、その効果が目に見えてあらわれることを求めているのです。  護岸改修や河床掘削等の根本的な治水対策に関しては、国や東京都に積極的に働きかけることが何より重要でありますが、区道の新設や路面改修工事の際には、雨水浸透施設の設置や透水性舗装による整備を徹底するなど、区として独自に着手可能な方策も多々あるはずであります。区はあらゆる方策を講じて、都市型水害から世田谷の町を守るべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。  続いて、危機管理体制の強化についてお聞きいたします。  以前、この壇上にて、自衛隊で培った状況判断力が東日本大震災時に生かされた岩手県庁の危機管理監のエピソードを紹介させていただきましたが、我が会派は、首都直下地震への対応や、一年半後に迫った東京二〇二〇大会等におけるテロ対策の強化に向け、危機管理のスペシャリストである退職自衛官の常勤登用の必要性を強く訴えてまいりました。災害がいつ起きてもおかしくない状況の中、実現する日が一刻も早く迎えられるよう、この場をかりて改めて強く要望させていただきます。  さて、今夏の西日本豪雨は、被害者が二百名を超える大変な惨事となりました。この災害時に際し、私が最も痛感しましたことは情報の大切さです。災害発生時に行政がタイミングを逸することなく、適切な情報を発信し、住民に確実に届ける。そして住民も届いた情報を信頼し、適切な行動をとるという情報伝達体制、また信頼関係を構築することがいかに大切かということを改めて強く思いました。  現在の地域防災計画によると、発災時には災害対策課長が区の通信連絡責任者になると定められていますが、自然災害発生時に感染症が大流行するなどの複合的な非常事態の場合、正確な情報の収集、共有、提供といった一連の流れが滞ってしまうおそれが大いにあります。  自然災害に限らず、感染症や重大な事件、事故等、あらゆる非常事態が発生した場合でも、危険な流言の拡散防止、また正確な情報を迅速かつ的確に区民へ伝達することが重要であり、そのためには危機管理室が情報を一元的に収集し、情報発信を取り仕切る体制を構築することが大前提だと考えますが、区の見解を伺います。  続いて、本庁舎等整備についてお聞きします。  先日の委員会で報告された世田谷区民会館整備方針案によると、区は改築ではなく、耐震改修の手法を用いて区民会館を整備するとの判断を下しました。我が会派の指摘により構造体Ⅰ類相当の耐震性能を確保する方針に切りかえられたことは、成果として捉えていますが、もう一方で、五十年後、百年後を見据えた場合、改築のほうがトータルコスト的に有利ではないかとの意見も我が会派の中にあります。  いずれにせよ、さきの定例会の代表質問でも触れましたとおり、区民会館の更新時期や整備手法等、現段階からしっかり検証するとともに、本庁舎全体の整備を着実に進めていくよう改めて求めておきます。  さて、本庁舎等整備基本設計の策定作業も佳境に入り、配置計画や各フロアの平面計画が定まりつつあります。そして、区は、来年度から実施設計に着手する予定でありますが、実際の着工の段階においては、各所管部の移転計画も綿密に練り上げておく必要があります。同一敷地内で解体、建設を繰り返す本事業においては、着工から竣工までの間、数回にわたる移転作業をいかに区民サービスの低下を招かず、また遅滞なく安全に実施するかが非常に重要なこととなりますが、区としてはどのような視点を持ち、移転作業の手順を検討する予定があるのかお聞きいたします。  次は、良好な都市形成について伺います。  計画的都市形成の進展はその町の成長に大きくかかわり、世田谷区では三つの広域生活・文化拠点を中心に、主要な地域生活拠点やみどりの拠点、また交通軸や風景軸などが設定され、それに基づき良好で活力ある世田谷の発展を目指しております。特に三つの広域生活・文化拠点は、都市形成とともに、世田谷のイメージを牽引する大きな役割を担っていると言えます。  その一つ、三軒茶屋は、東急田園都市線と世田谷線の乗りかえ駅であるとともに、下北沢や二子玉川といったほかの広域生活・文化拠点ともつながる重要なエリアでありますが、まちづくりに関しては、キャロットタワーの整備以降、とまったままであり、今なお、バスターミナルもなく、十二路線ものバス停が駅周辺に点在し、さらには駅改札までのバリアフリーの移動動線も限られるなど、利便性、機能性が高いとは言えない現状であります。  また、三軒茶屋交差点付近では、歩道や歩行者の滞留空間も明らかに狭く、さらには、歩行者、自転車、自動車の通行が錯綜し、平常時でも安全とは言えない状況であります。仮に大震災が発生した場合、国道二四六号線の交通が規制され、周囲の道路も渋滞が発生するとともに、帰宅困難者が駅周辺にあふれ返り、二次災害の発生が助長される危険性が大いにあります。こうした点を踏まえますと、区民の生命と財産を守る自治体の責務として、三軒茶屋のまちづくりこそより優先的に取り組むべきと考えます。  区外を見ますと、お隣の渋谷駅周辺のまちづくりでは、渋谷区、国、鉄道事業者、民間事業者などが官民連携のもと、二〇二七年の完成を目途に、駅機能の更新、駅前広場や道路、河川などの公共施設の再編、拡充、駅ビルの再開発や区画整理などを一体的に行うことで、限られた空間に多様な機能を集積し、安全、快適でユニバーサルデザインに配慮した都市の創出を実現しようとしています。  このような中、世田谷区は、ようやく三軒茶屋駅周辺のまちづくり基本方針の素案を策定しましたが、持続可能な都市経営という考えに基づくのであれば、交通結節点の整備など、ハードを担当する都市整備所管だけでなく、庁内のさまざまな所管が互いに連携して取り組む体制を構築し、三軒茶屋の機能的で安全安心なまちづくりを力強く推進する必要があると考えますが、区の見解をお聞かせください。
     さらに、戦略的な官民連携の推進によるまちづくりも重要であり、国、首都高速や鉄道などの交通事業者、さらには通信事業者や沿道の建物所有者など、さまざまな主体がそれぞれの立場からまちづくりの可能性を検討する協議会の設置を進めていくべきと考えます。  また、先ほど述べた渋谷のほか、横浜市や川崎市で取り組んでいる鉄道事業者との包括連携協定などを参考にし、三軒茶屋に見合った官民連携のまちづくりをしっかり進めるべきではないでしょうか。区の考えをお聞かせください。  続いて、区内産業の活性化を図る取り組みについてお聞きいたします。  住宅都市としての特色を有する世田谷区でありますが、区民生活を支えるとともに、まちづくりに大きく寄与する各種産業の奮励努力があってこそ、良好な住環境の維持が可能となることからも、我が会派は、区の産業ビジョンが示すように、区、事業者、そして区民が連携して、区内産業の振興に努める意義は非常に大きいと認識しております。  目下、国では、来年十月の消費増税の時期に合わせ、プレミアム付商品券の発行を検討しているとの報道もありますが、区においては、国の動向を注視しつつ、プレミアムの上乗せや発行数の増加などの検討も含め、より効果の上がる発行支援について検討すべきではないでしょうか。  そこで伺いますが、区は区内の各種産業の景況動向をどのように捉え、今後どのような施策を展開すべきとお考えか、来年度におけるプレミアム付商品券発行の考えを含め、お答え願います。  さて、先ほど触れましたとおり、渋谷駅周辺では町のリニューアルが進められ、昨今、再びIT企業が集まり始め、産業界のにぎわいが戻りつつあるようであります。その渋谷から、楽天株式会社の本社がある二子玉川までの東急田園都市線沿線は、IT産業を中心としたベンチャービジネスのベルト地帯を構築する土台になり得るのではないでしょうか。今後の産業振興にIoT、いわゆるITと既存産業の融合が欠かせないことは既に多く語られているところでありますが、身近に最先端のIT産業が活躍しているという環境というのは、区内の工業、農業、商業の発展にも必ずつながるはずだと考えます。  我々は、区が本気で政令指定都市への移行を目指すのであれば、将来における法人関連の税収確保を見据え、産業誘致においても積極的な姿勢を見せるべきとの立場であります。特に再開発を初めとしたまちづくりの機運が高まっている三軒茶屋駅周辺においては、世田谷区の産業全体に活力をもたらすような誘致、集積に意欲的に取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。  入札のあり方についても伺います。  区内事業者を中心とした事業者の長きにわたる切実な要望に応え、健全な経営環境の確保と技能労働者の処遇改善を目的とした公契約条例が施行され、三年半が経過しました。しかし、この間、公契約条例とは車の両輪の関係であると区が説明してきた入札制度改革については、工事予定価格の適正化など、実効性のある取り組みが遅々として進んでいないとの声が多くの区内事業者から寄せられております。  先日、希望丘複合施設増築工事の契約変更の専決処分もございましたが、まずは入札制度改革以前の問題として、公共施設の改修工事等では、民間事業者との連携を図りながら、職員の技術力を高めるとともに、的確な設計図書の作成に努めることで、予定価格、工期を含めた工事発注の適正化を図るべきと考えます。昨年度に実施した積算業務の検証結果を踏まえ、今後どのような対策を講じるのかお聞きいたします。  また、年間を通じた切れ目のない公共工事の発注の実現は、人材や資機材の時期的需要の偏りが緩和され、地域の担い手となる建設業者の経営安定化に資するとともに、発注者である区にとっても、入札不調の回避が見込めるなど、公共工事の品質確保を図る上で非常に重要であります。  債務負担行為や繰越明許費などの予算措置の課題はありますが、建設業界における労働市場は非常に厳しい状況にあることからも、区は入札時期の分散化や工期の平準化を図るとともに、受注者が工事着手前に労働者の確保や資機材の調達を行うための準備期間を設定するなど、現場の状況を踏まえた計画的かつ柔軟な工期設定により努めていくべきと考えますが、見解を伺います。  さて、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催までもうあと二十カ月となりました。夏季オリンピックに限れば五十六年ぶりという自国開催、しかも我々が住む東京での開催とならば、区民の方々にとって単なる四年に一度のスポーツの祭典で終わらせるのではなく、一生涯において記憶に残る夢の祭典として、また冒頭で触れた世田谷への愛着と誇りにつながるよう、地元自治体として積極的に取り組むべきであります。  このような中、二十六項目から成る東京二〇二〇大会一年前サブイベント案が区より示されました。他会派からは、税金の垂れ流しにすぎず、イベント実施による経済効果が見込めないとの指摘もあるようですが、本事業の真の目的は、経済的な効果を上げることではなく、区民の機運醸成であり、区が率先して取り組む意義は十分にあると我が会派は認識しております。ただし、オール世田谷で盛り上がらなければ、機運醸成の効果が得られないとも考えており、区により示された二十六項目をつぶさに見る限り、庁内一丸となって検討したとは思えず、不安を感じているのも事実であります。  そこで、各所管部が東京二〇二〇大会を他人事として捉えるのではなく、自分自身の日常業務と東京二〇二〇大会をどのように結びつければ区民の機運醸成につながるかを再考し、日ごろから連携している区民団体や関係事業者の力を引き出し、より効果的な機運醸成事業を展開すべきではないでしょうか。区民全員のレガシー創出に向け、全職員が知恵を絞り出すとともに、全力を挙げてイベントを組み立てるには、既にぎりぎりのタイミングに達していると思います。いま一度の検討を切に願う次第でありますが、見解を伺います。  また、東京二〇二〇大会のレガシーに直結するものとして、大蔵運動公園と上用賀公園拡張用地の整備計画が挙げられます。我々自由民主党は、憩いの空間の確保やパラスポーツの一層の発展に寄与する施設整備は、良好な都市としての価値を高める重要な要素であることから、区民が健康で豊かな生活を育むためのスポーツ施設の充実を区の優先課題の一つとして捉えております。  そこで伺いますが、この両施設の整備について、区はどのような方針のもとで検討を進める予定であるのかお聞かせいただきたいと思います。  次に移ります。教育総合センターについて伺います。  現在、教育委員会では、教育総合センターが担う各種機能の具体的な事業内容を検討しているようでありますが、著しい社会情勢の変化等により、これまでの経験値では正解を導き出せない時代を迎える中、我が会派は、社会を広く見渡す力、新たな時代をたくましく生き抜く力をいかに育成するかという観点がこれからの教育にはますます重要になると考えております。  さらに、幼児教育については、幼時期から小中学校までつながる教育を行うということで、今後、研究と実践を繰り返し、内容の充実を図ることになると思います。  政令指定都市と匹敵する人口を抱える自治体として、新たな時代に即した公教育のあり方と、その成果を全国に示すことは、将来における世田谷ブランドの柱の一つになるはずであり、区立といえども、他に負けない教育研究機関となるよう取り組んでいただきたいと思います。  そのためには、学校教育の現場関係者ばかりではなく、大学や研究機関、民間企業との連携協力体制をしっかりと構築してセンターの運営に努める必要があると考えます。  教育総合センター構想を絵に描いた餅として終息させては絶対になりません。自他ともに日本一と認められる教育施策推進拠点にするよう、教育委員会は全力を挙げて開設準備に取り組むべきと考えますが、教育長の意気込みを伺います。  また、私は率直に、子どもたちに生きることのすばらしさや他人を思いやり、他人のために働く喜びなどを身につけてほしいと思っております。親ではない大人、すなわち教員が、どのような社会であろうとも生きることに前向きな哲学を持ち、それを子どもたちに伝えるべきであり、このような生き生きとした教員の育成も教育総合センターが担うべき役割の一つと考えますが、いかにお考えか、この点もあわせて伺います。  次に、健康長寿の取り組みについて伺ってまいります。  少子・高齢化の大きな波の中、現在、国では、社会保障制度を維持していくボーダーラインとして、二〇四〇年までに健康寿命を平均三歳延伸することに注力していると伺っております。また、健康寿命を延伸するポイントは、特定疾病予防、フレイル予防、健康教育の三つであると言われていますが、その中でもフレイル予防と健康教育こそ地方自治体が率先して取り組むべき施策であります。  区においても徐々に取り組みを進めているフレイル予防でありますが、高齢期においても社会とのかかわりを持ち続けることが一番の対策であると言われていることからも、区は福祉領域だけでなく、地域振興や産業政策、さらには文化・スポーツ分野など、連携する領域を広げながら社会参加にかかわる機会をさらに創出するよう求めるものであります。  また、将来にわたり、誰もが住みなれた地域で自分らしい生活を安心して継続できる社会の実現はもちろん、個々にとって豊かな老後を過ごすためにも区独自の取り組みが重要になると考えますが、区は今後、どのようなフレイル予防施策を展開する予定であるのかお聞かせください。  続いて、健康教育について伺います。  一般的に四十歳を過ぎますと、ほとんどの方は着実に筋力を落としていき、六十五歳にはかなりの割合で健康寿命に大きく影響する状況に陥ると言われております。このようなことからも、四十歳から六十五歳という、まさに働き盛りの世代に対する健康教育が重要になるわけでありますが、働き盛りであるがゆえに、飲食、運動、睡眠という人間として最も基本的かつ大切な生活習慣をおろそかにしてしまう傾向が見受けられます。  また、この世代は区が打ち出す施策が最も届きにくい世代でもありますが、この世代をターゲットに、一般企業、事業者を巻き込み、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践する健康経営の推進啓発が有効と考えられますが、今後の取り組みについて区のお考えをお聞かせください。  さて、平成三十一年度の予算編成作業が佳境を迎えつつある時期ではありますが、ここ数年の特徴として、二十八年度予算編成時は百九十六億円、二十九年度は百八十億円、三十年度は百四十八億円と予算フレームに対する各部の見積もり額が大幅に超過する傾向が見受けられます。財政規律を保つ使命を感じさせない区長の姿勢が庁内に影響しているからなのでしょうか。十月に締め切られた三十一年度予算見積もりにおいても、予算フレームに対して大きく超過していると伺っており、全く改善が見られません。  このような状況下で予算を編成するとなると、まず過剰な各部見積もり額をそぎ落とす作業に一定の労力と時間を注がざるを得ず、新規・拡充事業に対する庁内での議論が後回しになることが容易に想像できます。すなわち、政策立案に関する本質の議論がおろそかになり、ことし三月の予算特別委員会で組み替え動議が可決されたように、課題に対する丁寧な検討や十分な庁内調整が行われないまま、三十一年度予算案が提出されるおそれがあるということであります。まさに区職員の疲弊を生じさせる悪循環が多発している状況、このことをもっと重く受けとめなければならないと改めて思います。  毎年百億円以上もの超過額を発生させる予算見積もりの現状を改善するには何が必要であると認識しているのか、また、庁内における徹底的かつ建設的な議論を行うと同時に、議会への積極的な情報提供と意見交換の上、三十一年度予算案を編成すべきと考えますが、事務方トップの副区長の見解をお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 私からは、二点、上島議員にお答えをいたします。  まず、行政経営改革に関してでございます。  まず、議員も触れられておりましたけれども、国による、これは括弧つきで使いたいんですが、税源偏在是正という名のもとで、地方法人課税の一部国税化の不合理な税制改正――また今般も話題になっております――等々、ふるさと納税、そして消費税の算定方法の見直し等、百億円という減収に直面をしているわけでございます。おっしゃるよう、基金の繰り入れなど区の予算編成にも大きな影響がありました。  都道府県において、いわゆる東京対地方、こういった構図でこの状況が恒常化したり、さらに拡大するようなことがあれば、区の財政が硬直化し、大変持続可能な体制に赤信号がともるという危機感は抱いております。  痛みを伴う事業見直しというお話でございます。  行政需要が多様化、複雑化し、区民ニーズや政策目的が事業間で相互に関連し合っており、事業の見直しは、かつてよりも難しい判断が求められています。  住民サービスの停止などの効果額、私も熊本前区長からそのリストを受け継ぎましたが、これらを合算した額に比べ、今、この住民サービス、ここを停止すればどうでしょうかという、その全てを合算した金額に比べて、実は電力調達を初め、いわゆる電子計算機、いわゆるコンピューター、こういった仕組み、また、学校建築の手法の見直しなど、いずれも億単位の効果額が積み上がっており、この間、こういった委託の見直し等を行ってきて、二十八億六千万円という歳出抑制を行ってきたということ、そしてまた、それをさらに財源を生む努力を重ねていきたいと思います。  各年度の予算編成において、区民視点に立った上で、各事業がどのように区民生活に寄与して政策効果を上げているか、政策目的が時代に即しているかという視点で事業の見直しもしなければならないというふうに考えております。  今後、新公会計制度を活用した行政評価により、各事業の費用対効果も検証していきます。加えて、新実施計画に掲げている官民連携、民間活力の導入やICTなどの活用によって業務効率化にも力を入れてまいりたいと思います。  次に、道路についてでございます。  道路は、区民の生命、安全を守り、都市機能を維持していく観点から、災害時だけではなく、平時においても区民の安全安心な生活を支える重要な都市基盤、インフラの一つであります。  区では、せたがや道づくりプランに基づき、都市の骨格となる都市計画道路から区民の日常生活の基本となる地先道路まで、それらをバランスよく配置した区内の道路ネットワークの形成を目指しまして、これまで人員、人材の適切な配置による事業執行体制の強化などを行いながら、道路・交通政策部を初め関係各部、各総合支所の連携のもと、道路整備に取り組んできております。  現在、下北沢駅周辺の都市計画道路整備におきまして、用地取得の本格化に伴い事業費がピークを迎えようとしている状況です。今後、多くの予算を必要とする厳しい状況が見込まれていますが、財政状況等を見きわめながら、国や都の交付金の活用による財源の確保、より効果的、効率的な事業執行と事業執行体制の整備に努め、道路整備を着実に進めてまいりたいと考えています。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、五点について御答弁申し上げます。  最初に、政策を練る人員を生み出す仕事仕分けについてでございます。  自治体としての事務事業改善につきましては、これまで以上に官民連携やICTの思い切った活用が必要であると認識しております。この間、ふじみ荘の改修工事につきまして、民間企業へのサウンディング調査を行うなど、公共施設整備に関し、民間資金の活用ができないか検討を進めております。  また、業務の切り出し委託やAI、RPAの活用による業務改善を行うため、本年八月に各部に改善提案を出すよう指示し、政策経営部がヒアリングを進めているところでございます。特にRPAにつきましては、今年度、人事関係データの処理を自動化するRPA活用の試行を開始するなど、全庁への波及効果が高い職員管理や多忙職場の業務から順次改善を進めることとしております。  来年度からは、民間コンサルタントを活用し、業務プロセス分析を行い、業務手順の合理化や外部委託等の改善を本格的に進めたいと考えております。  また、来年度から導入予定の新公会計を活用した事務事業の行政評価により、例えば人件費比率が高い事業などを抽出して業務分析を行うことで見直すべき業務を仕分けるなどして、全庁を挙げて業務改善を進めてまいります。  次に、十年後、二十年後の職員体制や区政運営についてであります。  区では、今後の人口増によりまして百万都市となることも予測しており、行政需要の一層の複雑多様化、量的な増加など、区政を取り巻く環境は大きく変化することが想定されております。  区はこうした環境変化に的確に対応し、持続的かつ安定的に質の高い区民サービスを提供していくためには、御指摘にもありましたとおり、定型業務を中心に、AIやRPAの活用による効率化を進めるとともに、外郭団体との役割分担はもとより、民間に委ねるべき業務や民間と協働して進めるべき業務を明確にし、区職員は、より創造的な業務や区民と直接向き合う業務など、区職員でしかできない業務に注力していくことが必要であると考えております。こうしたことを踏まえますと、これからの区職員にはより一層の高い専門性や経営感覚、企画調整能力、コミュニケーション能力が求められることとなります。  こうした将来展望のもと、今後、会計年度任用職員への移行により、常勤職員と同様、一般職として位置づけられる非常勤職員を含め、中期的なスパンでの人員見通しや民間との人事交流など官民連携の取り組みを生かした人材育成策を検討し、全ての職員が能力を十二分に発揮し、やりがいを持って働くことができる活気あふれる組織づくりを進めてまいります。  次に、東京二〇二〇大会につきまして、二点お答え申し上げます。  一つは、より効果的な機運醸成についてであります。  区は、共生のまち世田谷の実現をレガシーとして、東京二〇二〇大会に向けて、まずは大会一年前にオール世田谷で盛り上げるよう、区民や事業者と連携する機運醸成サブイベント案を取りまとめたところでございます。  お話しのとおり、大会まで二年を切った中で、事業所管部におきましては、連携先との協議や事業実施内容につきまして全力で現在検討を進めており、それらの事業を通しまして、大会後を見据えたレガシーとして、区民、事業者と共有できるものを目指してまいります。将来の世田谷区にとりまして、区と区民、事業者と一緒に大会を通じて得た資産を発展させることこそが肝要であるとの認識に立っており、そのためにも、サブイベントを早期に議会にお示しできるよう、全庁を挙げて練り上げてまいります。  また、来年度の体制といたしまして、効果的な機運醸成が展開できるよう推進体制の強化などを検討しているところでございます。  次に、上用賀公園拡張用地のスポーツ施設と大蔵運動場、大蔵第二運動場一体化の整備につきまして御答弁申し上げます。  区では、スポーツ施設整備方針におきまして、適正なスポーツ施設の配置を目指し、九十万区民を抱える世田谷区にふさわしい拠点スポーツ施設、五つの地域の拠点となる地域スポーツ施設、身近な活動の場となる地区スポーツ施設の整備を進めております。  上用賀公園拡張用地につきましては、近接する馬事公苑が東京二〇二〇大会の馬術会場となるため、組織委員会により、大会運営車両の駐車施設等としての活用が予定されております。その間を利用させていただきまして、区では、当該地におけるスポーツ施設の基本計画、基本設計等の策定を進め、二〇二四年度中の開設を目指してまいります。  また、大蔵運動場と大蔵第二運動場の一体化につきましては、上用賀公園拡張用地の施設の規模、機能等を踏まえ、必要となるものを整理し、基本計画を策定する予定でございます。  これらの施設の整備に当たりましては、区の財政状況を見据え、区民や区議会に意見をいただきながら、民間活力の積極的な導入等、世田谷区にふさわしい新たな拠点スポーツ施設となるように取り組んでまいります。  最後に、予算見積もり方法の改善についてでございます。  現在の予算編成手法は、実施計画事業等の区の計画を着実に推進するため、計画期間中に必要とする財源をあらかじめ財政計画に見込み、進捗状況を踏まえまして年度間の財源調整を行うなど、複数年度にわたる予算の考え方に基づき、各部が主体的に編成する方式としております。  予算編成に当たりましては、区民ニーズを最も把握している各部が提示された枠の中で主体的に編成するとともに、庁内横断的な連携がふえる中、効率的、効果的な施策の推進をみずから考え、そのもとに主軸となる部が予算を編成することが大切だと考えております。  一方で、毎年度の予算要求で百億円を超える歳出超過があることを鑑みますと、今後の景気や税制改正の動向等を見据え、限られた歳入の範囲でさまざまな知恵や工夫を発揮し、区民福祉の向上を実現するため、議会の御議論をいただきながら、御指摘の点も踏まえまして、意思決定手順を含め、予算編成のあり方を見直してまいります。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、五点の御質問にお答え申し上げます。  まず、本庁舎整備につきまして、区民サービスの低下を招かず、安全に実施する移転作業の手順について御答弁申し上げます。  本庁舎等整備においては、この十二月に策定予定の世田谷区民会館整備方針を含む本庁舎等整備基本設計案を来年二月に策定する予定で、現在その一環として、工期、工程を含むローリング計画の検討も行っているところでございます。  本庁舎等整備は、工期を三つに分け、東棟、西棟ともに、解体、建設、引っ越しを繰り返す工事を想定しており、来庁者や職員等への影響を最小限に抑え、安全を確保しつつ、円滑に工事を進めることが非常に重要であり、かつ難易度の高い課題であると認識しております。  本事業は、工事中も庁舎機能を維持しながら、限られた敷地条件のもと、工区ごとに工事ヤードを切り回しながら移転作業を行う必要があります。そのため、来年度は、具体的に工期ごとの工事ヤードの場所や期間、全体の工期スケジュールを想定した工期ごとの執務レイアウト図の作成や、数回に及ぶ移転計画、仮庁舎活用など、コントラクションマネジメント業務委託事業者による専門的な支援も受けながら、全庁的に検討し、二〇一九年度中に移転基本計画をまとめる予定でございます。  本庁舎等整備に当たっては、お話しの具体的な移転作業の手順につきましても遅滞なく検討し、二〇二〇年度の着工を目指し、しっかりと準備をしてまいります。  次に、良好な都市形成に関連しまして、二点の御質問にお答えいたします。  三軒茶屋のまちづくりに関して、持続可能な都市経営という考えに基づき、庁内の連携をしていく体制を整えるべきという御質問にお答えいたします。  三軒茶屋駅周辺地区は、区の基本計画において、広域生活・文化拠点として商業業務機能及び文化情報発信機能が集積したにぎわいと区を超えた交流の拠点としての位置づけを踏まえて、これまで培ってきた魅力を継承しながら、交通の利便性を生かし、地域活力の増進と発展を目指すために、町の将来像をグランドデザインとして、三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針の策定に取り組んでいるところでございます。  議員御指摘のとおり、区民にとって町の安全性の向上は、基本となる重要なものと認識しております。また、交通結節機能の強化など、町の骨格となるハードの整備だけでなく、これまでも取り組んできた商業業務や文化芸術の振興、さらには新しい働き方や観光、グローバル対応など、新たな町の魅力を生み出し、持続可能な都市を目指していかなければならないと認識しております。  区といたしましては、策定した方針を踏まえて具体的なまちづくりの取り組みに結びつけていかなければならないと考えており、そのためにも、これまで以上に庁内連携を強化するなど体制を整え、全庁挙げて三軒茶屋のまちづくりに取り組んでまいります。  続きまして、他都市で行われている官民連携のまちづくりを参考にという御質問です。  三軒茶屋駅周辺地区では、平成十八年に策定した交通バリアフリー基本構想に基づき、これまで地下鉄駅のホームから改札へのエレベーター設置、三軒茶屋交差点の横断歩道整備や鉄道駅から高齢者等がよく利用する施設までの道路のバリアフリー化、さらに、現在工事中の南口エレベーター設置など、官民一体で取り組んできたところです。  区が今般取りまとめました三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針の素案では、魅力にあふれ、利便性の高い広域生活・文化拠点の実現に向け、町のビジョンとまちづくりの方向性を示し、その上で、取り組みの視点として、行政、区民、事業者が連携してまちづくりに取り組んでいくことを戦略的な公民連携の推進として掲げております。  まちづくり基本方針素案で示した町の将来像実現に向けまして、他自治体の民間事業者と連携したまちづくりの取り組み事例も参考にしながら、広域生活・文化拠点である三軒茶屋駅周辺のまちづくりの推進に取り組んでまいります。  次に、区内産業の活性化について二点御答弁申し上げます。  まず、世田谷区の景況動向、そしてプレミアム商品券の発行についての御質問にお答えいたします。  国の景気動向は、雇用環境の改善が続く中で緩やかな回復傾向にあると考えられますが、中小企業白書では、大企業と中小企業との生産性の格差が拡大していることが指摘されております。  東京商工会議所世田谷支部では、区内中小企業を対象として景況調査を実施しておりますが、区内の景況感は改善傾向にある一方、小売業、卸売業の景況感が他業種より低い状況が続いております。  プレミアム商品券につきましては、区内消費の拡大、地域経済の活性化に寄与することを目的に実施しておりましたが、来年度は特に消費税の増税が予定されており、増税が区内産業や区民生活に与える影響の大きさを考えますと、従来の目的に加え、消費者への配慮や区内中小事業者保護の観点もその目的として十分に踏まえ、現在、国で検討されている経済対策とあわせながら、来年度の制度設計を進めてまいりたいと考えております。  今後十年間を見据えた世田谷区産業ビジョンでは、新たなビジネスモデルの創出や高度化した産業技術の活用、人材と事業所とのマッチングなどを位置づけております。産学金公による連携体制を構築しながら、さらなる区内中小企業の経営改善と競争力強化を進めてまいりたいと考えております。  続きまして、三軒茶屋周辺において、さまざまな産業集積に意欲的に取り組むべきとの御質問にお答えいたします。  御指摘のとおり、特別区では法人関連の住民税等が直接区に帰属しないことから、産業誘致や産業集積の事業効果が見えにくい面がございますが、職住近接の環境整備や創業支援、ビジネスモデルの開発、町のにぎわいの創出などに向けて、産業集積の推進は世田谷区のまちづくりにとって重要な課題であると考えております。
     三軒茶屋駅周辺は、世田谷区基本計画において広域生活・文化拠点に位置づけられており、文化や観光の発信地であるキャロットタワーや交通の拠点であることを生かし、商業、サービス、業務、文化などの機能が充実した拠点を目指しております。三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針素案でもお示ししておりますが、三軒茶屋は交通の便に恵まれ、渋谷に近接したオフィスの需要もあり、時代に応じた新たな拠点としてのポテンシャルを秘めているものと認識しております。  今後の三軒茶屋の駅周辺での取り組みについては、再開発などのまちづくりの機会を捉え、官民連携の視点も踏まえまして、産業集積、産業の活性化につながるまちづくりを進めてまいります。  以上でございます。    〔堀教育長登壇〕 ◎堀 教育長 未来に響く教育について、教育総合センターについての御質問をいただきました。御答弁申し上げます。  今、社会は加速度的な速さで進んでいると言われております。技術革新の急速な進展により、二〇四五年ごろには人工知能、AIが人知を超える社会も出現するだろうとも予想されております。予測困難な時代を担う子どもたちが力強く生き抜く力を育んでいくため、教育は今大きな変化が求められています。  二〇二〇年に本格スタートする新しい学習指導要領や、ことし内閣府から出されたソサエティ五・〇への対応など、新たな世田谷の教育の構築に向け、教育総合センターの必要性は今まで以上に高まっていると考えております。  教育総合センターは、学校や教員が抱えるさまざまな課題への対応や子ども、保護者、家庭を支援する拠点として、また御質問にもありました、みずから学び、子どもの心を動かす魅力ある指導者としての教員の育成にも力を注いでまいります。さらに、今後は幼児教育と小中学校の義務教育を一体として捉え、体験や体感、遊びや生活を通じ、学びを進めていくことも一層重要となります。  専門人材を集約・一元化し、大学や企業等との連携や協働もさらに進め、これからの教育を牽引する世田谷らしい質の高い教育を実現してまいります。  以上でございます。 ◎淺野 教育次長 私からは、学校施設の多機能化、多目的利用を推進し、地域コミュニティーの核としての役割をという御質問について御答弁申し上げます。  学校施設は、子どもたちの学びの場、生活の場であると同時に、避難所としての機能、地域の交流やスポーツ・文化活動などの場としての機能を有しており、地域コミュニティーの核として重要な役割を担っております。  教育委員会では、これまでも学校改築などの際は、地域の方の御意見も参考としながら、会議室や運動場の地域利用など、地域コミュニティーの活動拠点としての施設のあり方を反映しつつ、整備に取り組んでまいりました。  委員お話しのとおり、普通教室の地域利用なども検討すべき課題であると考えておりますが、一方で、近年の児童生徒数の顕著な増加に伴い、教室を初め給食室、新BOP室等の学校施設のスペース確保に向け、喫緊に対応すべき課題が山積している状況にございます。  今後、学校の増改築や改修の際には、地域利用に配慮した柔軟な対応ができる施設、設備の整備手法について、引き続き学校や関係所管とも協議してまいりますが、教育委員会では、子どもたちのよりよい教育環境を第一に考え、学校施設の整備に取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解、御協力のほどよろしくお願いいたします。  以上です。 ◎松村 施設営繕担当部長 私からは、入札のあり方につきまして二点の質問にお答えいたします。  まず、工事発注の適正化に向けた対策についてでございます。  公共施設の工事発注の適正化を図るためには、職員のさらなる技術力の向上と民間事業者の能力活用が不可欠と考えております。お話のありました積算の適正化の対策としましては、昨年度実施しました積算の専門家による内訳書数量の検証作業を受け、職員の積算能力の向上を目的としまして、建築積算協会から講師二人を招き、八月に二回の研修を実施したところでございます。  主な講習内容としましては、積算業務の流れや内訳記載数字のチェックポイントなどで、部内のほとんどの技術職員が受講したところでございます。一方、建築積算士の資格を持つ事業者を活用するため、実施設計業務委託におきまして起案額一千万円以上となる案件における積算を建築積算士によることを委託仕様書に定めました。  今後、効果の検証を行い、適用範囲の拡大についても検討してまいります。  さらに、取引実態などを考慮した工事価格の適正化を目的とし、市場価格の調査も実施いたしました。引き続き、市場価格動向をより弾力的に反映した工事価格の設定をしてまいります。  今後も積算のみならず、設計図書の精度向上など、工事発注の適正化に向けまして適宜民間のノウハウを活用しながら、営繕職員の技術力向上に努めてまいります。  次に、計画的かつ柔軟な工期設定についてお答えをいたします。  公共工事の品質確保の促進に関する法律におきまして、発注者は計画的な発注と適切な工期設定に努めることが定められ、発注時期がある時期に過度に集中したり、根拠なく短い工期を設定しますと、受注者にとっては、人員の確保や機械の効率的利用が困難となり、また厳しい工程管理を強いられることにより、効率的な施工体制の確保に支障を生ずるおそれがあるとされております。  現状、世田谷区におきましても、予算成立後に入札契約手続を行うため、第一・四半期内工期の工事が少なく、また学校や区民利用施設などの利用状況から工事期間が限定されたり、年度単位の事業計画などにより、発注、工期設定が集中する傾向はあります。  こうした状況から、年度内の工事量の偏りを解消し、平準化することは難しい面がありますが、例えば中長期保全計画による計画的予防保全工事などを検討する際に、財政所管を初め、施設管理所管、契約所管と連携調整をしまして、債務負担行為の活用などにより、柔軟に事業計画を立てる工夫をするなど、事業量の平準化に留意をしてまいります。  以上です。 ◎桐山 豪雨対策推進担当参事 私からは、治水対策の質問について御答弁申し上げます。  根本的な治水対策に関しましては、議員御指摘のとおり、東京都が所管する河川整備や下水道整備によるところが大きく、区といたしましても、東京都下水道局からの受委託により雨水管の整備に取り組むなど、東京都と連携協力して早期整備を目指しております。  また、区はこれまで、「みんなでつくろう世田谷ダム」をキャッチフレーズに豪雨対策を推進してきておりまして、雨水が河川や下水道に流れ込む量を抑える雨水浸透枡など、雨水流出抑制施設を設置する流域対策に取り組んでいるところでございます。区全体におきましては、平成二十九年度までに時間約四・三ミリ降雨相当の対策である流域対策量約四十万八千立方メートルの整備を行っております。  ことしの六月には二〇一八年度から二〇二一年度までの新たな世田谷区豪雨対策行動計画を取りまとめ、区道の新設や路面改修工事の際には雨水対策量を一ヘクタール当たり四百立方メートルから五百立方メートルに引き上げて強化を図っております。道路の流域対策におきましては、雨水枡の底に穴をあけ、雨水浸透管を縦に設置する縦型雨水浸透施設などの新工法を導入するとともに、さらに新たな工法も研究してまいります。  今後も流域対策の強化に努め、水害に強い安全安心の町世田谷を目指して果敢に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎工藤 危機管理室長 私からは、非常事態時の情報伝達の体制構築について御答弁いたします。  区は、あらゆる非常事態に対し、迅速、適切な対応ができるよう、危機管理基本マニュアルを策定し、専門的な知識や経験を最大限に活用することが不可欠であることから、主管部が中心となり、情報の収集と一元管理を行い、区民の皆様へ情報提供や緊急対応、復旧対応をすることとしております。  新型インフルエンザ発生時を初めとした区民への影響が大きい非常事態が発生した場合につきましては、対策本部会議等に危機管理室も必ず出席し、情報の共有及び必要な緊急対応等を確実に行えるようにしております。  SNSが広く普及している現在、議員御指摘の情報の一元化による不正確な情報の拡散防止につきましては重要な課題であると認識しており、今後も広報広聴課を初め、関係所管と平常時より緊密な連携を行い、非常事態発生時には区民の皆様へ正確な情報伝達に努めてまいります。  以上です。 ◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、健康長寿の取り組みについて御答弁いたします。  平成二十七年度の国勢調査では、世田谷区の平均寿命は、男性が全国で三位、女性が全国で八位と五年前と比べ大きく躍進した一方、介護を受けずに暮らすことができる健康寿命は横ばいで、要介護認定期間が長くなっており、健康寿命の延伸は重要な課題であると認識しております。  区では、区民のフレイル予防や健康長寿に向けた取り組みを推進するため、介護予防講座などのほか、講演会、区民ワークショップなど、さまざまな機会を捉えて、支えあい意識の醸成や社会参加の重要性の普及啓発に取り組んでおります。  また、まちづくりセンターあんしんすこやかセンター社会福祉協議会の三者連携による取り組みを通し、地域資源の把握や開発など、介護予防を含めた区民の主体的な活動が広がりを見せております。  あわせて総合事業における住民主体型の地域デイサービスや支えあいサービス、地域で区民が主体的に行うおもりを使った世田谷いきいき体操の普及では、活動場所の確保など、生涯現役や地域振興、産業振興など、さまざまな領域が高齢者の多様な活動を支援し、社会参加による介護予防の取り組みを区全体で推進しております。高齢者が支えられるだけではなく、サービスの担い手になるなど、主体的に社会参加することが健康長寿につながることが最近の研究で明らかになっております。  今後も引き続き、区民、事業者、行政と連携し、高齢者の誰もが役割や生きがいを持ち、安心して自分らしく自立した生活が続けられる健康長寿社会の実現を目指してまいります。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、健康長寿の取り組みに関し、働き盛りに対する健康教育や健康経営についてお答えいたします。  生涯を通じた健康づくりには、退職により途切れることがないよう、働き盛り世代からの継続した健康管理への意識醸成が必要です。区では、健康せたがやプラン(第二次)後期における生活習慣病対策の推進の柱として、働き盛り世代への健康教育に取り組んでいます。  具体的には、生活習慣病の重症化を予防する保健事業や中小企業の保険者である協会けんぽ東京支部との連携による健診や医療費等データを活用した健康情報の提供等を実施しております。  また、商工会議所や社会保険労務士会、労働基準監督署などが参画する地域・職域連携推進連絡会を設置し、健康経営推進のためのリーフレットの作成や事業主や企業の健康管理者に、業績向上や組織としての価値向上への健康経営が有効であることを普及啓発する経営力向上セミナーを区内事業者の事例報告を交えて実施しております。  国では、健康経営に係る顕彰制度を中小企業にも拡大しており、健康経営優良法人の取得を推進しております。優良法人取得のための認定基準には、定期健診の受診率や生活習慣の改善、女性の健康づくり等も含まれております。そのため、直接情報を提供することが難しい働き盛り世代に向けては、認定基準を満たすために必要な情報について、今後も地域・職域連携推進連絡会等を通じて発信するなど、退職後も視野に入れた健康教育に取り組んでまいります。  以上です。 ◆三十一番(上島よしもり 議員) 二つ質問させてもらいたいと思います。  一つ目が、区長のほうから道路整備について着実に進めていくというお言葉をいただいたんですけれども、予算でいいますと、先ほど区長のお話にもありました下北沢駅前の広場のことを考えますと、相当、今までの計画等を含めて、そちらをしっかりとやるとなると、この道路予算というのは非常に大きくなってくると思うんです。それをしっかりと、三十一年度予算で出てくることを期待いたしますけれども、区長、現状、どのようにその辺、ちゃんとやろうと本当に思っているのかどうか、心配なので、一度その点だけ聞きたいと思います。  あともう一つは、三軒茶屋のことですけれども、やはり基本は安全安心のまちづくりをしっかりとつくっていく。あそこというのは、それこそいろんな方が、もう区民だけでなくいろんな方が往来する大変重要な場所であります。そういったところを世田谷区としてしっかりと取り組んでいくということを考えますと、今度テンプル大学があの辺に来るとも聞いておりますけれども、いろいろな変化がこれからある中で、やはりタイミングとしては、相当優先的にやっていくべきだと私どもは考えておるんですけれども、もちろん、かといって、急いでやるんではなくて、着実にやれることが大事なんですが、その辺の取り組みについて、区長はどのようにお考えか、その二点、お聞かせください。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 二点について再質問に対してお答えします。  まず一点目、道路予算の中で、御指摘のように下北沢の道路取得がピークに差しかかってきている中で、その金額としても非常に多い金額を要するということですが、これはタイミングを外さないように確実に取得をしてまいりたいというふうに考えております。  二点目に、三軒茶屋でございますけれども、キャロットタワーができ上がってから二十一年でしょうか。その当時から世田谷区の玄関というふうに称されていまして、三軒茶屋全体をどうするかという議論は相当、あの時代からあったわけです。しかしながら、再開発、町全体のグランドデザインについても、一定程度の、キャロットタワー部分、ほかができましたけれども、次の時代に残されて現在の三軒茶屋があると。ぜひ、玄関ということですから、玄関を利用するのは世田谷区民全体ということにもなりましょう。また、世田谷区外の方も、言われたように、二子玉川、渋谷などをつなぐルートでもあります。新しい産業の可能性も特段あると思います。ですから、これは全区的というか、都市経営の視野を持って、この三軒茶屋のグランドデザインというものをしっかり打ち立てながら、再開発対象の当該地域の状況もしっかりつかみ、また区民の皆さんの声も受けながら、タイミングを外さないようにしっかり進めてまいりたいと思います。 ◆三十一番(上島よしもり 議員) 私は、今この社会状況を考えますと、今後、自治体が生き残っていくということについて、生き残るという意味もいろいろあると思うんですが、大事なことは、財政の問題もあります。あと実際に町全体の計画等がしっかり進んでいるかどうかというところはありますけれども、究極的には、今回の代表質問の中でも申し上げましたけれども、世田谷区民が世田谷区に愛着と誇りを持てる、そういう環境をどうつくっていくかということが、実は多分いろいろな自治体でもその点に非常に注目してやっていると思います。  翻って、世田谷区でそういった観点からいろいろな施策に取り組んでいるかというと、私はそういうふうには思えません。ぜひそういう愛着が湧くような、例えばオリンピック・パラリンピックに関してもそうでございますし、あと都市形成、きょう都市形成のあり方についてのお話をかなりさせてもらいましたけれども、一番都市形成のあり方というのは、愛着とまたその誇りを、関連することでもありますので、都市インフラも含めてですが、そういうところをなおざりにしているような区政であっては、多分、これはだめなわけでございまして、その辺、区長のほうで取り組みのほうが、また考えというものがしっかりと示される私は区政であってほしいと願うわけであります。  いずれにしても、玉川のほうでも、旧玉川高校跡地の問題があります。それも宙に浮いたままであります。これも二子玉川エリアにおける大変重要な敷地になってくるわけでございますけれども、そういったところもまだまだ見えていない、そういったところに真剣に取り組むような姿勢が見られない区政というものもしっかりと改善してもらって、これから前に進んでいただきたいということを要望して、終わります。 ○三井みほこ 議長 以上で上島よしもり議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時休憩    ──────────────────     午後三時二十分開議 ○三井みほこ 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 代表質問を続けます。  公明党を代表して、十八番津上仁志議員。    〔十八番津上仁志議員登壇〕(拍手) ◆十八番(津上仁志 議員) 我が党は、結党以来、大衆福祉の党、平和の党を信念として貫き、行動してまいりました。世界情勢を見ると、韓国大法院が命じた日本企業への元徴用工への損害賠償問題、日韓が結んだ慰安婦合意に基づいて日本政府が十億円を拠出し、韓国政府が設立した和解・癒やし財団の解散などによる日韓関係の悪化、貿易戦争とも言われている米中の対立、難民増加に対するドイツ政権の対応、イギリスのEU離脱など、自国の利益だけを追求するだけでは閉鎖的な貿易政策の応酬など、対立構造しか生み出さず、それが大国同士の衝突となれば、さきの世界大戦のように力対力の勝負になってしまいます。日本は、環太平洋連携協定やEUとの経済連携協定などを推進し、多国間連携の道を開く努力をしていくべきであり、世田谷区としても、国際交流の促進など民間交流がより活発に行われるよう取り組むことが平和への貢献にもつながると考えます。  今、憲法九条改正の議論がありますが、二度と悲惨な戦争という過ちを繰り返さないという不戦の誓いは、固く守っていくべきであります。我が党は、戦後設立された自衛隊は専守防衛の立場であり、海外での災害復旧・復興支援やPKO活動に参加するなど、任務の広がりに対応できるよう、二年前に平和安全法制を集大成として定めました。今、国民の大多数は自衛隊は必要だと認めており、憲法九条改正の議論は慎重に考えるべきであります。  また、憲法二十六条には、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」とあり、公明党は、教科書無償配付や幼児教育の無償化に取り組んできました。現場の声を的確につかみ政治に反映していくことこそが本来の政党のあり方であり、議員の使命であります。我々、公明党世田谷区議団は、大衆福祉の党、平和の党として、今後もこの姿勢を貫き、行動してまいります。  それでは、公明党世田谷区議団を代表して、順次質問してまいります。  初めに、これまで求めてきた未来への投資、教育の負担軽減について伺います。  第一に、学校給食の無償化について伺います。  我が会派は、昨年第三回定例会において、毎月の学校給食費が低所得家庭ほど負担感が強くなっており、教育の負担軽減のための議論を進めるべきと提案し、毎回の定例会で取り上げ、議論を深めてまいりました。さきの定例会、決算委員会においては、財源を確保し、一定の所得制限を定め、無償化に投資すべきと求め、区長から、都が実施する私立高校授業料無償化と同一の基準での実施を検討すると一歩踏み出す答弁があり、さきの文教常任委員会においても同様に示されました。このことは大変評価をしておりますが、その実施に向けた具体的な方法の検討を進め、ちゅうちょすることなく負担軽減のために、来年度四月実施に踏み切るべきと考えますが、区長の決断を求めます。  第二に、児童館未整備地区の着実な解消について伺います。  区では、児童館のあり方や機能拡充について、世田谷区立児童館のあり方検討委員会を開催し、十二月をめどに児童館の今後の方向性や方針を示すとしています。さきの第二回定例会において、我が会派の代表質問に対し、宮崎副区長からは、要約すると、児童館はこれらの特性を生かし、地区における子ども・子育て家庭への相談支援の核となる必要がある。具体的には、日常活動等で把握した個別の問題を子ども家庭支援センター等と共有し、個別の支援を行う。また、地区における地域資源など、三者と連携して開発するソーシャルワーク機能の強化が重要とし、地区、地域で顔の見える関係づくりの視点を含めた運営を進めることが必要であると、おおむねの方向性が示されました。しかし、今般示された区立保育園のあり方検討案において、これまで統廃合であった区立保育園再整備方針を、地区ごとに子どもの育ちのセーフティーネットとして再整備するとの報告がありました。  地区での子ども・子育て家庭への相談支援の核は児童館であるとしたはずです。同様の機能を区立保育園に付加したところで、保育現場にはそれを担えるだけの人員はおりません。加えて、区立保育園が果たす役割についても私立認可保育園でも十分担えており、区立である必要性はないと考えます。区は、これらの整合性をどう図るつもりか伺います。  その上で、児童館についてはさらなる機能拡充を図る上でも、新設の児童館については民間活用も視野に検討を進めるべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、さきの定例会でも申し上げました区民の命を守る対策について伺います。  第一に、酷暑対策についてです。  本区において、今般、全ての区立小中学校の体育館にエアコンの設置を表明し、補正予算を計上したことをまず評価します。補正予算の内訳は、十四校の耐震補強工事にあわせた体育館への設計費用のみであり、全ての学校の空調工事実施に向けた調査及び設計に係るものは盛り込まれておりませんでした。先日の区長プレス発表を見ると、整備スケジュールは三十三年度までに全校に設置を完了すると示されました。  酷暑の夏は待ったなしでやってまいります。エアコン設置を進めるに当たり何より重要なのは、電源の確保策と一刻も早く全校整備を完了するための方策です。整備完了の期間を補うために、簡易型エアコンで対応するなどの検討も必要と考えますが、区の見解を伺います。  第二に、豪雨対策についてです。  八月二十七日の豪雨被害は、温暖化の影響による異常気象がもたらす自然災害は、いつどこで発生するか予測困難な状況にあることを改めて実感させられました。防災、減災を目指す当区において、今年度から四年間の世田谷区豪雨対策行動計画が策定されましたが、雨水流出抑制量の行動目標の早期達成のため、モデル地区での対策はもちろん、強化エリアを新たに指定して、公園や学校などの公共施設への雨水貯留施設や道路下への埋設施設等を設置するなど、流域対策を着実に進めるべきと考えます。区の見解を伺います。  第三に、大規模災害に備えた自助、共助の向上についてです。  北海道胆振東部地震で道内全域が停電するブラックアウトに陥ったことは、衝撃的な出来事でありました。当区においては、多くの区民は自宅での避難生活を余儀なくされると考えられます。そこで重要となるのが、災害時における動力の確保であります。北海道胆振東部地震でも太陽光発電装置を備えていた家庭では、自立運転モードに切りかえ、室内灯、携帯電話の充電、冷蔵庫や電気ポットに使用していたと報じられていました。  一点目に、当区において区内再エネ利用率二五%の実現を目指していることを考えるならば、自助力向上の対策促進として、防災の観点から、太陽光発電システムや家庭用燃料電池など、ふだん使いを兼ねた創エネ・蓄エネ機器の普及に向けた補助金制度を設立すべきと考えますが、区の見解を伺います。  二点目に、共助としての大規模な災害に備えた避難所運営訓練・防災訓練実施について伺います。  西日本豪雨では、甚大な被害を受けた倉敷市真備町地区を中心に、被災者二千人余りが身を寄せていた避難所には、乳幼児、高齢者や障害者など、配慮が必要とされる方が三割を占めていたとのことでした。酷暑の中、衛生面の配慮など、避難所を運営される方々にとって、要配慮者への対応はかなり困難だったとうかがえます。  長野県諏訪市では、災害時に支援が必要な要配慮者の受け入れに力点を置いた避難所開設運営訓練を実施し、今後は障害を持つ人に訓練に参加してもらい、顔と名前を一致させておくことが重要であるとの気づきなど、実際の避難所運営の課題がさらに明らかになったとのことです。  世田谷区には、約九十万人の人口に対し、要介護認定者、障害者、乳幼児、妊産婦、外国人など、避難所生活に支障や配慮が必要な方が約十四万人いらっしゃいます。さらに、大規模災害時にはペットと同行避難される方が多く、各避難所へ来られることも予測されます。  本年四月に改定された避難所運営マニュアルには、要配慮者、ペットとの同行避難者への対応についての留意点などが記載されていますが、これまで具体的な受け入れを想定した訓練を実施している避難所は非常に少ないのが実態です。  今後、避難所運営訓練においては、要配慮者、ペット同行者などの視点も取り入れ、災害ボランティアの活用も視野に、具体的な受け入れを想定した訓練の実施が円滑に取り組めるよう支援すべきと考えますが、区の見解を伺います。  第四に、がん緩和ケアの体制整備について伺います。
     国のがん対策推進基本計画において、がんと診断されたときからの緩和ケアの推進が重点的に取り組むべき課題として位置づけられました。平成二十七年四月に、我が会派の推進で制定された世田谷区がん対策推進条例においても、疼痛等の緩和を目的とする医療が早期から適切に行われるようにすることなどが重要な施策として位置づけられています。  がん患者とその家族が可能な限り質の高い治療、療養生活を送れるように、身体的症状の緩和や精神的、心理的な問題への援助などが、終末期だけでなく、がんと診断されたときから、がん治療と同時に行われることが望まれています。  梅ヶ丘の保健医療福祉総合プラザにおいては、がん患者や家族を支える中核的機能を確立するとしていますが、がん緩和ケアについても、区職員や関係者への研修の実施や在宅療養にかかわる訪問診療、訪問看護、介護事業者などによる多職種連携体制などの構築を進め、区民が地域でも緩和ケアを利用できる環境を整備すべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、大介護時代に向けてどう備えるか、四つの観点から質問いたします。  第一に、(仮称)認知症の人に優しいまちづくり条例の制定についてです。  この課題につきましては、第二回、さらには第三回定例会の代表質問でも取り上げさせていただいております。それだけ最重要のテーマであることを認識いただきたいことをまず申し上げておきます。  我が会派は、神戸市の条例において、認知症の方が起こされた事故の救済という観点から、全国に先駆けて給付金制度と賠償責任保険制度を組み合わせた制度を来年四月から導入することを紹介させていただきましたが、神奈川県大和市が、全国で初めて昨年十一月に保険制度を導入しています。また、愛知県大府市においても、認知症条例の制定に続き、ことし七月に、認知症の高齢者が第三者にけがをさせたり、物を壊したりして、家族が損害賠償を求められる場合に備え、市が保険料を全額負担して個人賠償責任保険に加入する制度を導入しています。  条例の制定については、事故の救済のみならず、神戸市のように予防及び早期介入、治療及び介護の提供、地域の力を豊かにしていくことなどのきめ細やかなサービスを提供するとの行政側の強い意思が求められています。  条例制定のかなめは、何より区長のリーダーシップにかかっております。とりわけ事故救済については、国は直ちに制度的な対応をするのが難しいとの検討結果をまとめ、制度創設を見送っております。であればこそ、まず自治体がそうした国の姿勢を変えてみせるとの思いで矢を放ち、声を上げていくことが、認知症になられても安心して住み続けられる世田谷区を構築していくことにつながるのであり、その実現はまさに保坂区長、あなたにかかっているのです。決断を求めます。  第二に、介護予防の促進策として、いわゆるフレイルチェックの効果的な実施と恒常的なフレイル予防運動の推進のためのフレイルサポーターの養成についてです。  この対策についても、さきの定例会の代表質問では、千葉県柏市に倣い、市民主体のサポーターによる栄養、運動、社会参加を軸とする包括的フレイルチェックを、高齢者の集いの場を活用しながら取り組むべきと、速やかな施策の推進を求めたところであります。  区からは、今までの成果を踏まえ、今後の介護予防事業の充実を目指し、平成三十一年度から、さらにフレイル予防の取り組みを強化するとの答弁がありました。これまでも六十五歳以上の方を対象としたフレイル予防を含めた介護予防事業に取り組み、延べ一万三千四百名を超える方の参加を見ていることは一定の評価をするものですが、当区の高齢者人口からすれば、まだまだ遠く及ばないことは事実です。  今年度の状況を踏まえ、今後、さらなる充実をしていくためには、フレイルサポーターの養成とともに具体的な数値目標を示した上で取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。  我が党は、包括的フレイルチェック事業を当区が先駆的に進めていくためにも、何度も取り上げている東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授に協力を要請し、柏方式ならぬ世田谷方式を構築していただくことが介護予防の大きな前進になると考えます。区の見解を伺います。  第三に、ひとり暮らし高齢者の支援についてです。  ひとり暮らし高齢者に関するこれまでの国の調査では、後期高齢者は視力、聴力が低下し、物忘れのある方が多く、抑鬱傾向の方も多いことが指摘されています。さらに、在宅生活の危険や事故の面では、薬の飲み忘れ、飲み違いにより、特にひとり暮らしの認知症高齢者に深刻な事例が見られたことが報告されています。  世田谷区でのひとり暮らし高齢者は約五万九千世帯ですが、特に人との交流が少ない高齢者の心と体の健康面での心配を近隣の方からお聞きすることが多くなってきたと感じるのは、私だけではないと思います。二〇二五年、団塊の世代が七十五歳を迎える大介護時代に備え、いま一度、ひとり暮らし高齢者を対象に全件訪問調査を実施し、ニーズ把握を行い、地区アセスに反映し取り組むなど、介護予防、認知症への切れ目のない支援策を構築すべきと考えますが、区の見解を伺います。  第四に、自治体間連携による新たな高齢者施設の整備についてです。  これまでも、杉並区における南伊豆町での、地元住民に加え、杉並区の高齢者が優先入居できる特別養護老人施設について取り上げました。現在、世田谷区ではさまざまな高齢者施設の整備を進めておりますが、介護人材不足や高い土地価格に入所金額も比例し、結局、収入の低い高齢者の選択肢にはなり得ない状況であり、在宅介護が難しい世帯で低料金の入所施設を探す選択肢は地方に求める以外にない状況は周知の事実であります。  我が党は、大介護時代に備えて、在宅介護が無理なく可能となる支援を強力に進める一方、改めて、杉並区の例にあるように、地方での特別養護老人ホームなどの整備を本格的に検討する時期に入ったと考えます。世田谷区と自治体間連携を進めている自治体での区民の優先入居を可能とする高齢者施設整備を申し入れるべきであります。積極的に自治体間交流を進めている区長の見解を求めます。  次に、介護分野及び建設産業の環境整備について伺います。  第一に、介護分野についてです。  大介護時代に突入する二〇二五年度には、約三十四万人の介護人材が不足すると推計されている背景には、労働力人口の減少や新規採用が困難なことがあり、かつ身体的にも、精神的にもきつい仕事であるにもかかわらず、介護職員が低賃金で社会的評価も低いことが主因であるとの指摘もあります。それらを踏まえ、国は二〇二〇年代初頭までに、約二十五万人の確保へ向けた総合的な対策へ大きくかじを切り始めました。  世田谷区においても、先般、介護職員等宿舎借り上げ支援事業として、福祉避難所協定の締結を前提とした対象事業所に勤務する方への宿舎借り上げ経費助成の申請を今月より開始したことは評価いたします。今後、介護職員の社会的地位の向上にもつなげるには、介護報酬を一律に引き上げるのではなく、介護福祉士の有資格者数や介護職員の勤続年数などに応じ、事業所加算にめり張りをつけるなど、やる気も能力もある介護職員の賃上げに注力すべきと考えます。  そこで質問いたします。国の総合的な支援策を踏まえ、離職した介護人材の再就職支援や学生、ミドルエイジ層への新規参入促進、さらなる定着支援として、キャリアアップや介護職員子育て応援人材ステーションなど、区として多面的な活用策が求められます。独自の支援策を今度どう考えているのか、区の見解を伺います。  第二に、建設産業についてです。  さきの第三回定例会でも指摘したように、建設業技能者の約三分の一は五十五歳以上となっており、他の産業と比べても高齢化が進行しています。国は来年度より、建設業の人材確保、育成に向けて本格的に始動しつつあり、特に若者や女性の建設業への入職や定着促進などに重点を置きつつ、働き方改革を着実に実行し、魅力ある職場環境の整備を目指すとしています。  世田谷区においては、長年、我が党が訴えてきた区内産業として建設業の位置づけが産業ビジョン上ではうたわれたものの、具体的な育成・支援策はいまだに乏しいと言わざるを得ません。特に中小・小規模事業者であっても社会保険に加入できるよう、公共工事における法定福利費の見える化や技能者育成への推進へギアチェンジすべきではないしょうか。  そこで質問いたします。建設技能者の育成のため、効果的かつ継続的に技能訓練、学び直しの機会を行う塾制度となる建設リカレント教育を推進し、かつ習得した技能や就業経験に基づいた技能者が評価され、処遇を受けられるようなマイスター制度の導入を図るべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、学校支援策の推進について伺います。  第一に、不登校対策についてです。  十月二十五日に文部科学省が発表した平成二十九年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について見ますと、連続または断続して年間三十日以上、小中学校を欠席した不登校の児童生徒数は一万一千九百八十八人で、記録のある一九九八年以降で最多となっています。また、不登校の理由については、保護者の病気など家庭の要因が三八%で最多であり、世田谷区においても同様の理由で、不登校の生徒数も二十八年度が五百五十八人、二十九年度も増加傾向にあります。  そうした状況の中で、不登校の児童生徒へのアプローチは複雑に絡む家庭の課題を解決する必要があり、クラス担任だけでは対応することが難しいケースも多々あることから、児童生徒を取り巻く環境の調整を早急にできるかどうかが不登校の長期化を防ぐことにつながると考えます。  品川区では、全国に先駆けて教育センター内に、六年前から学校支援チーム、HEARTSを設置し、スクールソーシャルワーカーや教育心理相談員、学校生活指導専門員、警察OBなどで構成するチームをつくり、担当の学校をチームで巡回しながら、対象の児童生徒や学校を訪問し、聞き取りを通して実態を把握した上で、学校と対応を考え、見守りを継続しています。要するに、不登校となっている児童生徒を取り巻く環境を早急に整えることが学ぶ機会の確保につながるとチームが認識し、機動力のある取り組みを展開しています。  不登校対策を強化するためには、既存の教育支援チームを複数設置し、アウトリーチ機能を強化するなど、一人一人の児童生徒の学ぶ機会が確保できるまで、家庭が抱える課題に寄り添い、課題解決に向け機動力を発揮できる体制整備が求められますが、区の見解を伺います。  第二に、教職員の人事権について伺います。  世田谷区においては、これまでも公教育の復権へ向けて独自の取り組みを推進していることに評価をするものでありますが、今後、その鍵を握るのが人事権の移譲です。我が会派は、世田谷区の先進的な教育を深く定着させ、発展させていくためにも、地域とともに生きる教職員が何より重要であると考えております。今後、どの方向へ進むべきなのか、教育長の認識を伺います。  次に、子どもの近くで働くことができるワークスペース事業についてお伺いします。  同事業は、既にひろば型として本年九月より先行実施している一方で、一般型の実施については我が会派は、事業スキームと見通しが甘く、再構築すべきと指摘してきました。それらを踏まえ、検討を重ねてきた新たな考え方が今般示されました。  しかし、相変わらず区が一般型の事業へ踏み出すその根拠が明確になっていません。さらに、候補地周辺のマーケティング調査も実施せずに、なぜ保育施設とワークスペース施設で一体化する必要があるかなど、ニーズの把握も不透明なまま示されたことに、事業ありきの意図を感じざるを得ません。  ここで二点質問いたします。  一点目に、現在、区内におけるワークスペース施設や一時預かり施設について、利用状況、利用料金、充足率など、実態をどう把握し、地域における需要と供給のバランス状況がどうなっているかなど、区が単費で実施する根拠をお示しください。  二点目に、我が会派は、ワークスペース事業を保育施設と一体で実施する前に、まず区が取り組むべきことは、不足する一時預かりやほっとステイの定員枠を拡充させることだと考えます。その上で、一時預かり施設の近隣にワークスペースがない、利用料金が高額など、実施する必要がある場合でも、自宅や図書館、喫茶店などのオープンスペースと同様に、ワークスペース機能と預かり機能を同じ場所に設置する必要はないと考えます。区の見解を伺います。  次に、新たな国際交流について二つの観点から伺います。  第一に、国際交流協会についてです。  八月に、新たな国際化推進体制のあり方検討の中間報告が示された後、来年二月に案として報告される予定になっている推進組織についてですが、区が掲げている新たな視点、発想による戦略的な国際政策の展開は、我が会派が再三訴えている、独立した国際交流協会の設立なくして実現はあり得ないと確信しています。既に、二〇二〇年まで残り二年を切った今、設立に向けた準備へ急ぎ着手すべきであり、国際政策の施策体系をどう進めていくかが求められています。  そこで質問いたします。新たな推進組織についてですが、さきの決算委員会にて、公益財団法人せたがや文化財団の事業部としてスタートする検討を視野に入れているとの答弁がありました。しかし、我が会派が提案する国際交流は、文化芸術における交流に限定されるのではなく、国際都市世田谷として世界に向け情報を発信し、国内外からの来訪者をいかにふやし、区民との交流を活発に行えるかが重要と考えます。  例えば、姉妹都市に加え、今後、交流を展開、発展させる台湾、フィンランド、ポートランドを入れた六都市国際シンポジウムや官民交流国際会議の開催など、あくまでも視点は世界へ、行動は地域からを基本に取り組むべきと考えます。現状における検討状況を伺います。  第二に、東京二〇二〇大会に向けた機運醸成についてです。  区が本年八月に発表した二十六事業のプランを見ますと、そのほとんどがどこかの団体に属した取り組みであり、より幅広く世田谷区民のおもてなしの心を醸成する取り組みになっていないことは大変残念でなりません。  アメリカ合衆国を初め、国内外から世田谷区を訪問された際、より多くの区民との触れ合いや交流の機会を創出することにより、おもてなしの心をあらわすことができると思います。また、そうしたアイデアや工夫などを区民から募ることでも気持ちは高まるのではないでしょうか。  さきの第二回定例会代表質問でも取り上げましたが、二十六事業案をまとめ上げるとともに、区民のおもてなしの心の発露をくみ上げ、区全体に波及させていくことで、東京二〇二〇大会の機運醸成を図っていくには、プロデュース室やチームを設置し、積極的に推進していく必要があると考えますが、区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 津上議員にお答えをいたします。  まず、学校給食費についてでございます。  学校給食費の無償化につきましては、この間、区議会からさまざまな御意見をいただきました。教育費に係る保護者の負担軽減施策として、財政負担の面も含めシミュレーションを事務方に指示してきたところであります。  そのシミュレーションの状況については、さきの文教常任委員会においてお示ししたところであります。具体的には、就学援助制度を活用することを前提に、その申請率の向上を図るとともに認定基準を全体的に引き上げる考え方、これとともに給食費について例えば、東京都の高校授業料無償化におけるものと同等の所得制限を設けて、中間所得層まで支給対象者を広げることの考え方もお示ししたところです。  財政負担の面では、体育館のエアコン設置や耐震化など喫緊の課題に加え、今回のシミュレーション案における財政負担の恒常的な財源の捻出について、区として解決すべき課題があるものと考えています。これから、予算編成の最終段階となりますが、本件について当初より申し上げてきた財政状況を勘案して判断をしてまいりたいと思います。  次に、いわゆる認知症条例ということについてでございます。  区では、認知症の御本人、そして御家族が地域で温かく包摂される社会に向け、認知症施策を総合的に推進し、二〇二〇年、梅ヶ丘拠点での認知症在宅生活サポートセンターの開設に向け、認知症在宅生活サポート室におきまして、認知症初期集中支援チーム事業や、また、認知症カフェの巡回などセンター事業に取り組んでいるところでございます。  認知症施策をさらに推進するため、区民、事業者、行政のそれぞれの役割、責務を明確にし、誰もが住みやすい地域をつくるための条例を制定することは意義があり、条例制定に向けて関係者で議論をしっかり重ねることが重要と考えております。認知症施策に先進的に取り組んできた世田谷区ならではの条例制定に向け、地域保健福祉審議会や認知症施策評価委員会等で議論を進めてまいります。  さらに、鉄道事故等の高額な賠償請求について、深刻なこの損害賠償額を家族のみ責任を問うことについて、平成二十八年三月の最高裁判所で、介護する家族に賠償責任があるかどうかは、生活状況を総合的に考慮して判断するとの判決が出されています。大変社会的な関心も高く、とりわけ認知症の家族にとって介護生活、介護しながらの生活の基盤を揺るがす問題だと考えています。こうしたテーマを専門家とともに認知症の御本人、そして御家族の意見も伺いながら、私自身、先頭に立ってこの検討作業を進めてまいりたいと思います。  次に、区域外の介護施設整備についてどうかという御質問です。  区では、介護が必要となって、できる限り住みなれた地域で生活していくことができるよう、地域包括ケアシステムの構築に取り組んでいるところです。高齢者が元気なうち、みずからの選択により地方に住みかえるということは、ライフスタイルの一つとしてあり得ると思います。  一方、介護が必要な状態になって、なじみのない地域に移り住んでいくことは、環境の変化に伴う心身への影響、家族や知人との関係が希薄になってしまうなど、考慮すべきさまざまな課題があります。また、平成二十八年十二月に実施した介護保険実態調査におきまして、在宅で要介護認定を受けている九割の方から、現在住んでいる地域に今後も住み続けたいとの回答をいただいています。  区といたしましては、在宅生活を支える介護基盤の充実を図るとともに、公有地等を活用して施設整備に取り組み、誰もが住みなれた地域に住み続けられるよう、全力で取り組んでまいりたいと考えております。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、四点について御答弁申し上げます。  最初に、新設の児童館の民間活用についてでございます。  今後の児童館のあり方につきましては、世田谷区立児童館のあり方検討委員会におきまして議論を進めております。現在、まとめの段階でございまして、その内容を踏まえまして、区の方向性等を固めていきたいと考えております。検討委員会では、児童館の民営化につきましては、公営と民営の双方のメリット、デメリットが議論されておりまして、民営化を検討するに当たりましては他自治体におきます民営化の事例や課題につきまして把握するとともに、新しい仕組みをつくる工夫が必要であるとの御意見もございまして、引き続きの検討をするべきとの提案をいただいております。  児童館の再整備を進めるに当たりましては、子どもの相談・支援体制の体系化を図りまして、児童館が地区におきます重要な役割を果たすものと考えております。  また、民営化につきましても、継続して慎重かつ広く区民や議会の御意見を伺いまして、今後は、公共施設等総合管理計画や子ども計画後期計画との整合を図りまして、児童館の再整備に伴う体制づくりを考えてまいります。  次に、区立保育園のあり方検討につきましてでございます。  区立保育園の今後のあり方案は、区立保育園が地域、地区における公的なセーフティーネットとしての役割を担うための事業を展開し、きめ細やかな保育施策を実施していくための方針案としてお示しをしたものでございます。  具体的には、安全で質の高い保育の実現を基本といたしまして、区立保育園における緊急保育や一時預かり保育の充実により、支援が必要な子どもや家庭への支援、認可外保育施設の指導認可権限の移管に伴う民間保育施設からの相談体制の整備等、より予防型施策に重点を置きながら保育施策を展開することとしており、主に日々の保育を通じた相談への対応を充実するとともに、地区の相談支援の側面も持つようにしてまいります。  また、これら事業の実施強化に当たりましては、現行の業務の見直し、待機児童の状況等を考慮した上で、来年度以降、順次できるところから実施することといたします。引き続き、計画的な区立保育園の統廃合等による再整備を着実に進めていくとともに、民間保育施設と区立保育園、それぞれの役割や特徴を踏まえ、区立保育園が真に果たすべき役割をしっかり担っていけるよう、議会の意見等も踏まえまして、あり方を取りまとめてまいります。  次に、学校体育館エアコン設置の工程についてでございます。  区では、小中学校体育館における事業や行事に大きな影響を与えた今夏の猛暑など、昨今の気象状況の変化を踏まえまして、児童生徒の健康を守るとともに、災害時の避難所ともなることから、区立小中学校の全校、計九十校の体育館に空調設備を設置してまいります。  整備スケジュールにつきましては、まず、今年度体育館への電力供給能力を含めた全校の電気設備の調査を完了させ、電気設備改修や増設の必要性の有無を把握することから着手いたします。その調査結果に基づきまして、来年度、電気設備改修を要しない学校と体育館の耐震補強工事を実施する学校等から、空調設備設置工事を行う予定です。その後、電気設備の改修を終えた学校から、順次、空調設備設置工事を実施してまいります。耐震補強工事の兼ね合いから、二〇二一年度の夏までには全校に空調設備を設置する予定としておりますが、二〇二〇年度までの約二年間の間にできるだけ多くの学校に設置するよう、鋭意努力してまいります。  最後に、東京二〇二〇大会へ向けた機運醸成に係る推進組織についてでございます。  気運醸成サブイベント(案)は、区単独で実施するものだけではなく、区民や事業者の皆様と連携して取り組んでいく事業であり、八月時点におきましては、事業所管部における検討した内容、いわば、事業の骨組みをお示ししたところでございます。現在、サブイベント(案)につきましては、各事業所管部におきまして、連携先との協議とあわせて事業実施内容の精査を進めており、スポーツ推進部及び政策経営部におきまして、それらの情報集約及び事業内容の確認を行っているところでございます。また、連携方法等の情報も各事業に反映できるよう、庁内におきまして共有に努めているところでございます。  現時点のサブイベント(案)が、多くの区民の皆様との触れ合いや交流の機会につながり、機運が高まるサブイベントとして決定できるように、区民や事業者の皆様からの御提案や御意見は、まずはスポーツ推進部が受けとめ、各事業所管部と調整をしております。  推進組織につきましては、東京二〇二〇大会の機運醸成を図るために、組織強化や外部人材の支援をいただくなど、その他の方策を含め来年度に向けて体制を検討してまいります。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、三点について御答弁を申し上げます。  まず、豪雨対策に関連しまして、流域対策の強化について御答弁申し上げます。  区では、世田谷区豪雨対策基本方針に基づき、過去に浸水実績等が多かった地区を中心に雨水貯留浸透施設の設置等により、早期に改善を図る地区をモデル地区として、上馬、弦巻地区など、四地区を指定しております。モデル地区では、道路、学校、公園などの施設の新築、改築の際の雨水対策量の単位対策量の引き上げや、雨水浸透枡や雨水タンクの設置の際の助成金の交付限度額の増額など、重点的に流域対策を促進し、豪雨対策の効果の早期発現に努めているところでございます。  区全体におきましては、平成二十九年度までに、時間約四・三ミリ降雨相当の対策である流域対策量約四十万八千立方メートルの整備を行っております。また、道路の下には、既存の水道管などの占用物件がふくそうするなど、スペースの課題がありますが、創意工夫により雨水貯留浸透施設等を設置し、引き続き流域対策に努めてまいります。  さらに、公園等への雨水貯留施設の設置については、現場状況等に配慮しながら、公園外周の雨水を取り込む施設の設置を検討してまいります。  昨今の集中豪雨による被害の状況を鑑み、こうした対策を強化すべきエリアを拡充するなど、水害に強い安全安心の町世田谷を目指し、積極的に取り組みを進めてまいります。  次に、自然再生エネルギーの普及拡大についてでございます。  国は、北海道胆振東部地震で起きた大規模停電において、太陽光発電設備がある家庭では、自立運転機能等により電力利用を継続できた割合が約八五%あった旨を調査会で報告し、あわせて分散性が高く、災害に強い再生可能エネルギーの導入を含めた電力供給についての議論もあったと聞いております。  区は、環境共生都市の実現に向け、区民の再生エネルギー利用率二五%を目標の一つに掲げ、住宅都市の特性を踏まえ、小規模分散型エネルギー確保の観点からも、太陽光発電設備などの促進を中心に、エネルギーの地産地消に取り組んでまいりました。このたび実施した環境に関する区民意識・実態調査では、区民の再生可能エネルギー利用率は六・五%と、前回の二倍弱伸びてはおりますが、まだまだ道半ばでございます。  区といたしましては、再生可能エネルギーは災害時対策の側面からも引き続き普及拡大に取り組んでまいります。  また、創エネ・蓄エネ機器として、例えば蓄電システムは国や都の補助制度がございますが、価格や寿命面などで課題がございます。しかしながら、二〇一九年から順次終了するFIT制度の電力を見込んだ民間事業者の新たな取り組みや自助の取り組みの観点からも、現在進めている環境基本計画の改定において、環境審議会での御議論をいただきながら、新たな施策などの面も含め、鋭意、調査検討を進めてまいります。  次に、ワークスペース事業について御答弁申し上げます。  子どもの近くで働くことができるワークスペース事業につきましては、保育園に子どもを預けてフルタイムで働くか、仕事をやめて在宅で子育てをするかの二者択一ではなく、子育てと仕事を両立させたい区民の方に新しい働き方、子育ての仕方ができる選択肢を設けたいとの考えから、三十年度予算案の中で御提案をさせていただいたところです。しかし、制度設計が曖昧で事業効果に疑問が残るとの御指摘をいただき、予算の配当を保留し、再度、制度の枠組みを構築すべく、都内で類似の事業を実施している事業者のヒアリングを行うなど、ニーズと制度運営のあり方について検討を進めてまいりました。  一方、本年九月より実施しているワークスペースひろば型は、開設と同時に申し込みが相次ぎ、現在、登録待ちが複数いる状況でございます。利用者の居住分布といたしましても、世田谷、北沢、玉川地域を中心に広範囲に分布しており、多様なニーズがあると認識しております。
     今般の事業におきましては、区が運営補助を行っている一時保育施設と連携し、さまざまな理由で一時保育を御利用になっている保護者の中で、必要な方が必要な時間に使えるワークスペース事業を実施し、その効果を検証したいと考えているところでございます。  詳細につきましては、十二月の区民生活常任委員会に御報告した上で、来年一月から事業実施に入りたいと考えているところでございます。  以上でございます。    〔堀教育長登壇〕 ◎堀 教育長 学校支援の推進について、教職員の人事権移譲について御質問いただきました。御答弁申し上げます。  第二次世田谷区教育ビジョンでは、地域とともに子どもを育てる教育の推進を掲げ、世田谷らしい地域に根差した教育を推進しておりますが、人事権を持つことにより、さらに区の地域特性や区独自の教育に精通する教員をしっかり確保、育成することができると考えております。また、任命権者としての任免や懲戒等の権限があれば、今回区内学校で発生した件についても、臨機応変な対応ができるメリットもあると認識しております。  私どもは、これまでも特別区長会や特別区教育長会を通じて、国や都に継続して人事権の移譲を要望してまいりましたし、また、同様に特別区議会議長会からも要望書を提出いただいております。  しかしながら、人事権の移譲につきましては、財源や人事交流の計画的、効果的な実施等についてさまざまな課題があり、現在、状況は変わっておりません。いずれにしましても、教育委員会としましては、迅速な人的措置や学校支援のさらなる推進が図れるよう、継続的に教職員の人事権移譲について要望してまいります。  以上でございます。 ◎平澤 世田谷総合支所長 私からは、避難所運営訓練について御答弁申し上げます。  区では、ことし、女性や外国人等配慮を要する方への対応や、ボランティアの受け入れの視点を取り入れた避難所運営マニュアル標準版の改定を行いました。今回の改定につきましては、各避難所の運営委員会の皆様からは、課題が具体的になったと評価いただくとともに、避難所を開設することだけでも大変で、要配慮者に即した具体的対応まで手が回らないといった不安の声もいただいているところでございます。  避難所運営委員会のメンバーが高齢化している事情もあり、要配慮の方々への対応を地区住民だけで担うことは大きな負担になることも想定されます。そこで、今回のマニュアルではボランティアとの連携を掲げ、迅速に派遣要請と受け入れを行う手順等を示したところでございます。  各地区では、ボランティア協会と連携し、マッチングコーディネーターの養成やボランティアの受け入れ訓練を行う事例も少しずつふえてきているところでございます。例えば、下馬地区では、マッチングコーディネーターが防災塾に参加し、地区住民と討論することによりコーディネーターと住民の関係ができ、災害時に役立てると好評でございました。  今後の訓練では、障害者や外国人等の配慮を要する当事者の参加の工夫とボランティアの受け入れ促進を視野に、より実態に即した訓練を実施いただけるように、関係団体と協力しながら進めてまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、がん緩和ケアに関し、保健医療福祉総合プラザにおけるがん患者や家族を支える中核的機能など、区民が地域でがん緩和ケアを利用できる環境整備についてお答えいたします。  国のがん対策推進基本計画では、診断時から緩和ケアが適切に提供されるよう、がん診療拠点病院の緩和ケアセンターの機能のより一層の充実を個別目標に掲げています。また、地方公共団体へは、関係団体と連携を図り、緩和ケアに関する正しい知識の普及を行うよう求めております。  一方、区内にがん診療拠点病院を持たない当区では、保健センターのがん相談コーナーにおいて、必要に応じ、相談者へ緩和ケアに関するさまざまな情報を提供しております。また、今年度、あんしんすこやかセンターに開設した在宅療養相談窓口とも情報の共有に努めております。  さらに、本年十月に発足した区外のがん診療拠点病院やがん患者等の関係者団体等で構成する世田谷区がん患者ネットワーク会議を通じ、広く緩和ケアの情報を提供してまいります。  加えて、二〇二〇年に梅ヶ丘の保健医療福祉総合プラザに移設する区立保健センターにおける相談窓口では、開設時間の拡充を行うなど、がん相談に必要な緩和ケアの情報提供の機会の拡充を目指してまいります。  お話にもありましたように、地域で緩和ケアを利用できる環境を整備するためには、医療関係者や訪問看護ステーション、介護支援事業者等の在宅療養等に携わる多職種の連携体制の構築が求められます。そのため、がん患者の緩和ケアにとどまらず、在宅療養の基盤整備を基本として、地域包括ケアや病診連携の視点も踏まえ、世田谷区がん対策推進委員会の意見も聞きながら、関係所管と引き続き検討してまいります。  以上です。 ◎板谷 保健福祉部長 私からは、がん緩和ケアに関する研修の実施等についてお答えをいたします。  区民の身近な相談窓口として開設したあんしんすこやかセンターの在宅療養相談窓口では、がんに関する相談も多く、在宅での療養や介護サービスに関することの相談や保健センターのがん相談コーナーなどの情報提供を行っております。対応に当たっては、医師を初め、医療職、介護職の連携が重要なため、地区ごとのネットワークづくりを進めております。  今後は、梅ヶ丘の保健医療福祉総合プラザに新たに設置する福祉人材育成・研修センターで、がん患者を支えるための専門知識の習得と連携に関し、多職種が学び合う合同研修の実施など、さらなる充実に向けて検討を進めてまいります。  以上です。 ◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、三点御答弁いたします。  初めに、フレイル予防についてです。  区では、さまざまな機会を捉えて、二十五項目で心身の状況を確認する基本チェックリストを実施し、リスクの高い方を着実に介護予防事業につないでおります。また、六十五歳以上の方が気軽に参加できる介護予防講座などを実施し、社会参加の必要性の啓発や運動や口腔機能の向上、低栄養や認知症の予防活動に取り組んでおります。講座の終了後は、自主グループとして活動を継続するほか、修了生の中からあんすこボランティアとして登録いただき、事業の会場準備や体操指導の補助などに御協力いただいております。介護予防講座には、新実施計画期間の四年間で累計約六万五千人の参加を目指しており、より多くの方に参加いただけるよう、普及啓発に努めてまいります。最近の研究では、社会参加が健康長寿に効果的だと明らかになっており、今後、地域デイサービスや世田谷いきいき体操グループの交流会を開催し、フレイル予防や効果が目に見えるよう体力測定などを数値化し、区民が講座等終了後もお互いにサポートし合いながら楽しく活動が継続できる仕組みづくりを強化してまいります。  区が平成十八年度から実施している介護予防の取り組みは、東京大学と共同で研究を行っている東京都健康長寿医療センターに支援をいただいており、区の取り組みも東京大学と同じフレイル予防の考え方に基づき実施しております。引き続き、健康長寿医療センター研究所と連携を図り、他自治体の成功事例なども参考にしながら、既にあるボランティア活動等の仕組みを充実させ、世田谷らしい介護予防の取り組みを推進してまいります。  次に、七十五歳以上のひとり暮らし高齢者の全戸訪問についてです。ひとり暮らし高齢者が年々ふえる中、ひとり暮らし高齢者特有の問題を早期に発見し、早期対応していくことは、問題の深刻化を防ぐためにも大変重要であると考えております。七十五歳以上でひとり暮らしの方は約三万七千人、そのうち、八十五歳以上の方は一万七千人であり、その割合は年齢が上がるにつれ高くなり、要介護認定を受けている方の割合も高くなります。  ひとり暮らし高齢者の状況は、民生委員ふれあい訪問やあんしんすこやかセンターによる実態把握訪問、基本チェックリストの実施、福祉の相談窓口の取り組みなどを通し、把握に努めております。また、日々地域で活動している新聞販売店や宅配業者など、二十三事業所との見守り協定やサロン・ミニデイなどの地域活動を通し、高齢者の気になることについて御連絡いただき、必要な支援につなぐなど、きめ細やかな対応に努めております。地区で把握した課題は、地区、地域、全区の三層で開催される地域ケア会議で分析、検討し、政策形成に結びつける取り組みも進めているところです。区では、さまざまな取り組みにより、高齢者の実態把握に努め、介護予防、認知症予防を含め誰もが安心して住み続けられる地域社会づくりを進めてまいります。  最後に、介護分野についての御質問です。  区では、高齢社会の進展に伴い、介護基盤の整備を計画的に進めておりますが、全産業で人手不足が顕著となる中、介護人材の確保は一段と厳しさを増しており、喫緊の課題となっております。  国は、消費税増税に伴い、基本報酬を上乗せする介護報酬改定に加え、一定の要件のもと、月額平均八万円相当のさらなる処遇改善を行うとしており、他職種との賃金格差の縮小や離職した介護福祉士の呼び戻しなどの効果が期待されているところです。  区は、これまで新たな人材の確保に向け、ハローワークとの共催による就職相談面接会などを実施しており、昨年度は延べ約二百九十名の参加があり、二十九名の方が就職されました。また、定着支援としては、キャリアアップに必要な研修受講費用等の助成のほか、今年度のせたがや介護の日に、永年勤続表彰に加え、受賞者によるパネルディスカッションを行い、来場者に介護の仕事のやりがいや魅力などを発信しました。この事業は、雇用保険の求職活動実績対象事業としてハローワークに承認され、ハローワークの紹介で求職者も参加されました。十月から介護職員等宿舎借り上げ支援事業を開始するとともに、ふるさと納税を活用して介護ロボット、ICT機器導入に積極的に取り組んでおります。  引き続き、介護人材の確保や定着支援に向け、国や都との連携を十分図るとともに、多くの事業者が参加する介護サービスネットワークや特養ホームの施設長会などとの意見交換を通し、さらなる人材確保策を検討してまいります。  以上でございます。 ◎久末 経済産業部長 私からは、二点御答弁申し上げます。  初めに、建設分野の人材確保の環境整備、マイスター制度の導入について御答弁申し上げます。  ものづくりマイスター制度は、建設業や製造業の百十一職種を対象として、高度な技能を持ったものづくりマイスターが中小企業や教育訓練機関で広く実技指導を行い、技能の継承や後継者の育成を行う制度で、平成二十五年度から厚生労働省が開始しております。区においても、若者のものづくり離れや技能離れが進み、人材不足と重なり、産業の基礎となる高度な技能を有する技能者の育成が課題となっております。また、マイスターを評価する制度といたしましては、平成十一年度から世田谷区産業表彰のマイスター制度がございます。これまで七名の方が表彰されております。  区といたしましては、建設産業の人材育成については、これまでも国や都の研修機関を紹介するなど、参加を促してまいりましたが、今後は、区のマイスター制度を人材育成の仕組みにつなぐなど、関係団体との意見交換を行い、検討してまいります。  次に、ワークスペース事業について、区内のワークスペース、一時預かり施設の状況及び区が単費で実施する根拠について御答弁申し上げます。  区では、私立認可保育園設置時に一時保育事業を必須とするなど、一時保育でお預かりすることができる枠は増加しており、平成三十年四月現在で、区立保育園四十九カ所のほか、私立保育園、保育室、認定こども園等で四十二カ所、一時保育専用施設が二カ所ございます。  また、世田谷区内にはコ・ワーキング・スペースが十カ所ほどあることを把握しておりますが、確認できる限り、保育施設と連携した施設はございません。今回のワークスペースの設置につきましては、区の一時保育事業と連携することで、フリーランスの方やテレワークが可能な方など、なるべく子どもの近くで、子育てを優先しながらも仕事をし続けたいと考える保護者のニーズに沿ったものであり、働き方の選択肢をふやすものと認識しております。  以上でございます。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、教育支援チームによる不登校対策について御答弁をいたします。  世田谷区の不登校児童生徒数は、国や東京都の状況と同様に増加傾向にあり、出現率も高水準で推移しております。また、不登校の原因も多様化、複雑化しており、長期化する傾向もございます。  教育支援チームは、心理士や弁護士、医師などで構成し、学校や園だけでは対応が難しい課題について、心理、社会福祉、法律、精神医療などの専門的な立場から指導、助言を行い、問題の深刻化の未然防止、早期解決を図っています。不登校に関しても、学校の対応について多面的な視点からの助言など、学校と連携しているところです。  今後、二〇二一年開設の教育総合センターに向けて、不登校対策機能を柱の一つに掲げて、現行の教育支援チームを拡充する方向で検討し、未然防止を含む不登校の各段階に応じ、アウトリーチ型の支援体制を構築し、対応の強化を図ってまいります。  また、区内で三つ目となるほっとスクール希望丘が平成三十一年二月に開設し、民間による運営を行います。民間のノウハウを他のほっとスクールの運営にも生かしながら、学校支援を進めてまいります。  以上でございます。 ◎田中 生活文化部長 私からは、国際交流の新しい推進組織の検討状況について御答弁いたします。  社会状況の変化などを踏まえ、区が取り組む多文化共生、国際交流、国際貢献、国際協力などの国際政策につきましては、新たな視点、発想による戦略的な取り組みが必要であると認識しております。特に、より幅広い区民に支えられる事業展開に向けては、多彩な情報発信、交流や活動の場の提供、区民、団体、大学、事業者などのネットワーク構築、交流促進等の機能が求められており、新たな推進体制の候補として挙げたせたがや文化財団は、これまでも国際交流事業や市民活動団体支援に取り組んでいることから、その強みを発揮できるものと考えます。  こうした取り組みにより、大使館などとも連携しながら、区民や団体、大学や事業者などと、さまざまな国や都市との多様なテーマによる交流を進めるとともに、これらの活動をつなぎ、活性化させることで、国際交流を国内外に向け一層拡大していくことが可能になると考えております。地域における多文化共生の推進や交流の活性化に加え、さらに幅広い分野において世界を視野に入れた交流が世田谷から広がっていくよう、新たな国際化推進組織の事業体系や専門人材の確保も含めた推進体制などについて検討を進め、二〇二〇年度のスタートに向け、具体的に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆十八番(津上仁志 議員) 御答弁ありがとうございました。  まず、学校体育館のエアコン設置について、一年前倒しして、約二年間でやっていただけると、前向きな答弁をいただきましたので、ぜひとも実施に向け鋭意取り組んでいただきたいと思います。  区長にも、認知症条例について非常に前向きな御答弁をいただいたんですけれども、一方で、自治体間連携についてはどうかなというところが一点あったんです。当然、住みなれた地域で暮らし続けたいと思っていらっしゃる方がたくさんいらっしゃるのは当然でありまして、でも、特に特養なんていうのは、今、千八百名余りが待っている状況で、希望しても入所できない状況がずっと続いています。区は整備方針を立てて、計画どおりに整備できるというふうにはしているんですけれども、それまでの間、じゃ、待ってくれというままでいいのかという議論も一つあると思うんです。ですから、そういう声もしっかりとくみ上げながら、自治体間連携というものも視野にしっかり進めていただきたいと思うんですけれども、この特養待機者の解消をまずどういうふうに進めていくつもりなのかお聞きしたい。  あと、質問の中でも申し上げましたけれども、特に所得の低い方は、区内ではなかなかサ高住とか、そういったところも入所が望めない状況にあります。こういった方々は今は個人でそれぞれの施設を探しているという状況もありますので、そういった方々に情報提供を丁寧にしていくということも、一つ区の役割としてあるんではないかなと思うんですけれども、その辺の考えについてお伺いしたいと思います。  そしてもう一つが、ひとり暮らし高齢者の支援についてなんですけれども、先ほど御答弁では、これまでずっと取り組んできていますというふうなことだったんですけれども、それでも、我々議員のところに、ちょっと心配なんだというようなお声もいただきます。そういったときには、あんすこさんにつなげたりとか、行政にはつなげるんですけれども、そういった状況が、コミュニティーがしっかりしていると言われている団地の中でも起こっているような状況もあります。地区アセスでそういうふうなことも明らかにはなっていると思うんですけれども、そういった団地のある地区とか、特に高齢者のひとり暮らしの多い地区なんかをモデルにして、その対策を講じるべきでないかなと思うんですけれども、そのあたりをもう一度御答弁いただきたいと思います。  最後、ワークスペース事業についても伺いたいんですが、詳細は常任委員会のほうで報告するということなんですが、申し上げておきたいのは、我が会派は、保育とワークスペースはセパレートすべきだということです。世田谷区が行うべきことは、やはり一時保育とか、保育施設、我々は提案していますけれども、休日・夜間保育など、今は、多様な働き方に対応できるような、そういうものをしっかりと進めていくべきであって、ワークスペースの設置というのは、下手をすれば民業圧迫にもつながりかねませんので、そういったこともしっかりと検討しながらやっていただきたいと思うんですけれども、そのあたりを保育所管とあわせて御答弁いただきたいと思います。  また、必要だという根拠についても、ひろば型の登録の方の待ちがたくさんいらっしゃるということだけでは非常に脆弱だというふうに言わざるを得ませんので、一月実施を目指すんであれば、先ほど申し上げたとおり、マーケティング調査なんかをしっかりして、需要と供給がどうなっているのかということをしっかり明らかにしていただきたいと思うんですが、そのあたりについても伺いたいと思います。 ◎瓜生 高齢福祉部長 再質問に御答弁いたします。  初めに、特養待機者への対応でございます。  先ほど区長から御答弁申し上げましたように、介護が必要な高齢者がなじみのない地域に移り住むことにはさまざまな課題がございます。区では、二十四時間三百六十五日適切なサービスが提供できるよう、安心して在宅生活を送ることができるような在宅サービスの充実や、公有地を活用した特養ホームの整備、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型居宅介護を身近な地区に一カ所以上の整備に取り組んでいるところでございます。また、住まいと生活支援が一体的に提供され、利用料が低額な都市型軽費老人ホームの整備にも努めているところでございます。  また、施設の情報提供についてでございますが、高齢者や家族が老人保健施設やサービスつき高齢者向け住宅、都市型軽費老人ホームなどを探す際に、区では、事業者からお預かりしておりますパンフレットやホームページなどを活用して丁寧な情報提供に努めております。また、区内のケアマネジャー連絡会では、本人、家族の相談に適切に対応できるよう、独自にせたがやの高齢者施設お役立ちガイドを作成し、御本人、御家族が健やかで心豊かな毎日が送れるよう、取り組んでおります。今後とも引き続き、事業者、行政が連携して、高齢者に寄り添った情報提供に努めてまいります。  最後に、七十五歳以上の全戸訪問についてです。  ひとり暮らし高齢者が地域の中で安心して暮らし続けるためには、介護保険サービスだけでなく、生活支援サービスなどと連携した取り組みが必要となります。七十五歳以上で介護保険サービスを利用していないひとり暮らしや高齢者のみ世帯の方には、民生委員ふれあい訪問やあんしんすこやかセンターの訪問により状況把握に努めております。地区の高齢化率、ひとり暮らしの割合や要介護認定率などのデータを地区に情報提供し、地区アセスで把握した課題なども明確にし、今後、必要な支援策を検討してまいります。  今後とも、区民、事業者、行政が力を合わせて、住みなれた地域で安心して暮らし続けられる地域社会づくりを進めてまいります。  以上でございます。 ◎知久 保育担当部長 私からは、ワークスペース事業に関する保育担当所管からの再質問に御答弁いたします。  多様な働き方の広がりに伴い、保育の質の確保を前提に、時代に即した保育事業の裾野を広げていくことが必要であると考えております。区では、待機児童解消に向けて、長時間の保育に対応できる認可保育所を中心に整備を進める一方で、短時間の就労等に応える一時保育事業、保護者のリフレッシュなど、理由を問わずお子さんを預かることができるほっとステイの受け入れ枠の拡充を図ってきております。  また、今回のワークスペース事業のほか、御指摘のございました休日保育、夜間・延長保育についても、現在、拡大に向けた検討を進めているところでございます。引き続き、求められる多様な保育施策について、関係所管とも連携し進めてまいります。  以上です。 ◎久末 経済産業部長 私からは、ワークスペース事業について、マーケティング調査によるニーズを明らかにすべきだという再質問にお答えいたします。  マーケティング調査によるニーズ把握でございますが、先ほど副区長からも御答弁申し上げましたが、ひろば型は開設と同時に申し込みが相次ぎ、現在、登録待ちが複数おり、また、利用者の居住分布も世田谷区内広範囲に分布しており、ニーズがあるものと認識しております。また、今回、設置を予定しているワークスペースの近隣保育園から、一時保育利用者でワークスペースのニーズがある利用者は、一定程度いらっしゃるという回答も得たところです。  こういったところから、区といたしましては、ニーズはあるものと思っておりますが、十二月の区民生活常任委員会で改めて御報告をさせていただき、今後、進めていく中で検証はしっかりと行ってまいりたいと思います。  以上でございます。 ◆十八番(津上仁志 議員) ワークスペースは答えていただいていないと思うんですけれども、あと、介護のほうでも現場のことをちょっと見ていただいて、現状と区が掌握していることと違っていることもあると思いますので、しっかりその辺を掌握した上で対策を練っていただきたいというふうに要望して終わります。 ○三井みほこ 議長 以上で津上仁志議員の質問は終わりました。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 次に、世田谷立憲民主党・社民党を代表して、三十六番藤井まな議員。    〔三十六番藤井まな議員登壇〕(拍手) ◆三十六番(藤井まな 議員) まず、来年度の区政運営について質問いたします。  初めに、任期は四カ月残されておりますが、区長はこの四年間をどのように総括し、やり残したことなどはありますでしょうか。それは、来年の区政運営にどのような影響があるでしょうか。また、区長は先ほどの招集挨拶の中で、九十万区民とともに次代を切り開き、引き続き九十万都市にふさわしい都市経営に引き上げて、区政を展開する決意だと述べておられましたが、来年の四月の区長選挙には出馬されるという御意思であるということでよろしいでしょうか。お伺いをいたします。  世田谷区は、今年度も来年度も人口増加が見込まれ、さまざまな問題に対処するために、需要は増加傾向にあります。それに引きかえ、ふるさと納税や総務省が消費税東京都配分を大幅に引き下げたために、三十年度の一般会計は前年度から微増という状況でした。  国は、地方におもねり、税の配分を地方に厚くしようとしています。税収のあり方を東京対地方の戦いという構図にすることへの大きな疑問を感じます。区長はリーダーシップを持って、本来の予算を確保するように、毅然と政府に意見をするべきだと思います。お考え方をお伺いいたします。  国は、来年十月の消費税率引き上げに伴い、プレミアム商品券発行について議論を行っています。ゼロ歳から二歳の子どもを持つ世帯と、住民税非課税世帯に発売を限定する方向で調整に入ったという記事も見られます。お金に余裕がある人が上限分目いっぱい買えるわけではない制度であることについては受け入れられる要素もありますが、マスコミの報道では五六%が反対をしているという調査もあり、これがプレミアム商品券に対する民意だと見ることもできます。それでも国が行うということであれば、区は独自に効果の検証を行うべきと考えます。また、我が会派は、従来から世田谷区のプレミアム商品券の見直しを求めてまいりました。来年度の世田谷区のプレミアム商品券は見直されるのか、区の検討状況をお伺いいたします。  道路の建設の方向性についても質問いたします。  ことしの区議会の議論の中にも、船橋恵泉付近の道路整備に関する話題が多く出され、世田谷区は、行政代執行の可能性も排除せずと答弁をしています。全国を見渡してみると、少ないながらも行政代執行の事例を確認することができます。有名な事例では、直前で店主が退去したために実行こそ行われませんでしたが、大阪の公道で営業していた店舗に対して宣言された事例や、福岡県では高速道路の建設のためにミカン農園を収用したことなどが挙げられます。しかし、いまだにそこに住んで暮らしている人がいる建物に対して行政代執行が行われたという事例は存在しません。  世田谷区は、船橋恵泉付近の道路整備事業の問題も含めて、道路建設に対してはより丁寧な対応を行い、根気よく説明をしていく体制の継続をすべきと考えますが、区の考え方をお伺いいたします。  子どもの支援について質問をいたします。  先日の福祉保健常任委員会で、児童相談所設置に向けた政令指定の要請を来年三月に行う用意が整ったという報告がありました。いよいよ世田谷区は、児童相談所の運営準備が整ったことを内外に示すことになります。  その運営にかかわる予算に関してですが、毎年、この時期から二月までに、都区財政調整の検討会議が行われます。都区協議会では、知事と特別区長会の代表が話し合いを行うことになりますが、区長は会長の荒川区長など区側委員に、児相に関する予算は普通交付金で算定されるべきだと意見するように促すことが大切と考えます。荒川区は、世田谷区と同じ先行三区の一つでありますから理解はしていると思いますが、改めて意思の統一を図っていただきたいと思います。  また、副区長会が担当する都区財政調整会議にも、残念ながら世田谷区の宮崎副区長は区側委員としては参加されていないですから、その他の区側委員に対して働きかけを強化していただきたいと思います。  最後に、課長レベルの都区財政調整協議会幹事会では、世田谷区の松永財政制度担当参事が副幹事長として東京都の総務局と直接交渉を担当することと思います。松永参事には、都総務局に財源を確保できるように交渉していただくことを要望しておきます。  以上、児童相談所運営予算獲得に向けた都区協議会への考え方をお伺いいたします。  そして、児童相談所が移管されることにより、区はより多くの分野を担当していくことになります。その一つが里親と里子の分野です。先日の福祉保健常任委員会では、世田谷区に里親さんは三十一組あると報告がありました。私は、落選中の秘書時代に、フォスターケアアライアンスの皆さんと知り合いになることができ、里子の方のお話を聞いて、今でも交流のある方がいらっしゃいます。当時は、世田谷区とは関係ない仕組みの中の話だと捉えてきましたが、先日、北沢タウンホールで開かれた児童虐待防止推進講演会を聞きに伺い、世田谷区もこれからは責任を持って取り組まなければいけない分野の一つになるのだなと実感をいたしました。会場は満員であり、世田谷区民や里親里子の関係者の思いを感じることができました。里子経験者の方のお話や海外の里親里子の話も交えて興味深い内容が多く、海外ではドラマやセレブから一般家庭まで当たり前のことが、日本では特別なことであるという発言などは考えさせられる内容でした。  この質問をするに当たり、世田谷区にお住まいの里親さんもかかわるモッキンバードファミリーを紹介した講演会や、今の里親制度に警鐘を鳴らしている児童養護施設の施設長さんの講演会も聞いてきました。結果、現在の日本の里親制度には文化の違いだけではない大きな問題点があることもはっきり見えてきました。そういった問題解決に取り組むことも大事ですが、まず、里子さんが疎外感や差別を感じないように、里親里子の制度にもっと理解を持ってもらうことこそ重要だと感じました。
     児相移管後は、里親の認定作業も世田谷区が行うことになります。世田谷区は里親が圧倒的に少ない状況であり、制度の理解を進めて、里親が少ない状況を変えていく準備をすべきだと思います。区の考え方をお伺いいたします。  保育について質問いたします。  待機児童解消に向けて、さらなる取り組みを進めていかなければならない現状ですが、世田谷区は、事業者選定を慎重に行い、開園後も指導育成支援を行うなど、保育の質を大事にしており、評価いたします。その一方で、区が直接関与できない企業主導型保育は多くの問題を抱えており、補助金目当ての詐欺まがいの悪質な事業者もいると報道をされています。  特に、先日の上北沢で起こった事件は、企業主導型保育に関しては世田谷区全体で議論していく必要があると多くの方が感じた事件ではなかったでしょうか。世田谷区に権限が何もない企業主導型保育は、欠陥の多い保育政策であると感じます。本来は、今ある企業が保育を行うというスタンスを目的につくられた制度でありましたが、保育環境をつくってから企業に売るという補助金目当てで制度の趣旨から逸脱した企業や、複数の企業と契約して保育を行うという、趣旨とは違う保育園もあります。  保育の質も認可保育園とは大きな格差があり、安全も疑問視されています。行政側の体制は、内閣府が補助を出し、児童育成協会が審査、監督、研修を行います。児童育成協会に取材をいたしましたが、他団体も手を挙げる中、健全な競争を勝ち抜いて内閣府に指名され、十分な体制を整えていると言っておられました。  しかし、全国に二千五百以上の企業主導型保育があり、審査部門は四十二名、指導監督研修部門は十八名で運営しており、トラブルに対応する人たちは三人体制ということです。本当に十分な体制であるか疑問です。さらに言えば、不安定な保育になりがちであり、認可保育よりも丁寧な監督指導を行う必要がありますが、直接の指導監督は外部委託業者が行っています。ちなみに、その外部委託業者は人材派遣会社ですから、結果的には孫請会社が保育指導をすることになります。  今回の事件で、世田谷区に休園連絡が入ったのは三日前であり、区の保育部門の皆さんは受け入れ先の調査など、大変な思いをされたことと思います。そして何よりも、そこにいた子どもたちや保護者が日常生活を送れなくなるという状況になってしまいました。  私は、十一月十三日の福祉保健常任委員会で、世田谷区は早急に内閣府に抗議すべきだと意見しました。世田谷区は十一月十九日に要望書を持って内閣府に行ったと聞いておりますが、どのように意見したのでしょうか。また、今後はどのような対応をしていくのかお伺いをいたします。  現在の制度では、基礎自治体に対して事前に設立情報も運営情報も流さない状況です。トラブルが発生したときだけは基礎自治体に対して負担が重くのしかかる制度は、変えていく必要があるのではないでしょうか。  二〇二〇年に児童相談所が移管されれば、指導権限がおりてくるとも言われておりますが、現時点で世田谷区内に十九の企業主導型保育があるわけですから、今すぐにでも意見交換の場を設置し、連携できるような体制をつくることを提言いたします。区の考え方をお伺いいたします。  次に、世田谷区の福祉に関して質問いたします。  梅ヶ丘拠点整備事業のスタートが近づいてまいりました。先日の委員会では、障害者入所施設の入所者が決まったと報告されました。入所に至らなかった区民の方には、より丁寧な説明と対応を求めます。さらには、今後、通所施設などの利用者も決定していくことと思いますが、基本的には総合福祉センターを利用していた全ての利用者の希望がかなうと聞いていますが、その認識でよろしいか、そして、もし利用者がキャパシティーを超える状況になったときに、区はどのような対応を行うのか、お伺いをいたします。  地域包括ケアについてお伺いいたします。  本格実施から一年以上がたち、区は課題をどのように捉えているのでしょうか。我が会派としては、これまで精神障害や中高年のひきこもりなど、さまざまな分野において相談体制が十分でないのではないかと質問をしてきました。精神障害の相談先も、地域障害者相談センターと福祉の相談窓口と二通りあり、しっかりと機能しているか気になるところであります。  世田谷区は、これらの相談体制が十分だと考えているのか。仮に不足しているとするならば、来年度はどのような取り組みで体制の充実を図るか、お伺いをいたします。  障害者の親亡きあと対策についてお伺いをいたします。  後見の制度も変わり、徐々に親亡きあと対策が進んでいますが、区は今後、どういった方針で対応していくのかお伺いいたします。  いまだに制度にさまざまな問題があり、例えば、親亡き後、高齢になり病気や大きなけがをして入院した場合、入所施設は入院期間が三カ月たつと退所させられてしまいます。親亡き後の入院と入所の問題は生活の根幹にかかわる問題となります。世田谷区はこういった制度をどのように捉え、どのように対処していくかお伺いをいたします。  次に、オリンピック・パラリンピックについて質問いたします。  二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを実りあるものにするためには、パラリンピックの理解を進めることが大事なのは言うまでもありません。パラリンピックに向けて共生社会、ダイバーシティーの観点から質問いたします。  ボッチャも大事ですが、ボッチャや馬事公苑で開催される障害馬術を含め、多くの競技を総合的に周知徹底することが大事だと意見してまいりました。その結果、区が満遍なく周知を行っていく方向に変わったことは評価をいたします。誰もが取り組めるスポーツがあるということを周知することが共生社会をつくることにつながります。  先日、シッティングバレーの日本代表の方から講習を受けてきましたが、ボッチャと同じように健常者も一緒になって楽しめるスポーツでした。パラスポーツは多くの種目で障害者と健常者が一緒になって楽しめることを改めて実感いたしました。より多くの可能性が広がる工夫に取り組んでいただきたいと思いますが、区の考え方をお伺いいたします。  オリンピック・パラリンピックが近づくにつれ、訪日観光客がふえてくることが予想されます。文化の数だけ食文化があり、さまざまな食文化に目を向ける必要があります。  中には、伝統や宗教、体質などさまざまな理由で特定のお店を選ばなければならない食文化もあります。代表的なのは、ベジタリアンの文化やハラール認証などムスリムの文化です。多文化共生を目指す世田谷区は、区内の情報を把握し、さらには世田谷に来る人々が調べられるようにしておくことが重要です。世田谷区には、ハラール認証の有名なお店も多数あります。これは、オリンピック・パラリンピックが終了した後にレガシーとして残るものになります。区の考え方をお伺いいたします。  次に、公契約条例についてお伺いをいたします。  平成二十九年四月の時点で最低賃金は九百三十二円でした。先月から最低賃金は九百八十五円となり、来年には千円を超えることは確実なこととなりました。一方で、世田谷区は平成二十九年四月の時点で、業務委託費の労働報酬下限額は千二十円でした。今は幾らでしょうか。現在も千二十円のままです。最低賃金が五十三円も上がっているのに据え置かれている現状を、どのように区は捉えているのでしょうか。  今、ここで区長は労働報酬下限額を適正化委員会の提言どおり千七十円にすると宣言をすべきです。四月から実施するにはもう時間がありません。答弁を求めます。  教育についてお伺いをいたします。  我が会派では、教科「日本語」は廃止し、租税教育や年金教育、シチズンシップ教育など、実社会教育をもっと取り入れるべきだと提言してきましたが、きょうはさらなる提言を行います。  先日の総合教育会議では、SDGsがテーマになったと聞いておりますが、具体的に小中学校の授業で取り組んでいくべきと考えます。二〇三〇年に向けた持続可能な開発目標がSDGsです。その精神は、誰一人取り残さない、人間の尊厳にこそ基本的な価値があることを認識し、全ての目標とターゲットが、全ての国、人々、そして社会のあらゆる要素において実現することであり、最も遠くに取り残されている人々にこそ、第一に手が届くように、最大限の努力を行うこととされています。百九十三の国が承認し、当然、日本国政府も承認しています。  しかし、現政権は、このSDGsを成長戦略、科学技術イノベーションの戦略に活用を宣言し、貧困、格差のない持続可能な世界と日本という視点が弱いと感じます。円卓会議など、マルチステークホルダー・プロセスは形骸化の傾向にあります。貧困、格差のない持続可能な日本と世界を目指す取り組みや環境問題などの幅広い視野を理解することこそが、真にSDGsを理解し実践することだと考えます。  今の小学四年生が二十歳になるのが二〇三〇年です。子どもたちに大局的な見地を持ってもらうためにも、今の子どもたちにこそ、この取り組みを知ってもらう必要があります。世界の人口が爆発することを懸念されてつくられた目標ですが、先進国でも人口増加から最も速いスピードで人口減少が起こる日本だからこそ、その時代の子どもたちは世界の価値観を共有する必要があるのではないでしょうか。  そもそも教育分野では、二〇〇二年にESDという持続可能な開発目標のための教育が定められており、SDGsはそのゴールを明示されています。ゴールを目指す姿を子どもたちに教えることが重要ではないでしょうか。地域規模、国規模、地球規模、それぞれの問題を体系化し、教育の現場に取り入れている自治体も見られるようになりました。経済面を中心に推し進めている国のやり方も否定されるものではありませんが、SDGsを教育の現場にこそ取り入れる必要があると思いますが、区教育委員会はどのように考えておられるのでしょうかお伺いをいたします。  いじめ対策についてお伺いいたします。  文科省の調査の結果、いじめ、不登校は全国的にふえています。私たちはいじめ対策についてさまざまな提案をしてきましたが、世田谷区は、Q―U調査やいじめ防止プログラムに取り組んできたことは評価をいたします。いじめられている子どもたちの心に寄り添い、心理的ケアに最も力を入れることが最優先であり、大前提ではありますが、傍観者に着目した取り組みやいじめ加害者側の心理を理解することも重要であると考えます。区立中学校では、以前よりいじめ対策に取り組んでいますが、小学校への取り組みを強化するべきではないかと思います。区教育委員会の考え方をお伺いいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 藤井議員にお答えをいたします。  来年度の区政運営ということに対して、まずは冒頭、この四年間を振り返ってなしたこと、課題ということを御質問いただきました。  まずは、都区制度改革に深く関連をいたしまして、児童相談所の開設。招集挨拶でも触れたように、道筋をつけてきたこと、そして課題としては、今後、本格的な自治権拡充に向けた都区制度改革に臨んでいく。  二つ目に、保育園整備、待機児童解消で総力を挙げて、地域によってはまだ待機児童は残っていますけれども、地域によっては解消地域というのも出てきている。今後の課題といたしましては、幼児教育、保育としっかりつなげた教育の基盤、この質的な向上が課題であります。また、福祉分野では二十七カ所の福祉の相談窓口を二年前から展開をし、招集挨拶で述べたように今後の課題になるのですが、住民の自発的な自治、そして社会的な事業、これはNPO、あるいは社会的な事業活動、ソーシャルビジネスなどの基盤をつくっていく。以上のように考えております。  来年春の態度についてお尋ねをいただきましたが、先ほど述べたように、引き続き区政を担う重責を貫いていく決意でございます。  さらに、財政の問題に触れてまいります。  ふるさと納税や法人住民税の国税化、地方消費税の配分見直しなど、国の不合理な税制改正による百億円に上る減収は、大変深刻な問題となっております。到底、看過できる状況ではありません。世田谷区のみならず、特別区全体の問題であり、区長会といたしまして、国への働きかけを強めています。ことし七月には、この要望を総務大臣に提出し、幼児教育無償化の国の責任による財源確保についても、総務大臣及び内閣府特命大臣について要望を行いました。  また、ふるさと納税につきましても、区長会として、昨年三月、総務大臣に対してふるさと納税に対する要望を提出し、返礼品見直しに係る総務大臣通知の発出につながるなど、一定の成果は得たものと考えております。引き続き特別区一丸となって、地域間の税収格差については都市部の税源を吸い上げるのではなくて、国の責任において地方財源を拡充すべきであることを国に対して断固主張してまいります。今後は、区議会各会派議員の皆様、そして幅広い区民の皆様とともに税源収奪を許すなと声を上げてまいりたいと思います。  次に、企業主導型保育事業について御質問いただきました。  この企業主導型保育事業は、待機児対策イコール規制緩和との考えも色濃く、自治体を関与させないというところに制度的な特徴がございます。区内の施設には、開設から一年もたたずに休園となった保育園や事業の継続が困難となっている保育園、地域の需給バランスを世田谷区として把握し、公開しているわけですが、こちらをしっかり見ることなく開設し、児童の確保が難しい保育園などが出てきております。  そこで、十九日に内閣府に赴きまして、政策統括官が応対しましたが、国に対して四点の要望を行ってまいりました。  一点目は、開設に当たって自治体の関与の強化を望みたいということであります。でき上がってしまう前に、しっかり世田谷区の保育の質、もう一点は財務体制、こういったことに対してしっかり審査をすること。  二点目に、整備時の審査方法。これは今言ったことと絡みますが、現在は、この企業主導型保育の中で、企業が事業所内に設置する場合の企業主導型保育、これは余り問題は出ておりません。責任主体がはっきりしております。ところが、保育事業者が、保育園を使いたい人はいらっしゃいませんかということで応募をされてくる、希望されてくる保護者に対して、あなたの職場は厚生年金に加入されていますかと言って、加入していますと言うと、じゃ、この紙にサインをもらってきてくださいということで、これは契約企業になってしまうという、一つの保育園で二十を超える企業との同時契約というところでは、責任主体に、なかなかそういった自覚が企業にあるかというと、ないということになり、責任の所在が非常に不透明であるということがございます。  したがって、そういった企業主導型保育の中で、とりわけ保育事業者が設置するところの財務体質の点検、これを持続可能かどうかということはしっかり見ないと、今後、今回のようなことが大変心配されるということを申し上げます。  三点目は、今回のように突然休園した。しかしながら、保護者、そして、子どもにどのような保育の場があるのかについては白紙であるということに対して、実はスキームがないんです。したがって、自治体の関与はないとされたこの制度の中で、最終的に休園ということに対して駆け回るのは自治体、あるいはその保護者が問い合わせてくるのは区の窓口ということになるので、このスキームはやっぱり早急に立ち上げるべきだということを申し上げます。  翌日、この内閣府特命大臣、宮腰大臣が、今回の私どもの要望内容を含んだ保育の質の確保や事業の継続性、指導監督のあり方などを検証する有識者会議を設置したいんだと言って、年内に初会合を開くという旨の記者発表をされました。区としては、さらに拡大が見込まれる企業主導型保育事業の課題を早期に解決するため、こちらの有識者会議がどんなメンバーでどのような論点で検討されるのか注視する一方で、現在もまた、かなり多数の企業主導型保育の申請がなされていると聞いております。国としては、現在の倍にしていくということなので、かなり加速をしているわけであります。そういう意味で、今回の申し入れは世田谷区のみならず、全国の自治体関係者も強い関心を持って見ておりますので、しっかり意見を言うだけではなくて、子どもたちにとって安心できる保育の制度により近づける努力を続けてまいります。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、二点について御答弁申し上げます。  最初に、児童相談所移管に向けまして財調協議に臨む姿勢でございます。  東京都と特別区の都区財政調整に係る協議の流れでございますが、区長会の下命を受けまして、財政課長会が中心となり、区側の提案事項案を調整し、区長会の了承を受けて、特別区側の提案事項として固まります。その後、年末から年明けにかけまして、実務レベルでの協議等を行いまして、最終的には二月上旬に行われます地方自治法で規定された都知事と区長会の代表による都区協議会におきまして結論を得る、こういう流れでございます。  来月より、実務レベルでの具体的な協議が始まるところでございますが、児童相談所関連経費に関しましては、政令の定めにより、特別区が児童相談所を設置した場合の関連経費につきましては、都区財調の普通交付金として算定されるべきであること、児童相談所関連事務が都から区へ移管される役割分担の変更であり、規模に応じまして都区財調の配分割合の変更をすべきこと、また、当面発生する準備経費につきましては特別交付金で全額算定すること、こうした方針のもと、協議に臨んでまいります。  次に、業務委託の労働報酬下限額についてでございます。  来年度の労働報酬下限額に関しましては、公契約適正化委員会の労働報酬専門部会で御議論いただきまして、八月三十一日付で意見書をお受けしております。その中では、委託契約等につきまして、今年度の下限額が据え置かれたこと、また、東京都の最低賃金の引き上げ状況等も参考に一千二十円から一千七十円に改定するという御意見等をいただいております。  区といたしましては、労働報酬下限額について、今年度、据え置かなければならなかった状況に鑑みまして、提出された意見の内容を一層重く受けとめなければならないと痛感しております。  現在、来年度の予算編成作業を行っておりまして、区の財政状況、区内の事業者や労働者の環境も踏まえまして、できる限り早期に結論を出したいと考えております。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、プレミアム商品券の検討状況について御答弁申し上げます。  プレミアム商品券事業につきましては、区内消費の拡大、地域経済の活性化に寄与することを目的として実施してまいりましたが、この間、区議会からも効果の検証、公平性の確保、福祉的配慮など、さまざまな観点から御指摘をいただき、本年度につきましては福祉的配慮からの優先枠の見直しをするとともに、アンケート調査などにより効果の検証を進めているところです。  来年度は、消費税の増税が予定されております。平成二十六年度に消費税が八%に上がった際には、政府の消費動向調査では、家計の消費が落ち込み、なかなか回復に至らなかったとの分析もあり、区としても消費者への配慮や中小事業者保護の観点から対策を講じる必要があると考えております。  こうしたことから、プレミアム商品券事業につきましても、従来の目的に加え、消費者への配慮や区内中小事業者の保護の観点も、その目的として十分に踏まえ、現在、国で検討されている低所得者や子育て世代に対するプレミアム商品券発行事業など、経済対策とあわせながら、来年度の制度設計を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。    〔堀教育長登壇〕 ◎堀 教育長 教育について、SDGsを教育へという御質問をいただきました。御答弁申し上げます。  教育委員会では、今年度、SDGs、持続可能な開発目標の概要について、校長や教務主任等を対象に周知してまいりました。また、十月に行われた教育推進会議でも、都立高校で専門的に実践している教員によるSDGsの授業のワークショップを実施したところです。また、SDGsの目標を達成するための有効な手法であるESD、持続可能な開発のための教育についても、現在、小学校一校、中学校三校のユネスコスクールを中心に推進しております。  SDGsの十七ある目標の一つである教育は、ほかの全ての目標を支える大変重要な位置づけだと捉えております。この考え方に立ち、今後、SDGsとESDを一体とした授業のあり方、教員への効果的な研修、さらにはSDGsの実践校を指定しての研究の推進など、御質問いただいたように、SDGsを小中学校の教育の中に具体的に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎久末 経済産業部長 私からは、二点御答弁申し上げます。  初めに、国のプレミアムつき商品券についても効果検証をすべきという御質問にお答えいたします。  国では、来年十月の消費税増税に向けた経済対策としてプレミアムつき商品券の発行を検討していると聞いております。区といたしましては、従来より、プレミアムつき商品券の発行にあわせて、毎年、工夫を加えながら実施してきた利用者アンケート調査を継続するとともに、国のプレミアムつき商品券についても、その効果検証について実施を検討してまいりたいと考えております。  次に、海外からの来訪者に対し、食文化の情報の提供の必要性について御答弁申し上げます。  東京二〇二〇大会を契機として、海外からの来訪者増が見込まれておりますが、宗教上の理由による食の習慣がある方や、ベジタリアン、ビーガン、素食家といった多様な食への志向がある方も多く来訪されることが予想されます。  区では、今年度、主に飲食店や小売店を対象に外国人観光客おもてなしセミナーを開催し、旅行客の受け入れに当たっての多様な食習慣への理解や、メニューの表示方法などについて理解促進を図ったところです。区内には、イスラム教のハラール対応をうたっている店舗や、ベジタリアンに対応したメニューを提供する店舗があることは承知しておりますが、現在のところ、区として情報の収集や発信などは行っておりません。  議員御提案の取り組みにつきましては、観光客誘致だけではなく、区民や在留外国人にとっても暮らしやすい環境づくりに役立つレガシーとなるものと考えられます。ハラールの認証機関ごとで考え方に違いがあることや、ベジタリアンなども公的な定義が存在しないこともあり、情報の的確性の確保などに課題がありますが、他自治体の事例も参考にフードマップの作成などを含め、情報収集や提供について検討してまいります。  以上でございます。 ◎小山 道路・交通政策部長 私からは、船橋恵泉付近の道路整備事業について御答弁申し上げます。  主要生活道路一〇六号、恵泉付近の道路事業における未開通区間につきましては、土地収用法に基づく明け渡し裁決の期限が過ぎておりますが、いまだ相手方には移転していただけておりません。現在、相手方とは訴訟中ではございますが、区としては粘り強く交渉、面談を行い、裁決内容の遵守、合意に基づく自主的な移転をしていただけるよう、接触しているところでございます。行政代執行につきましては、あくまで相手方との合意を目指す中での最終手段と認識しており、本件につきましては合意に基づく解決が何より望ましいことから、引き続き、粘り強く働きかけてまいります。  以上です。 ◎澁田 子ども・若者部長 私からは、里親制度について区民にも理解してもらえるよう取り組むべきという御質問にお答えいたします。  区は、家庭養育を優先した社会的養護の充実に向け、里親制度の普及促進を図ることとしております。こうした取り組みを進めるためには、周囲の温かい理解のもと、子どもが伸び伸びと自分らしく尊重されて育つ環境づくりを同時に進める必要があると認識しております。  この間におきましては、児童相談所の開設を見据えた早期からの取り組みが重要であることから、啓発活動を初め、里親会や地域で活動されている民生・児童委員、子育て支援団体の方々との意見交換などを実施してまいりました。その中で、里親家庭の理解と支援を推進するためのヒントといたしまして、地域の子育て支援を担う皆様から、実際に里親家庭との触れ合い、知っていただくことが必要であるとの御提案をいただいております。  こうした声も積極的に取り入れながら、区ならではの地域力の活用という視点を生かし、地域全体に里親家庭への理解が広がるよう、取り組みを進めてまいります。  以上でございます。 ◎知久 保育担当部長 私からは、区内の企業主導型保育事業の情報を収集し、連携できる体制をつくるべきとの質問に御答弁いたします。  区内の企業主導型保育施設は、児童育成協会から東京都を通じて情報を受けており、休園している一施設を除き、現在運営している施設が十九施設、定員は三百九十名、そのうち地域枠が約百二十名となっております。  また、世田谷区が国に対して要望しておりました企業主導型保育施設の利用者情報に関しましては、今年度から、地域枠の利用者のうち、保護者の同意を得た方の情報を御提供いただいたところです。企業主導型保育施設の利用者は、待機児童数から除外できるなど、区の待機児童対策にも影響することから、今年度、ごく一部に限られていた利用者情報のさらなる提供について、引き続き国に協力を求めてまいります。  また、現在、区では、児童相談所の設置に伴う認可外保育施設の指導権限の移管も見据え、指導権限のある東京都と一緒に企業主導型保育施設に赴き、保育士の配置、保育の内容等、施設の運営状況の確認にも努めております。  今後は、企業主導型保育事業者に対し、ホームページなど、区の情報媒体への施設情報の掲載の働きかけや、御提案のございました施設との意見交換会の場を設けるなど、顔の見える関係づくりに努めてまいります。  以上です。 ◎松本 障害福祉担当部長 私からは、障害者福祉につきまして二点の御質問にお答えをいたします。  まず、梅ヶ丘拠点の民間施設への利用者の移行についてでございます。  総合福祉センターは、今年度末をもって廃止をし、その機能や業務を区立保健センターと梅ヶ丘拠点の民間施設棟の障害者施設などに移行することとしております。梅ヶ丘拠点の民間施設棟に移行する事業は、児童発達支援事業と成人の自立訓練としており、利用を希望される方は全員移行できることとしております。あわせまして、自立訓練については高次脳機能障害などによるニーズが高まっていることから、定員増を図ることとしております。また、新たに利用を希望される方については、現在の利用者の移行を優先して行い、その後、新たな利用者の受け入れ調整を行うこととしております。  移行に向けては、本年七月に区と総合福祉センター、民間施設棟障害者施設の運営法人が合同で児童を対象に六回、成人対象に三回の説明会を開催し、その後、総合福祉センターから個々の方の移行希望を順次確認をしております。移行を希望される方には、十二月から障害者施設の運営法人が個別面談を実施しまして、丁寧な状況把握を行いながら、円滑な移行を図ることとしております。
     区といたしましては、法人の準備状況を細かく確認するとともに、総合福祉センターとも連携し、円滑な移行に向け支援を行ってまいります。  続きまして、いわゆる親亡きあと対策の考え方並びに施設入所者の入院時の対応についてでございます。  障害者の生活支援に当たっては、個々の方の心身の状況や家族環境、御本人の意思などを踏まえた対応を基本としており、介助等を行ってこられた親御さんが亡くなり、生活環境に変化が生じた場合にも、施設利用や障害福祉サービスの利用など、状況を踏まえた丁寧な支援を行うこととしております。  お話しの障害者施設に入所中の方が入院となった場合でございますけれども、入所の契約書には、三カ月を超える入院となった場合は退所いただく旨を記載している例が多いと聞いております。その理由といたしましては障害者総合支援法の入院・外泊時加算が最長九十日であることが考えられます。長期の入院となった場合の対応でございますが、施設入所者についても総合支所の保健福祉課が入所後の状況をモニタリングするとともに、必要に応じ、施設や相談支援事業所等と対応の協議を行っております。そのため、病院から施設に戻れる状態と判断した方は、施設と調整し、もとの施設の利用につなげる場合もございます。また、もとの施設の利用が難しい場合には、他の障害者施設や介護保険施設などの利用につなげる場合もございます。  いずれのケースでも基本的にはそれぞれの状況に応じた対応となりますので、今後も総合支所や関係機関とも連携しまして、きめ細かい対応に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 ◎板谷 保健福祉部長 私からは、地域包括ケアについてお答えをいたします。  区では、平成二十六年度に策定した地域保健医療福祉総合計画に基づき、地域包括ケアシステムの基盤整備を積極的に推進するとともに、身近な地区での福祉の相談窓口の充実と、地区の課題を地区で解決する参加と協働による地域づくりに取り組む地域包括ケアの地区展開を進めております。  福祉の相談窓口の平成二十九年度実績を見ますと、高齢者以外の相談千五百八十八件のうち、精神障害やメンタルヘルスに関する相談が七百六十四件で、約四八%を占めており、潜在化しがちであったひきこもりに関する相談も五十六件あるなど、精神福祉分野の相談支援体制の強化が課題であると認識をしております。  こうした課題認識のもと、来年度から、地域障害者相談支援センターにおいて、相談支援に当たる人員を拡充して、精神保健福祉士の配置を必須とすることにより、相談支援体制の強化を図るとともに福祉の相談窓口との連携強化を進めてまいります。ひきこもりに関しましては、国が今年度、四十歳から六十四歳のひきこもりの方の全国調査を実施し、支援策を検討するとしております。その調査結果や支援策を踏まえ、区としての支援のあり方を検討してまいります。  以上でございます。 ◎内田 スポーツ推進部長 私からは、障害者スポーツの取り組みにつきまして御答弁いたします。  区は、東京二〇二〇パラリンピックを、障害者スポーツを大きく推進させる最大の好機と捉え、スポーツ推進計画後期年次計画において、障害者スポーツの推進を新たなテーマとして設定し、障害者自身のスポーツ実施、障害のある人とない人の交流による障害理解の促進、パラリンピックの機運醸成を生かした障害者スポーツの推進を三つの柱としております。  これまで、障害者スポーツ体験会を通じて、障害のある人とない人の交流を促進するとともに、障害者スポーツを支える人材の育成や障害者スポーツ用具の貸し出し、オリパラ推進校へのアスリート講師の派遣などを実施してまいりました。今後、年齢や障害の有無を問わず実施が可能なボッチャの取り組みの拡充を初め、パラリンピック種目の中でこれまで実施していない、例えばパラのバトミントンやシッティングバレー等の体験会の実施など、新たな種目を取り入れ、幅広く障害者スポーツを推進してまいります。  区といたしましては、共生社会の実現を目指し、より多くの区民に障害者スポーツに触れる機会と場を提供するとともに、スポーツ、レクリエーションを通じて障害のある人とない人の交流が促進されるよう、さらに取り組みを進めてまいります。  以上でございます。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、いじめ対策について御答弁をさせていただきます。  各学校におきましては、毎年、いじめ防止基本方針を策定するとともに、いじめ対策委員会における迅速な対応など、いじめを受けた子どもを守ることを中心に据えた体制を整えております。また、加害の子どもに対しても、状況に応じてスクールカウンセラーと連携し、学習や発達、生活環境などを含め、いじめの行為に至るさまざまな背景を把握しながら指導を行っております。  こうした取り組みを基本とした上で、いじめ問題の解決においては傍観者の存在が重要であるという点に着目し、平成二十七年度より、中学校においていじめ防止プログラムを実施しております。子どもたちは、いじめは絶対に許されないことを理解するとともに、加害者の気持ちなどにも関心を向け、スクールバディーとして自主的に行動する取り組みを進めております。また、小学校におきましても、フィンランドのKiVaプログラムを初めとした先進的な取り組みを参考にして、傍観者の存在に着眼し、話し合いなどを通じていじめについて考え、行動できるようにするプログラムを新たに開発し、来年度から全小学校での展開を予定しております。  今後とも、いじめの被害者や加害者、傍観者の視点を踏まえ、早期発見、早期対応に努め、全ての子どもたちにとって安心安全な教育環境づくりを進めてまいります。  以上でございます。 ◆三十六番(藤井まな 議員) 再質問、まず一つ目、宮崎副区長にお伺いをいたしますけれども、また今回も公契約条例の労働報酬下限額の引き上げの決断時期について明言をいただけなかったんですが、できるだけ早い時期に決断をされるというのは具体的にいつなのかということを、もう一度再質問をさせていただきます。  そしてあと、企業主導型保育。先ほど、きのう出た東洋経済の記事を読んでいましたけれども、先ほどの区長の答弁だと、企業の財務体制をもっとはっきりさせる、精査する必要があると話をされていましたけれども、本当に、不正に補助金を搾取しているような企業がたくさんあるということが大きな話題になっていますから、もちろん、財務体制もしっかり精査することも大事ですし、その担う事業者というのが、本当に保育を担う事業者として適正かというところもしっかりと見きわめていかなきゃいけないということが、今回の報道ではっきりしたんじゃないかなと思います。そういった意見も内閣府であったり、児童育成協会であったり、東京都にはお伝えをしていただきたいところであります。  そして、先ほど、引き続き区政運営を担っていくという御答弁で、私は来年の四月に区長が出馬をされるというふうに受け取ったんですけれども、ちょっとはっきり物を言っていないんじゃないかみたいな外野からの声も聞こえたので、もう一度区長に来年の四月には出馬をされるというような発言をしていただきたいなと思うんですけれども、以上、副区長と区長に一点ずつ再質問を行います。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再質問にお答えします。  丁寧に答えたつもりだったんですけれども、結論から言えば、まだ途上の課題があります。任期は来春、終了いたしますが、その後については、引き続き区政の重責を担っていく決意でございます。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 再質問にお答えいたします。  労働報酬下限額の件でございますけれども、先ほど申しましたように、現時点で予算編成作業をしておりますので、なるべく早く、来月の段階では、一応、区の今の予算編成のやり方ですと、原案というものをお示しするタイミングが来ますので、なるべく早く、その段階ぐらいまでにはお示しができればと思っております。  今の財政状況の中で、いろいろ国のほうの動きもございまして、まだまだ編成の途中過程であるということを御理解いただきたいんですが、この労働報酬下限額の扱いにつきましては、区といたしましては先ほど経過を申し上げたとおり、最優先課題だと思っておりますが、その一つだということで私どもとしては捉えているという状況でございます。  以上でございます。 ◆三十六番(藤井まな 議員) 労働報酬下限額を上げるか、そのままにするかという決断は来月にされるということを私は今受け取りました。  そして、区長の答弁から、来年の四月に出馬されるんだということをはっきり確認をいたしました。納得いたしました。  以上で質問を終わります。 ○三井みほこ 議長 以上で藤井まな議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時二十分休憩    ──────────────────     午後五時三十分開議 ○三井みほこ 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 代表質問を続けます。  日本共産党を代表して、三十四番たかじょう訓子議員。    〔三十四番たかじょう訓子議員登壇〕(拍手) ◆三十四番(たかじょう訓子 議員) 日本共産党区議団を代表して質問します。  初めに、消費税増税について質問します。  安倍政権は、来年十月に消費税を一〇%に引き上げようとしていますが、さらなる増税が暮らしや経済に大きな打撃となることは明らかです。保坂区長は、第二回定例会で、国民生活にさらなる打撃を与える消費税アップを進めるべきではないと答弁しました。安倍首相は、ポイント還元、プレミアムつき商品券などの景気対策を打ち出していますが、その効果は疑問視されています。景気対策なら増税しないことが一番です。  我が党は、消費税増税を中止する一点での国民的な共同を呼びかけています。富裕層、大企業に対して増税し、応分の負担を求める税制改革こそ必要です。  消費税増税による区内中小業者への影響は看過できません。ある洋品店を営む方は、大型店との価格競争で薄い利益にならざるを得ない。さらに消費税増税で利益を取られてしまう。ある工務店の経営者は、この二年ぐらい仕事が激減した。消費税が増税されたらさらに減るだろう。今、一般の仕事が少ないために公共事業を取り合っている。狭き門で仕事がとれない。今でも経営が困難だ。増税になったらもう商売は続けられない。また、ある事業者の方は、インボイス制度、キャッシュレス導入、全くわからない。結局、事業者の負担がまたふえるということだ。取りやすいところから何でもかんでも取るのかなどの声が寄せられています。  複数税率の導入に伴うインボイス制度は、納税業者が事業所間の取引の際に消費税納税証明を発行するもので、年間の売り上げが一千万円以下の免税業者はインボイスを発行できません。そのために取引から排除されるおそれがあり、納税業者登録をして税と事務処理の大きな負担を背負うか、売り上げの減少や廃業かという選択を迫られています。  私たちは、インボイス制度導入でどれだけの区内免税業者が影響を受けるのか調べました。二十八年度経済センサスによると、区内業者は二万八千五百六十二件、国税庁の統計から二十八年度の消費税納税事業者は二万四千八百四十八件でした。つまり約四千件の事業者への影響があると推測できます。  区長は、消費税をめぐる動向を見ながら、区民生活を守るための必要な対応を検討していきたいと答弁しました。消費税増税に伴うインボイス制度やポイント還元は、区内四千の中小零細企業に大きな打撃となります。これらの影響についての区長の見解を伺います。  次に、保坂区長が目指す今後の区政について質問します。  区長の任期も残すところ五カ月余りです。区長は、招集挨拶で世田谷ならではの政策を一層進め、九十万区民とともに時代を切り開くと決意を述べました。先ほど他会派への答弁もありました。来期に向けて区政を担う意欲を示したものと受けとめています。  日本共産党は、保坂区政の二期八年を暮らしや福祉を優先した区政に踏み出し、進めてきたと評価しています。  第一に、区民の切実な要求に向き合い、誠実に取り組んでいるところです。保育待機児の解消を求める区民の声に応え、保育の質を守りながら、認可保育園を百カ所以上整備しました。子どもの貧困対策を区政の重点課題に位置づけ、就学援助の拡充や給付型奨学金を実現しました。高齢者の介護では、千人分の特養ホーム整備計画を立て、進めています。  第二に、社会保障の改悪など国の悪政から区民の福祉を守る努力をしていることです。安倍政権の二度にわたる生活保護基準の引き下げに対し、区の福祉に連動しないよう、約六十事業の条例や要綱を見直しました。国民健康保険の高過ぎる保険料の問題でも、区長会などの論戦をリードし、国の責任で構造的問題を解決すべきと国に要請しています。  第三に、区政運営の財源を区民への負担増や福祉、サービス切り捨てに求めるのではなく、区政における事業の効率化や、区民の立場で国にさまざまな働きかけを行う中で確保する努力を続けているということです。  区民生活の現状は、子育てや介護の負担、格差と貧困の広がり、自然災害のリスクなど、深刻さが拡大しています。安倍政権が進める年金、医療、介護などの社会保障制度の改悪が区民生活を圧迫しています。住民の命と暮らしを守る自治体の役割はますます重要です。必要な財源確保など、さまざまな課題を乗り越え、今後の区政をどう進めるのか、議論を重ねていきたいと思います。  区長が目指す今後の区政の基本的方向はどう考えるのか、区長の考えを伺います。  次に、新年度予算の課題について質問します。  第一に、就学援助の拡充についてです。  アベノミクスで格差と貧困が広がる中、日本共産党は、子どもの貧困対策として就学援助の拡充を求めてきました。区は、今般、教育費における保護者の負担軽減についてとして、就学援助の対象を大幅に拡大する案を提示しました。  就学援助の所得基準を現行の生活保護基準の一・二四倍から一・四倍に引き上げ、学校給食費についてはさらに高い所得基準を設定するというものです。同時に、申請率を現状の五〇%から七〇%を目指します。大変積極的と評価します。  そこで伺います。  給食費の支給基準を東京都の高校授業料無償化のモデル基準、給与収入約七百六十万円とした根拠は何か伺います。  どのように就学援助の申請率を引き上げていくのか伺います。  また、財源についてどう見通しているのか、区の見解を伺います。  我が党は、就学援助の拡充として、小学校の入学準備金の支給時期を早めること、対象品目を広げること、実態に合わせた支給額の増額などを求めてきました。就学援助の内容の充実についても引き続き取り組むよう求めます。  次に、国民健康保険について質問します。  保険料は、今年度から広域化によりさらに値上げとなりました。保険料の通知を受け、五千八百件もの苦情や問い合わせなどの電話が区役所に殺到しました。  特別区長会、全国知事会などは、加入者の所得が低い国保が他の医療保険より保険料が高く、負担が限界になっていることを国保の構造の問題だとし、国保を持続可能とするためには、被用者保険との格差を縮小するような抜本的な財政基盤の強化が必要と主張しています。  世田谷区に住む給与収入四百万の四人世帯が協会けんぽに加入した場合、保険料の本人負担は十九万八千円ですが、国保加入だと四十二万六千円と二倍以上の格差が生じます。  日本共産党は、国保の構造的危機を打開し、公的医療保険としての国保制度を立て直すための政策を発表しました。政策の一番の柱は、高過ぎる保険料を協会けんぽ並みに引き下げることです。全国知事会は、二〇一四年に国保料を協会けんぽの保険料並みに引き下げるために、一兆円の公費負担増を政府に要請しました。我が党としてもこれに賛同するものです。  区の国保料は、二十三区統一方式で決められており、激変緩和として六年間かけて法定外繰り入れをなくしていく方針です。これは毎年値上げしていく仕組みです。厚労省は、広域化実施後も一般会計の繰り入れは自治体の判断でできる、生活困窮者への自治体独自の軽減は問題ないと答弁しています。これは地方自治体の原則を否定できないからです。  区として、国に対し制度の改正や公費負担を求めると同時に、都や二十三区で保険料を上げないための取り組み、低所得者や多子世帯への軽減を今後も強化して進めるべきです。区独自の軽減も検討すべきです。  今後の国民健康保険に対する区長の基本的姿勢を伺います。  次に、新BOP学童クラブについて伺います。  区は来年五つのモデル校で新BOP学童クラブの運営時間を午後七時十五分まで一時間延長するモデル事業を実施するとしています。しかし、学童クラブでは、非常勤職員の欠員が四十人から五十人あり、欠員状態を放置したままでの保育延長を実施するには無理があります。大規模化、過密化が問題になっている上に欠員もある状態で、職員への負担は大きくなっています。現場の職員に伺うと、子どもの安全を守り、安心して過ごせるよう、職員の努力で何とか回しているということです。子どもの安全と健全な成長を保障するためにも、早急な解決が求められます。  職員に欠員が生じている原因とこれまでの対策について、区の見解を伺います。  また、職員の欠員解消のため、非常勤職員の報酬などの待遇改善や常勤職員の枠を拡大し、体制を整えることが必要です。区の見解を伺います。  次に、学童クラブの質に対する区の姿勢について伺います。  政府が学童クラブの職員の配置や資格の基準を事実上撤廃する方針を示しました。現在の基準は、一教室に二人以上、そのうちの一人は保育士や社会福祉士、都道府県の研修を受けた放課後児童支援員を配置することが従うべき基準となっています。これを参酌すべき基準に変え、自治体は基準に従う義務がなくなるというものです。  保護者からも保育の質の低下につながると不安の声が上がっています。世田谷区は、保育所においては、子どもの最善の利益を守るため、保育の質の維持向上を大切にした整備運営に取り組んでいます。学童クラブにおいても保育の質を守るために、職員の配置や資格などの基準を後退させることなく取り組むことを求めます。  国の基準見直し方針に対する区の見解を伺います。  世田谷区では、子どもの人口がふえ、保育園の定数はこの間倍増されましたが、まだ深刻な保育待機児を抱えた状態です。学童保育の需要も今後ふえ続けることは確実です。子どもの安全、保育の質を守るために、今後、新BOP学童クラブの体制強化を本格的に見直すべきだということを申し述べます。  次に、プレミアム商品券についてです。  プレミアム商品券は、区民生活支援、地域経済の活性化という政策目的が十分果たされていません。購入限度額十万円分まとめて購入する人が六割を占めています。限度額を引き下げるべきです。  大型店中心の利用実態を改めるために、福祉や介護、工務店など広い業種へ広げる見直しを提案してきました。また、国が消費税増税に伴う景気対策として低所得者向けのプレミアム商品券を検討していますが、国が実施する場合、その分、区独自の実施は削減すべきです。  プレミアム商品券の制度見直しの検討状況を伺います。  次に、再生可能エネルギーの導入について質問します。  区はこの間、再生可能エネルギーの普及促進の取り組みを進めてきました。みうら太陽光発電所の設置、太陽光発電事業者への公共施設の屋根貸し事業、自治体間連携による川場村のバイオマス発電などを区民に提供する仕組みなどをつくって進めてきました。長野県の水力発電は、区立保育園の電力に使用されています。こうした取り組みを評価します。  今般、区役所庁舎で再生可能エネルギー一〇〇%の電力を導入する方針が示されました。再生可能エネルギーを使用することは、企業の評価とも直結し、事業運営を再エネ一〇〇%で調達することを目標に掲げる企業も世界的にふえています。再エネ一〇〇%を証明するような仕組みも整ってきました。今回の導入は、こうした流れを足元から進めていくこと、区民に広げていくことにつながり、評価します。  しかし、本庁舎の電力は、区が使用する電力の五%にしかすぎません。今後の拡大をどう進めるのか伺います。  次に、区政の重要課題について質問します。  第一に、児童相談所の開設についてです。  区は、区立児童相談所の開設に向け、二〇二〇年四月を開設時期とした政令指定要請の提出に向けた準備をしています。我が党は、これまで四月開設にこだわらず、十分な準備を進めることが重要と述べてきました。児童相談所、一時保護所には、これまで区の職員が経験してこなかった専門性や即時対応が求められること、そういった支援にとどまらず、親子を引き離す介入を行うこと、二十四時間対応が求められること、こういった求められる職場であることなど、職員の体制と育成が大きな課題だからです。また、相談件数の引き継ぎを円滑に進めるためには、都の職員の派遣は不可欠です。  そこで確認します。  職員の体制や事前に知識や経験を積む準備は十分なのか、円滑な相談ケースの引き継ぎは十分なのか、見きわめがついているのか伺います。
     また、職員の確保は見通しでしかなく、ケースの引き継ぎについても方法が示されていません。どのように実施するのか、以上、伺います。  第二に、交通不便地域の解消についてです。  区は、今年度砧地域をモデル地域として、公共不便地域対策の調査研究に取り組んでいます。地元協議会も組織され、来年度の実証運行に向けたさまざまな課題に取り組んでいることを評価します。  烏山地域でも買い物や通院などで大変困っているとの声がさらに切実になっています。歩くことも困難なため、引きこもりがちだなど、切実さが年々増しており、一日も早く走らせてほしいとの声が寄せられています。  世田谷区内の交通不便解消のため、砧地区以降の展開についてどのように考えているのか、見解を伺います。  烏山地域では、以前よりバスルートの新設や増便を求める運動があります。住民の方は、既存のバス路線の午後七時以降の増便や、一日四便しかない路線への増便を求め、繰り返し事業者や区に対し働きかけを行ってきました。地域の方は、区が不便地域解消に踏み出したことで大変期待をしています。次はぜひ烏山地域での展開をしていただきたいと要望いたします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 たかじょう議員にお答えをいたします。  まず、消費税増税についてであります。  消費税増税については、政府の方針として、本来その増収分を幼児教育無償化などに充てることとされています。社会保障費は、高齢者数がピークを迎える二〇四〇年ごろには、今年度の一・六倍にも達するという国の見通しが示されており、団塊ジュニア世代の人口が多い世田谷区において同様の状況が想定され、財源の確保自体は不可欠になります。  ただ、特別区全体におきましては、世田谷区においてもふるさと納税の影響も加味して、二〇二一年度時点で、税制改正を含めた消費税増税関連の収支は、差し引き実はマイナスになると試算をしておりまして、財源が逆に削られてしまう。今後の高齢社会を考えるときに、この財源の確保は一緒ですが、消費税の持つ逆進性と低所得者に重い負担をかけることを考えると、税制の公平な改正が不可欠であります。  中小零細企業に目を向けると、景気の回復にはほど遠いという声も聞かれ、現在の経済状況、また税制のゆがみを見たときに、中小零細企業の経営や国民生活にさらなる打撃を与える消費税増税は進めるべきでない、踏みとどまるべきと考えております。  消費税増税に伴う軽減税率の導入や、現在検討されているキャッシュレス決済によるポイント還元など、中小企業あるいは零細商店などに多大な影響があり、ここは十分注意する必要があると考えています。  また、この間、軽減税率、プレミアム商品券、キャッシュレス二%還元から、九カ月の間は五%還元と目まぐるしいほどのいわば影響緩和策が次々と出ていることを見ると、社会保障財源として確保するということの効果の手前で、生活困窮層にプラスにならず、むしろ逆進性を助長してしまうような、つまりはカード決済をできる方のみがその恩恵を得る等の社会的混乱を惹起するおそれもあります。  次に、私の今後の区政における基本的な考えについてであります。  これまで障害者、高齢者を初め誰もが安心して暮らしていけるように、身近な地域で保健、医療や福祉サービスの基盤を確かなものにするため、地域包括ケアシステムの実現を目指し、二十七地区のまちづくりセンターにおける福祉の相談窓口を開設してまいりました。  また、子ども・子育て応援都市宣言を行い、保育待機児解消に向けて努力を重ね、世田谷版ネウボラの取り組みとして、妊娠期から就学前までの切れ目のない支援の構築を目指してきました。  また、子どもの尊厳、安全、命を守る立場から、児童相談所の区設置準備を加速しています。現在も区民生活の視点から課題を捉え、マッチングによる政策の推進と、区民、事業者の参加と協働を追求する手法で困難な課題に挑んでおります。行政手法改革を今後大胆に進め、人に優しい行財政改革を実現すべく、力を尽くしていきたいと思います。  今後も九十万人を抱える基礎自治体のリーダーとして目標をしっかり定めた上、区民の意見を取り入れ、区議会の皆さんとしっかり議論を重ねての改革を進め、住民の福祉の増進を実現することが私の使命と考えております。  国民健康保険料に関してお尋ねをいただきました。  今般の国保広域化という制度改革によって、特別区の保険料については、区長会総会で、将来的な方向性、具体的には、都内保険料水準の統一、医療の適正化、収納率の向上、法定外繰り入れの解消、または縮減に沿って段階的に移行すべく、二十三区統一で対応する。ただし、この水準を参考に、各区独自に対応することも可と、これは相当長時間の議論がありましたが、区長会としての対応方針として確認をしております。  私といたしましても、区民における国保料の年々の負担の重さについては認識をしているところであります。世田谷区としましても、昨年度の広域化に向けての検討の中で、区民目線に立ちながら、他の区とも協力し、新たに保険者となる東京都に対して財政支援を求め、六年間にわたり総額七十九億円の財政支援を結果として出すようにしていただきました。  御指摘の区民負担の軽減については、より国保の被保険者の実態に照らし合わせて、また国や都にも意見をしっかり言いながら、そのありようについて、議会の御意見もしっかり受けとめて取り組んでまいります。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、大きく三点につきまして御答弁申し上げます。  最初に、学校給食費、就学援助の拡充、申請率の関係についてでございます。  学校給食費の無償化につきましては、この間、区議会からさまざまな御意見をいただき、教育費に係る保護者の負担軽減施策として、区長からの指示のもと、財政負担の面を含め、シミュレーションを行ってまいりました。そのシミュレーションの状況につきましては、さきの文教常任委員会におきましてお示しをさせていただいております。  具体的には、就学援助制度の活用を図りまして、認定基準を全体的に引き上げまして、これとともに給食費につきましては、例えば東京都の高校授業料無償化におけるものと同等な所得制限を設けまして、中間所得層まで支給対象者を広げるとの考え方をお示ししました。  一方で、財政負担の面におきましては、体育館のエアコン設置や耐震化などの喫緊の課題解決を図る中で、今回のシミュレーションの案における恒常的な財源の捻出は十分な熟慮を要する必要がございます。  就学援助の周知におきましては、「区のおしらせ」やホームページに掲載するほか、年に二回、区立小中学校の全児童生徒の保護者へ、学校を通じまして御案内の文書を配付しておりますが、さらに案内文書の内容をよりわかりやすく工夫し、周知方法についても検討の指示をしております。  これから予算編成の最終段階となりますが、本件につきましては、当初より申し上げてまいりました財政状況全体を勘案いたしまして、区長に判断を仰いでいきたいと考えております。  次に、新BOP学童プランにつきましても一括で御答弁申し上げます。  今回、厚生労働省が十九日に開かれました地方分権改革の有識者会議で、地方の福祉人材不足に配慮いたしまして、放課後児童支援員の数の基準などを従うべき基準から参酌すべき基準に変更いたしまして、地方の裁量の拡大を進める方針を示したところです。  国の正式な決定はこれからになりますけれども、区といたしましては、新BOPにおきます児童の健全育成を図るためには、必要な人員体制を整備し、職員の知識及び技能の習得に努めまして、質の向上に引き続き取り組む必要がございまして、特に人員の確保にはあらゆる手段を尽くしまして全力で取り組んでまいります。  今まで新BOPでは、放課後対策の事業であることから、午後から夕方にかけて人員が多く必要になる特性がございまして、非常勤職員と常勤職員それぞれの役割や業務量に応じた人員配置を行っているところでございます。今後は、新たな人材の発掘と、現在従事しています職員の定着を図ることが重要でございまして、これまで行っております募集周知等の充実を図るとともに、処遇条件や職場環境の改善などを図り、人員確保に取り組んでまいります。  次に、児童相談所の開設に向けまして、人材と引き継ぎの十分な見きわめについてでございます。  スーパーバイズができる経験豊富な職員や派遣職員により児童相談所業務を経験した職員など、開設、運営に必要な職員数の確保については計画どおり確実に確保できるものと見通しております。  また、人材育成と開設準備をさらに確実にするため、本年十月には、児童相談所長の経験がある職員一名を採用し、従来からの児童心理司、一時保護所業務の支援専門員二名と子ども・若者部副参事を含めました計四名の指導体制を組み、職員育成プログラムの構築とケース引き継ぎの計画の策定を進めております。  ケースの引き継ぎは担当者によりますマン・ツー・マンの引き継ぎを基本といたしまして、世田谷児童相談所の職員と同数以上の区の引き継ぎ職員を投入いたしまして、二〇一九年十月から半年をかけまして引き継ぎができる体制を組んでおります。  専門指導に当たる職員のもとで、担当内の役割分担やケースワークの手法の確認等を行い、チームとして機能する体制を組んで引き継ぎに臨んでまいります。都と区は、子どもの安全を最優先といたしまして、協力して丁寧な引き継ぎに臨むことで一致しておりまして、今月より引き継ぎに向けた具体の協議を開始しております。  このように万全の体制で開設を迎えられるよう、必要な準備を重ね、二〇二〇年四月の開設が可能であると判断したものでございます。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、二点について御答弁申し上げます。  まず、プレミアム商品券の見直しについてでございます。  プレミアム商品券事業につきましては、区内消費の拡大、地域経済の活性化に寄与することを目的として、平成二十一年度以降、継続して実施してまいりましたが、本年度につきましては、福祉的配慮からの優先枠の見直しをするとともに、議会の御指摘も踏まえ、アンケート調査などにより、効果の検証作業を進めているところでございます。  来年度は、消費税の増税が予定されております。平成二十六年度に消費税が八%に上がった際には、政府の消費動向調査では、低所得者層を中心に家計の消費が落ち込み、なかなか回復に至らなかったとの分析もあり、区としても、消費者への配慮や中小事業者保護の観点から対策を講じる必要があると考えております。  こうしたことから、プレミアム商品券事業につきましても、従来の目的に加え、消費者への配慮や区内中小事業者保護の観点もその目的として十分に踏まえ、現在国で検討されている低所得者や子育て世帯に対するプレミアム商品券発行事業などの経済対策とあわせながら、来年度の制度設計を進めてまいりたいと考えております。  こうした中で、商品券を利用できる個店の拡大や中小個店の利用率向上についても検討してまいります。  次に、再生可能エネルギーの使用拡大についてでございます。  区は、環境基本計画に自然の恵みを生かしたエネルギーの利用拡大と創出を掲げ、本年四月にスタートした地球温暖化対策地域推進計画では、低炭素都市づくりを施策の柱の一つに位置づけております。特に二十三区最大の住宅都市である本区の特徴として、家庭や事業所において排出される二酸化炭素量が区全体のおおむね八割を占めており、再生可能エネルギーの利用促進を図ることが重要であることから、区では、区民の再生可能エネルギー利用率二五%を目標として普及啓発に取り組んでいるところでございます。  今回、区内最大級の事業者である区役所が、率先して本庁舎に導入している電力を全て再生可能エネルギー一〇〇%の電力とすることは、区民や事業者に与える印象は大きく、区内の再生可能エネルギーの利用拡大を牽引する効果があると考えます。  あわせて、導入による具体的な効果である二酸化炭素排出量の削減効果について、環境学習やイベント等を通じて普及啓発を行い、区民等の環境意識のさらなる向上につなげてまいります。また、他の公共施設を初めとした区における再生可能エネルギーの利用拡大につきましては、まずは本庁舎への導入に関する検証を行い、中間見直しを進めております環境基本計画の改定の中で、環境審議会での御議論もいただきながら検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎板谷 保健福祉部長 私からは、国保における区独自軽減についてお答えをいたします。  国民健康保険制度は、今般の制度改革におきまして、構造的課題を解決するために、広域化、効率化を進めるという一定の方向性を見たわけですが、本来、国民健康保険は国民皆保険の根幹をなす重要な医療保険制度でありますから、持続的な社会保障制度を目指し、国が責任を持って運営すべきで、低所得者や多子世帯への軽減に関しても、区市町村の繰入金に頼らずとも運営できる制度設計と財政負担を行うべきです。  また、東京都も新たに国民健康保険の保険者となり、国保の財政運営の責任主体となりましたので、都独自の低所得者対策や多子世帯軽減策の実施検討など、一定の支援を検討すべきと考えます。  区では、御指摘の低所得者や多子世帯の負担につきましては、低所得者対策や子育て支援の観点からも、国保の制度的な課題であると認識をしております。さらなる軽減策の実施について、国や都に対して引き続き働きかけるとともに、区としましても、第二次データヘルス計画に基づく保健事業の推進による医療費の適正化、ひいては保険料の抑制を図りつつ、広域化の影響等を見きわめながら、国や都の動向も視野に入れ、検討、対応をしてまいります。  以上です。 ◎澁田 子ども・若者部長 私からは、新BOP指導員の欠員が生じている原因とこれまでの対策についてお答えいたします。  新BOP指導員の欠員につきましては、新BOP指導員に限らず、福祉に関する仕事に従事する人材が量的に不足していることや、昼過ぎから夕方にかけての時間帯に集中して人員を必要とする事業の特性から、人員の確保が困難な状況にあると認識しております。  欠員を解消するためには、新たな人材の発掘と既に勤務している指導員の離職を防ぎ、継続していただくことが課題であると考えております。これまで区では、その対策といたしまして、「区のおしらせ」やホームページ、新聞折り込み広告、インターネット及びフリーペーパー等のさまざまな媒体の活用、都内の大学、短大、専門学校への採用募集の周知などの取り組みを継続して行い、毎月指導員の採用を行っております。  また、時間延長のモデル実施におきましては、新たに一日の勤務時間が七時間三十分で月十六日勤務の新たな区分を設定して募集し、勤務日数が少ないことにメリットを感じる方の発掘を行います。  これらの対策により、前年度を上回る人数を確保してきてはおりますが、まだ欠員を埋められる状況にはございません。今後も指導員の欠員の解消を喫緊の課題として捉え、人員の確保に全力で取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎小山 道路・交通政策部長 私からは、交通不便地域解消の展開につきまして御答弁申し上げます。  区は、平成二十九年度より、砧地区をモデル地区として公共交通不便地域対策の調査研究に取り組み、今年度は、これまで地元勉強会を三回開催するほか、需要調査アンケートも実施しております。また、本年十月には、地元町会・自治会、商店街で構成し、今後さまざまな事項を決定していくなど、主体的な取り組みを行っていただくための地元協議会が設立されるなど、モデル地区での実証運行に向けたさまざまな取り組みを進めております。  烏山地域におきましても、これまで既存バス路線の運行時間帯の拡充を初め、公共交通不便地域への対策に関する地域の声をお聞きしております。  今後モデル地区での実証運行や、利用者アンケートの調査結果等を踏まえ、烏山地域も含めまして、区内全域に広がる公共交通不便地域におきます対策が可能となるような制度を制定していきたいと考えております。  現段階では、狭隘な道路を運行するための安全対策や、運賃以外の収入確保策、地元の機運醸成とクリアすべき課題も多々ありますが、持続可能な公共交通となるよう、まずはモデル地区での実証運行に向け、地元との協働により着実に進めてまいります。  以上です。 ◆三十四番(たかじょう訓子 議員) 再質問を二点させていただきます。  一問は、児童相談所についてです。  児童虐待の死亡事故の多くが、介入の判断のおくれやミスが原因となることが多いという状況です。現場のチームリーダーなど、重要なポジションに経験を積んだ職員を配置するなどが大変重要だと、十分な手だてはあるのかということを伺いたいと思います。  もう一点は、消費税についてです。  私たちは、区内の免税業者の数を四千件と推計していましたけれども、これは税務署もつかんでいないし、区もつかんでいないという、そういった状況です。これは具体的な影響を一番、最も受けるのが免税業者ではないかというふうに思います。ここについて基礎的なデータとしてこれをつかんでいく必要があるのじゃないかというふうに思います。区の認識を伺います。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 再質問に御答弁申し上げます。  今、議員のほうから御指摘がありましたように、区の職員は一時保護や臨検、捜索など、法的権限の行使の経験がないことから、子どもの命と安全を守るための体制づくりが大きな課題であるとして、早い段階から力を注ぎ、準備を進めてまいりました。  児童相談所で厳しい判断や対応を経験した職員が、児童相談所をつくるために人材をどのように育成し、チームづくりを進めるかを計画し、実行する必要があると考え、開設の二年以上前から、こうした経験を持つ職員を確保して、人材育成とチームづくりに充てております。  また、都を初めとする近隣自治体に職員を派遣いたしまして育成しており、その中でも、長く児童相談のケースワークの経験を積んだ職員をスーパーバイザーとして配置するとともに、さらに児童相談所OBの確保も進めており、必要なポジションに計画どおり適材配置をできる見込みとなっております。  現在、児童相談所長の経験のある職員二名と児童心理司、一時保護所の専門指導員の合計四名が指導育成に当たっておりますが、これらの職員はスーパーバイザーをサポートする二重のバックアップ体制をとることとしており、区としては最善の体制を構築するものができるものと考えております。  以上でございます。 ◎久末 経済産業部長 私からは、消費税増税に関する再質問について御答弁申し上げます。  昨今、緩やかな景気回復が続いていると言われておりますが、中小企業は大企業に比べ景気回復の恩恵がなかなか届かない状況であり、区内事業者への消費税の増税の影響は大きいものと認識しております。  区内の納税事業者は約二万五千弱あることは把握しておりますが、免税事業者数については区としては把握しておりません。しかし、区内の大部分の企業が中小零細事業者であることから、免税事業者が多くいらっしゃるものと認識しております。  いずれにいたしましても、消費税増税や、それに伴い行われる税制改正、またさまざまな影響緩和策については、国の動向が不透明な点が多くありますが、区といたしましては、今後、国の動向を注視し、区内中小事業者保護の観点から対応を検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆三十四番(たかじょう訓子 議員) 再質問への答弁ありがとうございます。  児童相談所については、本当に児童虐待防止という立場でぜひ頑張っていただきたいというふうに思っております。  消費税のところでですけれども、免税業者をつかむということは、これは重要だというふうに思います。今後、ぜひ検討していただきたいと、進めていただきたいと思います。  以上です。 ○三井みほこ 議長 以上でたかじょう訓子議員の質問は終わりました。  これで本日の代表質問は終了いたします。        ──────────────────── ○三井みほこ 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明二十八日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時十四分散会...